○くっちゃん子をみんなで育てる条例

令和8年4月16日

条例第16号

目次

前文

第1章 総則(第1条~第3条)

第2章 こどもの主体性の育み(第4条・第5条)

第3章 地域社会の役割(第6条~第10条)

第4章 こどもに関する施策の策定及び推進(第11条~第14条)

第5章 こどもの育ちを支える仕組み(第15条・第16条)

第6章 雑則(第17条・第18条)

附則

こどもは、次代の社会を担うかけがえのない存在です。

倶知安町で育つこども「くっちゃん子」が、自らを大切に思う気持ちと他者を思いやる心を育み、夢や希望を持って健やかに成長していくことが、全ての町民の願いです。

しかしながら、昨今は少子化、核家族化の進行や地域コミュニティの連帯感の希薄化が進むなか、いじめ、不登校、貧困、児童虐待、こどもをめぐる犯罪の多発など、こどもを取り巻く環境は大きく変化しています。

また、高齢人口比が低く、移住者や転勤者、外国籍の住民が多いことが特徴である本町では、家庭の内においても、家庭の外においても、こどもに関わる人の手が少なくなっていることが懸念されます。

そのため、保護者のみならず全ての大人が、お互いにつながりを深め、それぞれの役割や責務を自覚し、くっちゃん子が健やかに育つことができるための環境を整えるとともに、将来の地域社会の担い手として社会的に自立していくように支えることが重要です。

本町には羊蹄山、ニセコ連峰、尻別川など雄大で美しい自然や、多文化が共生する国際色豊かな地域性など、子育てやこどもの成長にとって恵まれた環境があります。

くっちゃん子が夢や希望を抱き、健やかに育まれ、大人になってもふるさとであるこの地を愛し続けることができる町の実現を目指し、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、妊娠、出産及び子育てまでの切れ目のない支援、豊かな自然環境及び国際色豊かな教育環境を生かした青少年の健全な育成並びに地域社会全体による子育て支援に関し、保護者、地域住民、学校等、事業者等及び町の役割を明らかにするとともに、こどもに関する施策についての基本的事項及びこどもの成長を支える仕組みを定めることにより、こどもが健やかに成長し、夢を持って住み続けられるまちづくりの推進を目的とします。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。

(1) こども おおむね18歳以下の者及び社会的支援が求められる成長過程にある者をいいます。

(2) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者でこどもを現に監護するものをいいます。

(3) 地域住民 本町の区域内に住所又は勤務場所を有する者(こどもを除きます。)及び町内でこどもの健全育成支援を主たる目的として活動する個人又は子育て支援団体をいいます。

(4) 学校等 保育所、幼稚園、認定こども園、学校その他のこどもが入所し、通所し、通園し、又は通学することにより集団生活を通じて学び、育つ場としての施設で、町が設置し、又は本町の区域内に存するものをいいます。

(5) 事業者等 本町の区域内に事務所又は事業所を有する個人又は法人及び任意団体等で、事業活動を行うものをいいます。

(基本理念)

第3条 こども及び子育て家庭に関する施策は、児童の権利に関する条約及びこども基本法(令和4年法律第77号)の精神にのっとり、次に掲げる事項を基本理念として行わなければなりません。

(1) 全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、差別的取扱いを受けることがないようにすること。

(2) 全てのこどもについて、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され保護されること、その健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、教育基本法(平成18年法律第120号)の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられること。

(3) 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること。

(4) 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。

(5) 保護者、地域住民、学校等、事業者等及び町がそれぞれの役割に応じ、主体的な取組を行うとともに、相互に連携し、及び協力して地域社会全体でこどもを支えるための取組を推進すること。

第2章 こどもの主体性の育み

(こどもの主体性の育み)

第4条 こどもは、個々の良さ及び可能性を生かした夢又は希望を抱き、様々な責務を果たすことができる大人へと成長するように、次に掲げる事項について取り組むよう努めるものとします。

(1) 自分を大切にし、その年齢及び発達の程度に応じて主体的な学びを育み、行動すること。

(2) 他者を大切にし、他者への思いやりの心を持つこと。

(3) 基本的な生活習慣を身に付け、社会生活上の決まりを守ること。

(4) 他者との関わりを大切にし、主体的に生きていく力を高めるとともに、地域社会の一員として社会参加をすること。

2 保護者、地域住民、学校等、事業者等及び町は、こどもの人格を尊重し、その年齢及び発達の程度に応じて、こどもが社会的な自立に向けて学ぶこと及び主体的に考え、行動することを支えなければなりません。

(こどもの主体的活動への支援)

第5条 保護者、地域住民、学校等、事業者等及び町は、こどもの社会的な自立に資するため、他者と関わり合える機会をつくるよう努めるとともに、こどもの社会参加及びスポーツ活動、文化活動等に関するこどもの主体的活動(自主的な企画及び運営による活動をいいます。)への支援に努めなければなりません。

第3章 地域社会の役割

(保護者の役割)

第6条 保護者は、第3条に定める基本理念(以下「基本理念」といいます。)にのっとり、こどもの養育に第一義的責任を有すること及び家庭がこどもの人格形成に大きな役割を果たしていることを認識し、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとします。

(1) こどもが大人になることへの憧れと希望を抱けるような自らの幸せな人生設計に努めること。

(2) こどもが心身ともに安らぐことができるような家庭環境づくりを行うこと。

(3) 乳幼児期から、こどもの人格を尊重し、こどもと向き合うこと。

(4) こどもが基本的な生活習慣、他者を尊重する心、規範意識、豊かな人間性、社会性等を身に付けることができるように、その年齢及び発達の程度に応じ、その成長を支えること。

(5) 自らの精神的、経済的な負担及び不安並びに孤立感の軽減並びに健康維持に努めること。

2 保護者は、子育てに関して悩み、不安等があるときは、一人で抱えることなく身近にいる者に相談するよう努めるとともに、こどもは様々な人との関わりの中で育まれるという認識の下、地域において子育てを支援する活動に参加し、並びにこどもに関する専門的知識及び経験を有する機関等にできる限り援助を求めるよう努めるものとします。

(地域住民の役割)

第7条 地域住民は、基本理念にのっとり、地域社会がこどもの豊かな人間性及び社会性を育む場であることを認識し、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとします。

(1) 地域社会全体でこどもを育てることを意識し、相互につながりを深めること。

(2) 地域社会でのこどもの生活上の安全に配慮し、こどもが安心して生活することができるための地域環境づくりを行うこと。

(3) こどもが他者を尊重する心、規範意識、豊かな人間性、社会性等を身に付けることができるように、その年齢及び発達の程度に応じ、その成長を支えること。

(4) 必要に応じて、こどもの育成に関して、保護者への知識の提供、交流の機会づくり等の支援を行うこと。

(学校等の役割)

第8条 学校等は、基本理念にのっとり、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとします。

(1) 保育、教育等を行う者は、人としてこどもと対等かつ平等であることを基本に、保育、教育活動等の推進に努めること。

(2) こどもが考える力、創造力等を身に付けることができるように、その年齢及び発達の程度に応じ、その成長を支えること。

(3) こどもが、集団生活における他者との関わりを通じて他者を尊重する心、規範意識、豊かな人間性、社会性等を身に付けることができるように、その年齢及び発達の程度に応じ、その成長を支えること。

(4) 障がい、虐待、いじめ、不登校、ひきこもり、家事や家族の世話若しくは介護、経済的困難等を理由とした支援を必要とする状態又はこれらの状態に至る可能性が高い状態にあるこどもの早期発見及びその支援を行うこと。

(事業者等の役割)

第9条 事業者等は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たり、地域社会における社会貢献等の社会的な責任を認識し、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとします。

(1) 第5条に規定するこどもの主体的活動並びに学校等が行う活動及び町が行う事業に協力すること。

(2) 雇用する労働者が保護者であるときは、第6条に掲げる保護者の役割を認識し、子育てと仕事の両立に必要な雇用環境の整備を行うこと。

(3) 地域住民が第7条に掲げる役割を果たすことに協力すること。

(町の役割)

第10条 町は、基本理念にのっとり、次に掲げる責務を有します。

(1) こどもに関する施策を策定し、その推進に当たっては、福祉、保健、教育その他の関連分野において総合的に切れ目なく取り組むとともに、保護者、地域住民、学校等及び事業者等と連携を図ること。

(2) 保護者、地域住民、学校等及び事業者等がそれぞれ第6条から前条までに掲げる役割を果たすことができるよう働きかけ及び取組を行うこと。

(3) 保護者、地域住民、学校等及び事業者等がそれぞれ又は相互に連携を図ることができるよう支援を行うこと。

第4章 こどもに関する施策の策定及び推進

(こどもに関する施策の策定及び推進)

第11条 町長は、こどもに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、こども基本法第10条第2項に規定する市町村こども計画(以下この条において「こども計画」といいます。)を定めるものとします。

2 こども計画は、次に掲げる事項について定めるものとします。

(1) こどもに関する施策についての基本的な考え方

(2) 具体的なこどもに関する施策

(3) 前2号に掲げるもののほか、こどもに関する施策を推進するために必要な事項

3 町長は、こども計画を定めるに当たり、町民の意見を反映させるための必要な措置を講じるほか、倶知安町こども政策推進会議条例(平成25年倶知安町条例第24号)第1条の規定に基づき設置された倶知安町こども政策推進会議の意見を聴かなければなりません。

4 町長は、こども計画を定めたときは、速やかにこれを公表するものとします。

5 前2項の規定は、こども計画の変更について準用します。

(こどもの意見表明及び社会参加の促進)

第12条 町は、まちづくり及びこどもに関する施策にこどもの意見を反映させるため、こどもが自らの考え及び意見を表明し、参加する機会を設けるよう努めるものとします。

2 町及び学校等は、こどもの意見表明及び参加を促進するため、こどもがその意義及び方法について学び、情報を得ることができるよう努めるものとします。

(相談支援体制の充実)

第13条 町は、こどもとその育ちの基盤である保護者が明るく健やかに地域で暮らすために、妊娠、出産、就学その他こどもの年齢及び発達の程度に応じた問題や悩みに対応できるよう、相談支援体制の充実を図るものとします。

(財政上の措置)

第14条 町は、こどもに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとします。

第5章 こどもの育ちを支える仕組み

(地域社会の子育て機能の向上)

第15条 保護者、地域住民、学校等、事業者等及び町は、基本理念にのっとり、それぞれ又は相互のつながりを深めて、地域社会の子育て機能が向上するよう努めなければなりません。

2 町は、地域社会の子育て機能の向上に資するため、次に掲げる事項に関し、必要な措置を講ずるものとします。

(1) 保護者及び地域住民がこどもの育ちを支えるための主体的な取組並びに自主的な企画及び運営による活動を行うことの奨励及び促進に関すること。

(2) こども、保護者、地域住民、学校等及び事業者等によるこどもの育ちを支えるための主体的なつながりの形成及び拡充並びにその継続への支援に関すること。

3 保護者、地域住民、学校等及び事業者等は、前項第2号に掲げる事項について町が講ずる措置に協力するよう努めなければなりません。

(状況等に応じたこども及び子育て家庭への支援)

第16条 町は、保護者、地域住民、学校等及び事業者等と連携し、障がい、虐待、いじめ、不登校、ひきこもり、家事や家族の世話又は介護、経済的困難等を理由とした支援を必要とするこども及びその家庭に対し、こどもが置かれている家庭生活、集団生活等における環境をその最善の利益となるよう改善するため、様々な社会資源を活用し、必要な支援を行うものとします。

2 町は、虐待、いじめ等の防止及び早期発見に取り組むとともに、前項の規定による支援を効果的に実施するための体制を整備するものとします。

第6章 雑則

(広報及び啓発)

第17条 町は、この条例の趣旨について、こども、保護者、地域住民、学校等及び事業者等の理解を深めるため、広報及び啓発を行うものとします。

(委任)

第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が定めます。

この条例は、公布の日から施行します。

くっちゃん子をみんなで育てる条例

令和8年4月16日 条例第16号

(令和8年4月16日施行)