指定管理者における施設管理について


(質問)
 指定管理者制度により施設の管理を行わせるにあたり、指定前から実施している施設の目的外使用による自動販売機の設置について二重貸付になるのではないかと、指定管理者選定委員会の委員(アドバイザー)から指摘を受けた。
 引き続き自動販売機の設置許可を申請してきた場合、又は、新たに自動販売機の設置許可を申請してきた場合の許可は、町長が行うのか、指定管理者が行うのか。


(回答)

1 地方自治法の規定
  まず、地方自治法(以下「自治法」という。)第149条で「普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。」とし同条第3号で「地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。」及び第4号で「財産を取得し、管理し、及び処分すること。」、同法第225条で「普通地方公共団体は、第238条の4第7項の規定による許可を受けてする行政財産の使用又は公の施設の利用につき使用料を徴収することができる。」、同法第228条で「分担金、使用料、加入金及び手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない。」、同法第238条の4第7項で「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる。」と規定しています。
  次に、自治法第244条の2第3項で「普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第244条の4において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。」、同条第4項で「前項の条例には、指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めるものとする。」、同条第8項で「普通地方公共団体は、適当と認めるときは、指定管理者にその管理する公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という。)を当該指定管理者の収入として収受させることができる。」と規定しています。
2 地方自治法の規定の解釈
 (1) 使用料
   自治法第225条は、「行政財産の目的外使用又は公の施設の利用に係る使用料に関する規定である。ただし、公の施設の利用の対価であっても、自治法第244条の2第8項の『公の施設の利用に係る料金』(利用料金)は、地方公共団体の収入となるものではないので、自治法第225条の使用料ではない。また、使用料の徴収者は、原則は都道府県知事又は市町村長である(自治法第149条第3号)」(新版逐条地方自治法・第4次改訂版(学陽書房)727〜728p)と解しています。
 (2) 行政財産の管理及び処分
   自治法第238条の4は、「行政財産の適正かつ効率的な管理を期するため行政財産の交換、売り払い、譲与、出資若しくは信託等の処分又は貸付け若しくは私権の設定の運用を原則として禁止するとともに、その用途又は目的を妨げない限度において、貸付け若しくは地上権若しくは地役権を設定し、又は使用の許可をすることができることを定め、それらの取扱いに関し定めた規定である。
   行政財産によっては、本来の用途又は目的外に使用させても、本来の用途又は目的を妨げないばかりか、場合によっては積極的に行政財産自体の効用を高めることもあり、また、行政財産の本来の用途又は目的が阻害されない限り、行政財産の効率的利用の見地からみて、その用途又は目的以外についても使用を認めることが適当であることがあるので、行政上の許可処分として使用させることが認められており(自治法第238条の4第7項、)、行政財産の用途又は目的外の使用の許可を受けた者からは、使用料を徴収することができる。
   なお、行政財産の管理は原則として普通地方公共団体の長の権限である(自治法第149条第6号)」(上記逐条887〜894p)と解しています。
 (3) 公の施設の設置、管理及び廃止
   まず、自治法第244条の2は、「公の施設の設置、管理及び廃止に関して定める規定で、指定管理者制度は、従来の『管理の委託』の方式から、法律を根拠とする『管理権限の委任』の方式へと変更したものであり、使用(利用)許可などの『行政処分』も含めて『管理』を行わせる制度とされているもの(自治法第244条第2項括弧書参照)。指定管理者が行う管理の業務、つまり『業務の範囲』について、その具体的範囲を規定するものであり、使用の許可まで含めるかどうかを含めて、施設の維持管理等の範囲を各施設の目的や態様等に応じて設定するものである。
   次に、公の施設を構成する物的要素のうち土地、建物等は、財産面からみると行政財産(上記逐条980p)と解している。
   また、地方公共団体の長は、条例の定めるところにより、指定管理者に公の施設の使用許可を行わせることができるが、使用料の強制徴収(自治法第231条の3)、不服申立てに対する決定(自治法第244条の4)、行政財産の目的外使用許可(自治法第238条の4第7項)等法令により地方公共団体の長のみが行うことができる権限については、これらを指定管理者に行わせることはできない」(地方財務実務提要(ぎょうせい)7442p)と解しています。
 (4) 公の施設の目的外使用
   公の施設は行政財産に分類され、「当該公の施設としての利用でない場合には、行政財産の目的外使用と考えられ(上記財務提要7413〜7414p)、行政財産の用途又は目的外の使用として許可(自治法第238条の4第7項)しなければならない」(上記逐条980p)と解しています。
3 事案の検討
  まず、本事案の自動販売機の設置について、公の施設の設置目的、用途等が条例で定められていますが、貴町は、上記2の(4)から、行政財産の目的外使用と考え、目的外使用の許可をしているものと思われます。
  次に、上記2の(3)の上段から、『業務の範囲』は、施設の維持管理等の範囲を設定するもので、また、上記2の(3)の後段から、行政財産の目的外使用許可を指定管理者に行わせることはできません。
  したがって、行政財産の目的外使用許可は、指定管理者が行えるものではなく、長の権限ですので、新たに行政財産の目的外使用許可を受けたいもの、又は、貸付期間(貸付期間中のものを含む。)の満了に伴い更新を受けたいものは、貴町公有財産規則の規定に基づき、長に行政財産の目的外使用申請を提出し、長が許可をすることになります。