○八雲町議会基本条例
平成25年9月18日
条例第30号
(前文)
八雲町議会は変わります。
「議会は何をやっているのかわからない。議員は何をやっているのか見えない。私たちにとって議会は遠い。」という町民の声を沢山聞いてまいりました。
私たちは今、その声に応える決意で議会基本条例を制定します。
平成17年10月1日の合併により、日本で唯一、太平洋と日本海の二つの海を持ち、自然豊かで異なる文化と歴史を持つ新しいまちが誕生しました。
これまでも、合併を経験したまちとして、議会に何が求められているのかを考え、議会本来の役割・機能を果たすため努力してきました。
しかし、選挙区の廃止については、地域の声、小さな声が届かなくなるという町民の大きな不安がありますが、多くの議論を重ねた結果、議会が解決すべき課題として、重く受け止めたうえで決断いたしました。
また、地方分権の推進により、地方公共団体の自己決定・自己責任の範囲が拡大され、自立的な自治運営を支えるために、議会の役割はますます重要となっています。
こうした時代の要請に応えるため、議会は自由かっ達な議会討議をとおし、効率的で「わかりやすい議会」の運営に努め、町民の意思を反映した「開かれた議会」を目指すとともに、町民を代表し、独立した機関として町長等執行機関と協力しつつも、相互の抑制と均衡、緊張関係を保ちながら、政策の決定、その監視と評価を行う機能を果たし、更に、政策立案機能を高める必要があります。
そのために、議会そして議員は、従来の活動にとどまることなく常に自己研さんを重ね、資質の向上を図りながら、議会改革を推し進めていきます。
議会が変われば行政が変わるという自負を持ち、町民と協働し、町民の幸せにつながるまちづくりを目指し、町民の負託に全力で応えてまいります。
(目的)
第1条 この条例は、八雲町自治基本条例(平成22年八雲町条例第3号)第28条に規定されている町民の代表機関である議会が、住民自治にふさわしい開かれた議会、わかりやすい議会を目指すために必要な議会運営の基本事項を定めることにより、町民が安心して暮らせる住みよい八雲町の実現に寄与することを目的とする。
(議会及び議員の責務)
第2条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。
(議会の活動原則)
第3条 議会は、まちづくりの主体である町民の代表機関であることを自覚し、公正性、透明性、信頼性を重んじ、住民自治にふさわしい開かれた議会、わかりやすい議会を目指して活動する。
2 議会は、議長及び副議長の選出に当たっては、選出の透明性を確保するとともに、町民に対する説明責任を果たし、議会活動の方向性を明確にするため、本会議において、その職を志願する者に所信表明の場を設けなければならない。
3 議会は、議会が、議員、町長、町民等の交流と自由な討論の広場であるとの認識に立って、その実現のために、この条例に規定するもののほか、この条例をふまえて別に定める八雲町議会会議規則(平成17年八雲町議会規則第1号)の内容を継続的に見直す。
4 議長は、八雲町議会傍聴規則(平成17年八雲町議会規則第2号)に定める町民の傍聴に関し、議案の審議に用いる資料等を提供するなど、町民の傍聴意欲を高める議会運営に努める。
5 議会は、会議を定刻に開催するものとし、会議を休憩する場合には、その理由及び再開の時刻を傍聴者に説明する。
6 議会は、本会議閉会後、速やかに、当該本会議の運営に係る課題の整理とその対策を検討し、必要な措置を講ずる。
(議員の活動原則)
第4条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじる。
2 議員は、町政の課題について、町民の意見を的確に把握するとともに、町民に選ばれた者としてふさわしい活動をするため、自己研さんにより資質の向上に努める。
3 議員は、個別的な事案の解決だけではなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。
(町民参加及び町民との連携)
第5条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、常任委員会、特別委員会を原則公開とするとともに、会期中又は閉会中を問わず、町民が議会の活動にいつでも参加できるような措置を講ずる。
3 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会等の運営に当たり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、町民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるものとする。
4 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置づけるとともに、その審議においては、必要に応じてこれら提案者の意見を聴く機会を設ける。
5 議会は、町民や町民団体等との意見交換の場を多様に設け、議会及び議員の政策能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図る。
6 議会は、重要な議案に対する各議員の態度を議会広報で公表するなど、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供をする。
7 議会は、前6項の規定に関する実効性を高める方策として、全議員の出席のもと、町民と議会との懇談会~議会報告会~(以下「懇談会」という。)を少なくとも年1回開催し、議会の説明責任を果たすとともに、広く町民の意見を聴取して議会運営の改善を図る。ただし、特別な理由により懇談会の開催が困難な場合は、この限りでない。
(町長等と議会及び議員の関係)
第6条 本会議における一般質問は、広く町政上の論点、争点を明確にするため、一問一答で行う。
2 議長から本会議、常任委員会及び特別委員会に出席を要求された町長等は、論点、争点を明確にするため、議員の質疑及び質問に対して、議長又は委員長の許可を得て反問することができる。
(町長による政策等の形成過程の説明)
第7条 町長は、議会に計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)を提案するときは、政策等の決定過程を明確にするため、次に掲げる事項を説明するよう努める。
(1) 政策等の発生源
(2) 検討した他の政策等の内容
(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討
(4) 総合計画における根拠又は位置づけ
(5) 関係ある法令及び条例等
(6) 政策等の実施にかかわる財源措置
(7) 将来にわたる政策等のコスト計算
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、それらの政策等の水準を高める観点から、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努める。
(自由討議による合意形成)
第8条 議会は、議員による討論の広場であることを十分に認識し、議長は、議員相互間の討議を中心に運営しなければならない。
2 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会等において、議員提出議案、町長提出議案及び町民提案等に関して審議して結論を出す場合、議員相互間の自由討議により議論を尽くして合意形成に努めるとともに、町民に対する説明責任を果たさなければならない。
3 議員は、議員相互間の自由な討議を通じて合意形成を図り、政策立案及び政策提言等を積極的に行うよう努めるものとする。
(委員会等の適切な運営及び一般会議の設置)
第9条 議会は、社会経済情勢等により生じる行政課題に適切かつ迅速に対応するため、常任委員会、特別委員会等の適切な運営により機動力を高めなければならない。
2 議会は、常任委員会において、委員以外の議員で出席した者の発言を認め、多様な意見を取り入れることにより、審査の充実と質の向上を図る。
3 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)により活動が制限されている常任委員会、特別委員会等の制約を超えて、町政の諸課題に柔軟に対応するため、町政全般にわたって議員と町民団体等が自由に情報及び意見を交換する一般会議を設置する。
(議会事務局の体制整備)
第10条 議長は、議会の政策立案機能を強化させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、専門的な知識経験を有する職員の配置及び育成を行うなど、議会事務局の機能強化及び組織体制の整備に努めるものとする。
2 議長は、事務局長その他の職員を任免するときは、あらかじめ町長と協議する。
(議員研修の充実強化)
第11条 議会は、議員の資質と政策立案能力の向上を図るため、自主的な研修や関係機関が主催する研修会への積極的な参加など、議員研修の充実強化を図る。
2 議会は、議員研修を通じて、この条例の理念を議員に浸透させるよう努める。
(議会広報の充実)
第12条 議会は、町政に係る重要な情報を、議会独自の視点から、常に町民に対して周知するよう努める。
2 議会は、情報技術の進歩をふまえた多様な広報手段を活用し、多くの町民が議会と町政に関心を持つ議会広報活動に努める。
(災害時の対応)
第13条 議会及び議員は、災害が発生した場合又は発生する恐れがある場合は、その果たすべき役割を十分に認識し迅速かつ的確に行動するとともに、町民生活の安定及び維持に努めるものとする。
2 議会及び議員の災害時の行動基準等に関しては、別に定める。
(議員定数及び議員報酬)
第14条 議員定数及び議員報酬は、別に条例で定める。
2 議員定数及び議員報酬の改正に当たっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して参考人制度、公聴会制度を活用するなど、広く町民の意見を聴取する。
3 議員定数及び議員報酬の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して議員が提案する。
(議員の政治倫理)
第15条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。
(最高規範性)
第16条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会は、この条例に違反する議会の条例、規則、規程等を制定してはならない。
(見直し手続)
第17条 議会は、一般選挙を経た任期開始後、速やかに、この条例の目的が達成されているかどうかを検討する。
2 議会は、前項による検討の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講ずる。
3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を説明する。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成28年3月22日条例第7号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和2年12月15日条例第29号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和8年3月16日条例第1号)
この条例は、公布の日から施行する。