Ⅰ 憲法との関係
- ため池の保全に関する条例違反被告事件(奈良県)
奈良県ため池の保全に関する条例(昭和二九年奈良県条例第三八号)第四条第二号、第九条は、憲法第二九条第二項、第三項に違反しないとした事件 【最高裁判所昭和38年06月26日判決 】
- 福岡県青少年保護育成条例違反被告事件(福岡県)
一八歳未満の青少年に対する「淫行」を禁止処罰する福岡県青少年保護育成条例一〇条一項、一六条一項の規定は、憲法三一条に違反しないとした事件 【最高裁判所昭和60年10月23日判決 】
- 公衆浴場法違反被告事件(大阪府)
公衆浴場法二条二項及び大阪府公衆浴場法施行条例二条の各規定は、憲法二二条一項に違反しないとした事件【最高裁判所平成1年01月20日判決】
- 損害賠償事件(大阪府泉佐野市)
公の施設である市民会館の使用を許可してはならない事由として市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号の定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」の意義と憲法二一条、地方自治法二四四条二「関西新空港反対全国総決起集会」開催のための市民会館の使用許可の申請に対し市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号が使用を許可してはならない事由として定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」に当たるとして不許可とした処分が憲法二一条、地方自治法二四四条に違反しないとした事件【最高裁判所平成7年03月07日判決】
- 公金返還請求事件(滋賀県S町)
新庁舎竣工式の来賓に記念品として5000円相当の町内限定商品券を贈呈するための公金支出が違法ではないとされた事例 【最高裁第一小法廷平成15年3月27日判決 】
- 損害賠償請求事件(北海道H町)
補助申請に対して実質的な審査および調査を行うことなく行った補助金の交付決定が違法とされた事例 【旭川地裁平成14年1月29日判決 】
- 大阪市条例第68号違反(大阪府大阪市)
憲法三一条はかならずしも刑罰がすべて法律そのもので定められなければならないとするものでなく、法律の授権によつてそれ以下の法令によつて定めることもできると解すべきで、このことは憲法七三条六号但書によつても明らかである、?地方自治法第一四条第五項およびこれに基づく昭和二五年大阪市条例第六八号「街路等における売春勧誘行為等の取締条例」第二条第一項は、憲法第三一条に違反しない、とされた事例【最高裁判所大法廷昭和37年05月30日判決】
- 損害賠償請求事件(千葉県K町
地方自治法242条の2第1項4号に基づく代位請求訴訟の提起後に、議会が同法96条1項10号に基づいてした損害賠償請求権を放棄する議決が有効とされた事例【東京高裁平成12年12月26日判決】
- 行政処分取消請求(広島県)
薬事法六条二項、四項(これらを準用する同法二六条二項)は、憲法二二条一項に違反するとした事例【最高裁判所大法廷昭和50年04月30日判決】
- 損害賠償請求事件(住民訴訟)、不当利得返還請求事件(神奈川県M市)
市が出資している第三セクターに派遣された市の職員に対する市の給与の支給が違法な公金の支出とは認められないとされた事例【横浜地方裁判所平成15年10月22日判決】
- 公共下水道負担金決定処分取消請求事件
H5.7.1H5.7.1新規加入分担金それぞれ公共下水道事業を行っていた市町村が合併した場合において,合併後の地方公共団体が,合併前の各市町村が定めていた公共下水道事業の受益者負担金の算定方法をそのまま維持する条例を定め,その結果,同一地方公共団体内でありながら合併前の市町村の区域ごとに受益者負担金の算定方法が異なることになっても,当該条例の規定は憲法14条1項に違反しないとされた事例 【名古屋地方裁判所平成22年10月28日判決 】
- 市町村長処分不服申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
民法750条及び戸籍法74条1号は、憲法24条に違反しない
【最高裁判所大法廷
】 - 孔子廟政教分離訴訟事件
市長が市の管理する都市公園内の国公有地上に孔子等を祀った施設を所有する一般社団法人に対して上記施設の敷地の使用料の全額を免除した行為は、次の(1)~(5)など判示の事情の下では、上記施設の観光資源等としての意義や歴史的価値を考慮しても、一般人の目から見て、市が上記法人の上記施設における活動に係る特定の宗教に対して特別の便益を提供し、これを援助していると評価されてもやむを得ないものであって、憲法20条3項に違反する。 【
最高裁判所大法廷
】 - 妻と夫との受給要件区別規定による遺族補償年金不支給決定処分の取消請求控訴事件
地方公務員災害補償法32条1項が、職員が公務上死亡した場合における遺族補償年金の受給要件に関し、職員の配偶者について、妻については、受給資格年齢を設けず、年齢を問わず遺族補償年金を受給できるものとして定めているのに対し、夫については、60歳以上(同法附則7条の2第2項により55歳以上)との年齢要件を定め、遺族補償年金の受給要件について妻と夫とを区別していることは、合理性を欠くとはいえず、何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いであるとはいえないから、憲法14条1項に違反しない。また、市民的及び政治的権利に関する国際規約26条、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約3条に違反しないとした事例 【裁判年月日平成27年6月19日 】
- 市営住宅明渡等請求事件
西宮市営住宅条例(平成9年西宮市条例第44号)46条1項柱書き及び同項6号の規定の 【裁判年月日平成27年6月19日 】
Ⅱ 国の法令との関係
- 集団行進及び集団示威運動に関する徳島市条例違反、道路交通法違反被告事件-徳島市公安条例違反事件(徳島県徳島市)
道路交通法七七条一項四号は、その対象となる道路の特別使用行為等につき、各地方公共団体が、条例により地方公共の安寧と秩序の維持のための規制を施すにあたり、その一環として、これらの行為に対し、道路交通法による規制とは別個に、交通秩序維持の見地から一定の規制を施すことを排斥する趣旨を含むものではなく、集団行進及び集団示威運動に関する条例(昭和二七年徳島市条例第三号)三条三号の規制と道路交通法七七条及びこれに基づく徳島県道路交通施行細則による規制とが一部重複しても、道路交通法による規制は条例の規制の及ばない範囲においてのみ適用されるものと解すべく、右条例三条三号、五条の規定が、道路交通法七七条一項四号、三項、一一九条一項一三号、徳島県道路交通施行細則一一条三号に違反するものではないとした事件 【最高裁判所昭和50年09月10日判決 】
- 工作物除却命令無効確認(高知県高知市)
いわゆる普通河川の管理について定める普通地方公共団体の条例において、河川法がいわゆる適用河川又は準用河川について定めるところ以上に強力な河川管理の定めをすることは、同法に違反し、許されないとした事件 【最高裁判所昭和53年12月21日判決 】
- 旅館建築不同意処分取消請求控訴事件(長崎県(旧)飯盛町)
旅館業を目的とする建築物を建設しようとする者は当該建築及び営業に関する所轄官庁への認可申請前に町長の同意を要することとした上、右同意の基準を定めた飯盛町旅館建築の規制に関する条例(昭和53年飯盛町条例第19号)3条が、旅館営業につき旅館業法より強度の規制を行うべき必要性及び規制手段の相当性がないとして、同法に違反するとされた事例
【福岡高等裁判所昭和58年03月07日判決 】 - 国庫返納補助金返還請求事件
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律22条に基づくものとしてされた財産の処分の承認が同法7条3項による条件に基づいてされたものとして適法であるとされた事例 【最高裁判所第三小法廷 】
- ふるさと納税不指定取消請求事件
ふるさと納税制度に係る平成31年総務省告示第179号2条3号の規定のうち、地方税法37条の2及び314条の7を改正する平成31年法律第2号の規定の施行前における寄附金の募集及び受領について定める部分は、上記規定による改正後の地方税法37条の2第2項及び314条の7第2項の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効であるとした事例 【最高裁判所第三小法廷 】
- 改良住宅の使用権確認等請求事件
改良住宅の入居者が死亡した場合において、その死亡時に当該入居者と同居していた者で、市長の承認を受けて同居している者等に限り、市長の承認を受けて引き続き当該改良住宅に居住することができる旨を定める京都市市営住宅条例(平成9年京都市条例第1号)24条1項は、住宅地区改良法29条1項、公営住宅法48条に違反し違法、無効であるとはいえないとした事例 【最高裁判所第一小法廷 】
- 工業用水道事業に係る廃止負担金請求事件
大阪府工業用水道事業供給条例(昭和37年大阪府条例第4号)23条、同条例施行規程(同年大阪府営水道企業管理規程第1号)21条の規定により工業用水道の使用を廃止した者が納付しなければならないとされる負担金は、地方自治法224条、228条1項にいう「分担金」に当たらないとした事例 【最高裁判所第一小法廷 】