○豊浦町指定管理者制度運用方針
令和7年1月
目次
1 はじめに
2 指定管理者制度への本町の対応について
(1) 基本的な考え方
(2) 公募・非公募の取扱い
(3) 目標による管理
(4) 指定期間
(5) 業務の範囲
(6) 利用料金制度の活用
(7) 指定管理料
3 指定管理者制度の導入手続き等について
(1) 条例に規定すべき内容
(2) 指定管理者の募集方法
(3) 指定管理者の選定
(4) 指定管理者の指定
(5) 協定の締結
(6) 指定管理者に対するモニタリング
4 適用
表1 リスク分担 標準例
(様式)誓約書
1 はじめに
平成15年(2003年)9月の地方自治法の改正施行に伴い、公の施設の管理について、民間の能力を活用しつつ、町民サービスの向上と経費の節減を図ることを目的として指定管理者制度が導入された。
これを受け、本町では平成17年度(2005年度)から公の施設の管理運営を順次指定管理者に移行した。
これまでの指定管理者制度の実績等を踏まえ、指定管理者制度をより効果的かつ効率的に機能させ、制度本来の趣旨が達成できるよう、「豊浦町指定管理者制度運用方針」(以下「運用方針」という。)を以下のとおり定める。
2 指定管理者制度への本町の対応について
(1) 基本的な考え方
公の施設への指定管理者制度の導入に当たっては、単なる施設管理形態の変更ではなく、施設の設置目的等に照らし、当該施設が行う行政サービスの必要性や達成状況、執行方法の効率性等、施設のあり方そのものについて抜本的な検証を行う。
この検証に当たっては、「豊浦町中期財政計画」等と整合を図るとともに、「豊浦町公共施設等総合管理計画個別施設計画」等に基づき、施設の廃止、統合、民営化及び指定管理者制度導入の採否を検討する。
(2) 公募・非公募の取扱い
指定管理者の選定に当たっては公募を原則とするが、次のアからオまでのいずれかに該当する場合は、当該施設の設置管理条例の制定又は改正を行ったうえで非公募とすることができるものとする。また、非公募とは、公募を行わないことを示すものであり、複数の団体等からの申請を妨げるものではない。
ア 地域に密着した公の施設で、地域の団体による管理が町民サービスの提供に有利である場合
イ 施設の管理運営に当たり、当該指定管理者の長期継続的な事業運営や人材育成、ノウハウの蓄積等を特に必要とし、指定管理者の変更になじまない場合
ウ 緊急に指定管理者を指定する必要があり、公募を行う時間がない場合
エ 公募による応募がない場合
オ その他、公募を行わない合理的な理由がある場合
(3) 目標による管理
ア 目標管理の実施
指定管理者の適正な選定と、客観的かつ公正な評価を行い、施設に求められるサービス水準を維持向上させるため、目標の設定と評価による目標管理を行う。
イ 数値目標
目標による管理を行うためには、目標の達成度を客観的に確認するための定量的指標の設定が有効である。したがって、定量的指標の設定が困難な場合を除いて、目標管理においては数値目標の設定を原則とする。
ウ 評価指標の設定
指標には、「活動により投入された資源量(職員数、経費など)を表すインプット指標」、「インプットの投入により創出された活動の状況などを表すアウトプット指標(イベント実施回数、来館者数など)」、「アウトプットがもたらす成果を表すアウトカム指標(利用者数、普及率、稼働率、収入額など)」があるが、指標は原則としてアウトカム指標を採用する。ただし、アウトカム指標の設定が困難な場合は、アウトプット指標やインプット指標を代替とすることも可能とする。
この指標には、指定管理者の選定時の評価に採用するため、あらかじめ町が決めておくものと、指定管理者と協議の上、協定書に明記するものとがある。
エ PDCAによる目標管理
設定された評価指標に基づいて、より良いサービスの提供につなげるため、PDCAのマネジメントサイクルによる運用を実施する。
(ア) 計画(PLAN) ・・・評価指標の設定
(イ) 実行(DO) ・・・施設の管理運営
(ウ) 評価(CHECK) ・・・モニタリングによる評価
(エ) 改善(ACTION) ・・・評価に基づく改善計画、評価指標の見直し
目標による管理のスキームを図で表すと以下のとおりである。

(4) 指定期間
指定期間は、指定管理者による管理運営が適切に行われ、制度の趣旨が実現できているかを定期的に見直すことが適当であるとして設けられているものであり、適切な期間設定が求められる。
短期間では、指定管理者の設備、人材等の投下資本の回収、管理運営の評価を行う上では不十分であり、また長期に指定することは、社会経済情勢の変動に対して持続的な経営が困難な事態も予想されることや、競争原理の回避につながるといった問題もある。
本町における指定管理者制度の実績、他の自治体での事例も参考にし、本町においては指定管理期間を原則として5年と定め、施設の態様等、特別の事情がある場合は個別に判断するものとする。
(5) 業務の範囲
指定管理者が行う業務はおおむね次のとおりとするが、施設の目的や態様に応じて、個別の施設の設置管理条例において具体的な事項を定める。
ア 施設の運営に関すること
イ 施設の維持管理に関すること
ウ 施設の設置管理条例に規定する事業の実施に関すること
なお、指定管理に含めることが効率的でない等の特別の理由がある場合を除き、当該施設で実施する業務、管理運営に関する業務は、原則として包括的に指定管理者に行わせることとする。
(6) 利用料金制度の活用
利用料金制は、本来町に納付されるべき公の施設の使用料(公金)を利用料金として指定管理者が代わって収受し、その施設の運営に要する必要経費に充当させるものであり、利用料金は条例の範囲内で指定管理者が定めるものとしている。したがって、利用料金制は本町の会計事務の省力化に効果があるとともに、指定管理者が経営努力によって収入を上げるためのインセンティブにもなりうる。
また、経営努力により生じた利益をさらなるサービス向上に還元することが期待できるものであり、積極的な活用を図るものとする。
(7) 指定管理料
ア 指定管理料
指定管理者が施設を運営するために必要な経費の充当財源として、
(ア) 全て利用料金で賄う。
(イ) 全て町からの指定管理料で賄う。
(ウ) 一部を指定管理料で、残りを利用料金で賄う。
の3通りがある。
指定管理料は、単純に利用料金収入で不足する経費を計上するのではなく、現行の施設運営経費を精査するとともに、施設運営のあり方、代行させる業務の範囲、指定管理者に求める成果の基準などを総合的に勘案し、適切な金額を設定する。
イ 指定管理料に余剰金が生じた場合の取扱い
適正な管理運営のもと、当該年度の指定管理料に、コスト削減や利用料金収入の増などで生じた余剰金は、より効果的で効率的なサービス提供につながるインセンティブに配慮し、原則、指定管理者に帰属するものとする。ただし、以下の場合については、今後の指定管理料の減額を含め、指定管理者と協議の上、余剰金の配分について決定することとする。
(ア) 指定管理業務の範囲、適正性及び収支状況からみて、余剰金が過大と認められる場合
(イ) 事業計画等で規定した事業を実施しなかったり、協定で定めた事業の実施回数を下回ったりするなど、指定管理者の努力によらず余剰金が発生した場合
(ウ) 協定時に見込まれていない特段の事情の変更により、余剰金が発生した場合
3 指定管理者制度の導入手続き等について
(1) 条例に規定すべき内容
指定管理者制度の導入に伴い必要となる条例の整備は、それぞれの公の施設の設置管理条例の改正により行うものとし、以下の内容について規定する。
ア 指定管理者に施設の管理を行わせることができる旨の規定
イ 管理の基準
休館日、開館時間、利用許可の制限、当該公の施設を利用するに当たっての基本的な条件
ウ 業務の範囲
指定管理者が行う管理業務についての、利用許可の制限も含め、各施設の目的や態様等に応じた具体的範囲
エ 利用料金に関する事項
利用料金制を採用する場合の、料金、減免、返還等の措置
オ 申請の方法
申請に必要な書類(事業計画書等)及び提出先等
カ その他必要事項
それぞれの公の施設の目的や態様に応じた必要な事項
(2) 指定管理者の募集方法
ア 応募資格
以下の視点を基本として、施設の特性に応じて個別の資格要件を定める。
(ア) 指定期間中、施設の管理運営を的確かつ継続的に実施できる法人その他の団体(以下「法人等」という。)又は複数の法人等が共同で構成する団体(以下「共同企業体」という。)等
(イ) 公の施設を管理するのに不適切な法人等又は共同企業体(以下「団体等」という。)を除くこと。
○一般的な欠格事由について(例) a 法人税、法人町民税、消費税及び地方消費税等の租税を滞納している者 b 地方自治法施行令第167条の4の規定により、本町における入札参加を制限されている者 c 募集の公告日において本町から指名停止処分を受けている者又は募集の公告日以降に本町から指名停止処分を受けた者 d 会社更生法、民事再生法等の規定による更生、再生手続き中の者 e 豊浦町暴力団排除条例第2条第1号に規定する暴力団 f 労働基準監督署から是正勧告を受け、2年を経過しない者(是正勧告を受け、必要な措置の実施について、労働基準監督署に報告している者を除く。) g 本町又は他の地方公共団体から指定管理者の指定を取り消され、2年を経過しない者 h aからgまでに掲げるもののほか、法令違反など社会的信用を損なう行為等により、指定管理者の指定をするのにふさわしくない事由があると町長が認める者 |
イ 募集方法
募集要項を作成し、町ホームページ等への募集概要の掲載等、幅広く募集を周知する。
ウ 募集要項の作成
募集要項の主な提供情報は以下のとおりとする。
(ア) 施設の概要(施設名称、施設規模)
(イ) 管理の基準(名称、規模、開館時間、休館日等)
(ウ) 指定管理者が行う業務の範囲
(エ) 指定期間
(オ) 指定管理料の上限額及び利用料金制の有無
(カ) 応募資格
(キ) 応募方法
(ク) 質疑応答
(ケ) 選考方法、選考基準
(コ) 説明会の有無
(サ) 協定の締結
(シ) 指定管理者の指定の取消し
(ス) その他必要事項
(セ) 事業計画書等の様式
(ソ) 応募窓口
エ 提案型募集
施設により、開館時間、休館日、自主事業の企画などの条件について、応募者から提案を受ける提案型募集を実施する。
オ 募集期間
募集要項の配布から応募の締め切りまでの募集期間については、応募を希望する団体等の事業計画書等の作成に十分な時間を確保するため、最低1ヶ月以上とする。ただし、特別の事情がある場合はこの限りでない。
カ 応募申請書の添付書類
応募申請書には、原則として、以下の書類の添付を求めるものとする。
(ア) 管理運営に係る事業計画書
(イ) 管理運営に係る収支計画書
(ウ) 法人等の定款その他の基本約款及び登記事項証明書(法人以外の団体にあっては、これらに類する書類)
(エ) 法人等の経営状況を説明する書類
(オ) 欠格事由に該当しない旨の誓約書
(カ) 上記(ア)から(オ)までに掲げるもののほか、各施設において確認が必要と認める書類
キ 欠格事由の確認
上記カにより応募申請書類の提出があったときは、欠格事由に該当する事実がないかどうかについて、情報収集を行うものとする。
(3) 指定管理者の選定
指定管理者の選定については、公平かつ適正に実施するため豊浦町指定管理者選定委員会設置要綱(以下「設置要綱」という。)に基づき審議し、町長へ答申する。
(4) 指定管理者の指定
ア 議会の議決
設置要綱に基づき、指定管理者の候補者を選定したのちに、指定に係る議案を議会に提出し、議決を得る。
イ 議案の提出
指定管理者指定の議案について、町議会が慎重に審議する機会、指定後における協定締結など準備のための期間を確保する必要があることから、その提出時期は、原則として、定例会12月会議とする。
ウ 指定及び告示
指定管理者の指定の議決を得たときは、候補者を指定管理者として指定し、告示するとともに、指定管理者に通知を行う。
(5) 協定の締結
ア 協定事項
指定管理者に支出する指定管理料の額等の細目事項については、あらかじめ町と指定管理者とで協定を締結する。協定に明記する基本的事項は以下のとおりである。
なお、指定期間全体に及ぶ基本的事項については基本協定で締結し、年度ごとの業務内容の確認と指定管理料については、年度協定として締結するものとする。
(ア) 管理業務の処理
(イ) 指定期間及び管理の基準(開館時間、休館日等)
(ウ) 業務の範囲
(エ) 利用料金に関する事項
(オ) 事業報告に関する事項
(カ) 指定管理料に関する事項
(キ) 年間経常損失に関する事項
(ク) 施設の修繕等に関する事項
(ケ) 管理業務費用に関する事項
(コ) 事故報告に関する事項
(サ) 損害賠償に関する事項
(シ) 備品等の貸与
(ス) 指定の取消し及び業務の停止に関する事項
(セ) 指定期間の終了に関する事項(業務の引継、原状復帰等)
(ソ) 個人情報保護に関する事項
(タ) モニタリングに関する事項
(チ) リスク分担に関する事項
イ 修繕費等の取扱い
施設の使用に伴い発生する修繕費等については、指定管理者に負担を求める場合の「小破修繕」の定義、金額及び範囲(面積、期間等)等を例示し、協定においてあらかじめ規定する。
また、修繕費の範囲は、国税庁基本通達・法人税法第8節「資本的支出と修繕費」に留意するとともに、指定管理者がその管理期間満了時に資産を保有しないよう、寄附等の手続きにより適切に処理しなければならない。
なお、町の責任においては、施設の保全計画に基づき、施設存立のための計画的な修繕を行うこととする。
ウ リスク分担の標準例
個々の施設におけるリスク分担については、表1「リスク分担 標準例」に基づき、協定において定めることとする。
エ 備品の取扱い
管理運営上必要な備品については、町が購入し、無償貸与する。
また、管理運営事業におけるより質の高いサービス(町が求める基準以上)の提供や自主事業での使用を目的とする備品については、指定管理者が、自己の費用(指定管理料や指定管理業務に係る収入は含まない)と責任で購入することができることとする。
その場合、当該備品の所有権は、指定管理者に属することとし、指定管理期間満了の際は、原則、原状回復のため撤去することとする。ただし、当該備品は、町と指定管理者との協議により、町に引き継ぐことができるものとする。
(6) 指定管理者に対するモニタリング
ア 目的
モニタリングとは、指定管理者による公共サービスの履行に関して、条例、規則及び協定等に従い、適切かつ確実なサービスの提供が確保されているかを確認する手段であり、安定的、継続的にサービスを提供することが可能であるか監視、評価するものである。
イ 内容
モニタリングは、指定管理者による事業報告書等の作成や利用者アンケート等の実施、町による指定管理者に対する管理業務又は経理状況に関する報告請求、町と指定管理者による施設管理運営事業評価票の作成、それらに基づく指定管理者への改善指示等を行うこととする。
4 適用
本「豊浦町指定管理者制度運用方針」は、令和7年1月1日から適用する。
表1 リスク分担 標準例
種類 | 内容 | 負担者 | |
町 | 指定管理者 | ||
申請コスト | 申請費用の負担 | ○ | |
物価等の変動 | 人件費、物件費等の物価変動に伴う経費の増 | ○ | |
金利変動 | 金利の変動に伴う経費の増 | ○ | |
周辺地域・住民及び施設利用者への対応 | 周辺地域との協調、施設の管理運営業務内容に対する住民及び施設利用者からの苦情、要望への対応 | ○ | |
法令の変更 | 施設等の設置基準の変更により施設等の新設又は、改築を要するものなど、管理運営に影響を及ぼす法令変更 | ○ | |
管理基準の変更を要する法令変更 | ○ | ||
指定管理者に影響を及ぼす法令変更 | ○ | ||
税制度の変更 | 指定管理者制度に影響を及ぼす税制変更(消費税等) | ○ | |
指定管理者制度に影響を及ぼす税制変更(法人税等) | ○ | ||
政治、行政的理由による事業変更 | 政治、行政的理由から、施設管理、運営業務の継続に支障が生じた場合、又は、業務内容の変更を余儀なくされた場合の経費及びその後の維持管理経費における当該事情による増加経費負担 | ○ | |
不可抗力 | 不可抗力(暴風、豪雨、洪水、地震、落盤、火災、争乱、暴動その他の町又は、指定管理者のいずれの責めにも帰さない自然的又は、人為的な現象)に伴う、施設、設備の修復による経費の増加(軽微なものを除く) | ○ | |
不可抗力による業務の変更、中止、延期 | ○ | ||
運営リスク | 管理上の瑕疵による事故及びこれに伴う利用者への損害 | ○ | |
管理上の瑕疵による臨時休止等に伴う運営リスク | ○ | ||
書類の誤り | 管理上の瑕疵による事故及びこれに伴う利用者への損害 | ○ | |
事業計画書等指定管理者が提案した内容の誤りによるもの | ○ | ||
資金調達等 | 運営上必要な初期投資、運営資金の確保 | ○ | |
施設・設備の損傷 | 経年劣化によるもの(1件当たり50万円未満のもの) | ○ | |
経年劣化によるもの(上記以外) | ○ | ||
第三者の行為から生じたもので相手方が特定できないもの(1件当たり50万円未満のもの) | ○ | ||
第三者の行為から生じたもので相手方が特定できないもの(上記以外) | ○ | ||
指定管理者による施設等の管理運営上の瑕疵によるもの | ○ | ||
運営費の増大 | 町以外の要因による運営費の増大 | ○ | |
第三者への賠償 | 管理業務の執行に伴い第三者に損害を与えた場合 | ○ | |
安全性の確保、環境の保全 | 維持管理、運営における安全性の確保及び周辺環境の保全(応急処置を含む) | ○ | |
セキュリティ | 警備不備による情報漏えい、犯罪発生等 | ○ | |
事業終了時の費用 | 指定管理期間が終了した場合、又は、期間途中において業務を廃止した場合における事業者の撤収費用及び新しい指定管理者への引継ぎ費用 | ○ | |
