○倶知安町監査実施要領
令和2年3月24日
監査要領第1号
目次
第1章 基本方針(第1条)
第2章 実施基準(第2条―第4条)
第3章 監査等の種類(第5条―第7条)
第4章 監査等の事前手続(第8条―第11条)
第5章 監査等の実施手続きの選択適用(第12条―第17条)
第6章 内部統制に依拠した監査等(第18条―第19条)
第7章 指導的機能の発揮(第20―第21条)
第8章 監査専門委員及び外部監査人との連携(第22条―第23条)
第9章 監査等の事後検証(第24条)
附則
第1章 基本方針
(基本方針)
第1条 本要領は、監査委員が行うこととされている監査、検査、審査その他の行為を監査基準に沿って行うために、監査基準に規定する項目のうち、特に留意を要する事項に係る実務のあり方について、詳細な説明、具体例、望ましい実務を記載するものである。
第2章 実施基準
(財務監査及び行政監査)
第2条 財務監査及び行政監査を行うに当たっては、事務の執行及び経営に係る事業の管理が、経済的(より少ない費用で実施すること)、効率的(同じ費用でより大きな成果を得ること、あるいは費用との対比で最大限の成果を得ること)かつ効果的(所期の目的を達成していること、また、効果を挙げていること)に行われているかについて監査することが求められる。
(決算審査)
第3条 決算審査については、監査基準において、決算その他関係書類が法令に適合し、かつ正確であるか審査することが求められているが、実施可能な場合は、これに加え、予算の執行又は事業の経営が、経済的、効率的かつ効果的に行われているかについて審査することとする。
(財務監査及び行政監査並びに決算審査以外の監査等)
第4条 財務監査及び行政監査並びに決算審査以外の監査等についても、町長による評価手続等が経済的、効率的かつ効果的に行われているかについて審査を行う等、可能な範囲で、経済的、効率的かつ効果的に行われているかについて監査等を行うこととする。
第3章 監査等の種類
(監査)
第5条 監査の種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 定期監査
毎会計年度少なくとも1回以上期日を定めて、次の事項について行うもの
ア 町の財務に関する事務の執行が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
イ 町の経営の係る事務の管理が、合理的かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
ウ 必要に応じ、町の事務事業の執行に係る工事について、当該工事の設計、施工等が適正に行われているかどうか、また、建物等の維持管理が良好であるかどうかを主眼として実施するもの
(2) 随時監査
必要があると認めるとき、定期監査に準じて実施するもの
(3) 行政監査
必要があると認めるとき、町の事務又は法定受託事務(施行令第140条の5に定める事務を除く。)の執行が、合理的かつ効率的に行われているか、法令等の定めるところに従って適正に行われているかどうかを主眼として適時に実施するもの
(4) 財政援助団体等に対する監査
財政援助を与えている団体、出資・支払保証団体、信託の受託者及び公の施設の管理受託者に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき、当該財政援助等に係る出納その他の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(5) 公金の収納又は支払事務に関する監査
指定金融機関に対し、必要があると認めるとき、又は町長若しくは公企法第8条第2項の規定により管理者の権限を行う町長(以下「管理者」という。)の要求に基づき、公金の収納又は支払の事務が、法令等の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施するもの
(6) 住民の直接請求に基づく監査
請求に係る事務の執行について実施するもの
(7) 議会の要求に基づく監査
要求に係る事務について実施するもの
(8) 請願の措置としての監査
議会が採択した請願のうち、監査委員において監査することにより措置することが適当と認められたものについて実施するもの
(9) 町長の要求に基づく監査
要求に係る事務の執行について実施するもの
(10) 住民監査請求に基づく監査
請求の内容について実施するもの
(11) 町長又は管理者の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査
要求に係る事実の有無等について実施するもの
(12) 財政健全化計画等に対する長の要求による監査
町が財政健全化計画、財政再生計画又は経営健全化計画を定めるに当たり、財政の健全化のために改善が必要と認められる事務の執行について、第9号の規定により実施するもの
(検査)
第6条 検査の種類は、例月現金出納検査とし、会計管理者及び管理者の保管する現金(歳計現金、歳入歳出外現金、一時借入金、基金に属する現金及び預り金を含む。以下同じ。)の在高並びに出納関係諸表等の計数の正確性を検証するとともに、現金の出納事務が適正に行われているかどうかを主眼として実施するものとする。
(審査)
第7条 審査の種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 決算審査
決算その他関係諸表等の計数の正確性を検証するとともに、予算の執行又は事業の経営が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(2) 基金の運用状況審査
基金の運用状況を示す書類の計数の正確性を検証するとともに、基金の運用が、適切かつ効率的に行われているかどうか主眼として実施するもの
(3) 普通会計の財政健全化審査
健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類を審査するもの
(4) 公営企業会計の経営健全化審査
資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類を審査するもの
第4章 監査等の事前手続
(監査計画の作成)
第8条 年間監査計画は、次に掲げる事項について定める。
(1) 年間における実施予定の監査等の種類及び対象
(2) 監査等の対象別実施予定時期及び監査等の実施担当課係名
(3) その他監査等の実施に関し必要と認める事項
2 実施計画は、監査等の種類別に次に掲げる事項について定める。
(1) 監査等の種類
(2) 監査等の対象事務等
(3) 監査等の対象期間
(4) 監査等の担当者及び事務分担
(5) 監査等の基本方針
(6) 監査等の実施場所及び日程
(7) 監査等の項目及び着眼点
(8) 監査等の実施手続の選択
(9) その他監査等の実施上必要と認める事項
(事前通知)
第9条 監査を実施するに当たっては、特別の場合を除き、町長等に対し、監査等の種類、期日、場所等をあらかじめ通知する。
(資料要求等)
第10条 監査等を実施するに当たっては、あらかじめ項目及び様式を定めて監査等に必要な資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概況について説明を求める。
(提出資料等)
第11条 監査等を実施するに当たっては、あらかじめ次に掲げる資料等の提出を求めるものとする。
(1) 定期監査
・事務分担表(別記様式第1号)
・歳入予算執行状況一覧
・歳出予算執行状況一覧
・補助金等交付状況歳出伝票一覧表
・委託業務状況調(別記様式第2号)
・工事請負費歳出伝票一覧表
・備品購入状況調(別記様式第3号)
・車両使用状況調(別記様式第4号)
・予算管理簿
・出張命令簿
・備品台帳
・支出負担行為等綴
・その他特に指定するもの
(2) 決算審査
① 一般会計及び特別会計
・歳入歳出決算書
・歳入歳出決算事項別明細書
・実質収支に関する調書
・その他附属書類及び帳簿類
・主要な施策の成果説明書
② 企業会計
・企業会計決算書
・決算報告書
・損益計算書
・余剰金計算書(欠損金計算書)及び余剰金処分計算書(欠損金処理計算書)
・貸借対照表
・その他附属書類及び帳簿類
(3) 例月出納検査
① 一般会計及び特別会計
・例月出納検査調書(各会計予算執行状況調)
・歳計現金、預金現在額及び収支報告書
・現金出納簿
・収入・支出伝票
・預金通帳・証書
・その他特に指定するもの
② 企業会計
・試算表
・歳計現金、預金現在額及び収支報告書
・総勘定元帳
・勘定元票兼予算執行整理簿
・収入・支出伝票
・預金通帳・証書
・その他特に指定するもの
上記以外の監査及び審査については、監査及び審査を実施する都度指定する帳簿や書類等を提出する。
第5章 監査等の実施手続
(監査等の実施手続の選択適用)
第12条 監査等は、契約書、関係諸帳簿、証拠書類等に対して、次に定める監査技術を選択適用し、通常実施すべき監査等の実施手続及び必要と認めるその他の監査等の実施手続として実施する。
(1) 通常実施すべき監査等の実施手続
ア 照合 証憑突合、帳簿突合、計算突合等のように関係諸記録を相互に突き合わせ、その記録又は計算の正否を確かめること。
イ 実査 事実の存否について、実地における現物検証、現場検証等によって直接検証すること。
ウ 立会 主として物品等の在庫高調査又は実地棚卸しを行う際に、現場に立ち会い、その実施状況を視察して正否を確かめること。
エ 確認 事実の存否について、写真その他の証拠書類又は当該事項に関係のない第三者の証言等をもって確認すること。
オ 質問 事実の存否又は問題点について、監査対象部課等の職員等に質問して回答又は説明を求めること。
カ 分析 事実の性質及び内容を究明し、これを構成要素別、時間別、比率別、問題別等に分析して異常の有無を確かめること。
キ 比較 年度別、時間別、関係要素別等による複数の数値を対照させて観察し、その異同を通じて問題点の有無を確かめること。
(2) その他の監査等の実施手続
ア 通査 帳簿等関係諸記録を一通り検討して、異常事項や例外事項を発見し、問題点を明らかにすること。
イ 比率吟味 財務分析上の比率法を応用して、記録の正否又は適否を大局的に判断すること。
ウ 調整 源泉を等しくし、相互に関連のある計数が別々に整理されている場合、それら2組の計数の過不足を追及し、両者が事実上一致するかどうかを確かめること。
エ 総合 諸種の事実を総合して、総括的な観点から事実を判断すること。
(公営企業会計の決算審査手続き)
第14条 公営企業会計の決算審査は、資金運用精査表を作成して実施するものとする。
(監査等の講評)
第15条 監査等に基づく監査対象課等の長に対する講評は、監査等の結果に関する報告の決定の前に行い、これに対する弁明又は意見を聴取するものとする。
(議決による権利放棄に関する監査委員の意見)
第16条 住民監査請求に係る行為又は怠る事実に関する損害賠償又は不当利得返還の請求権その他の権利の放棄に関する議決に係る監査委員の意見の決定については、財務会計行為の性質、町長若しくは委員会の委員若しくは委員又は職員(以下「長等」という。)の帰責性の程度、当該権利の放棄による影響、長等の損害賠償責任の一部免責に関する条例を制定することが可能であること、その他監査委員が必要と認める事項を考慮することが求められる。
(リスクの識別、評価及び対応)
第17条 効率的かつ効果的な監査等の実施に当たり、監査等の対象のリスク(組織目的の達成を阻害する要因をいう。以下同じ。)を識別し、そのリスクの内容及び程度を評価した上で、リスクが高い事務事業に監査資源を配分することが求められる。
(1) リスクの識別
・町の事務手続の流れを基に、町においてリスクが存在する事務事業を優先的に特定する。
・町及び他の団体においてリスクが顕在化した事案を基に、町において同様の事案があるかどうかを確認等の方法を活用して、監査委員は町のリスクを識別する。
・監査等の結果として過去に指摘した事項から、町のリスクを識別する。
なお、リスクの識別に当たっては、参考1「標準的な事務フローから想定されるリスク及び監査手続(以下「事務フロー」という。)」、参考2「各団体に共通するリスクが顕在化した事案集(以下「リスク事案集」という。)」を参考とする
(2) リスクの評価
(1)により識別したリスクについて、量的重要性及び質的重要性を評価する。
量的重要性については、当該リスクが生じる可能性及び当該リスクがもたらす影響の大きさの観点から検討を行う。
(3) リスクへの対応
(2)により量的重要性及び質的重要性が高いと評価したリスクについては、その発現を看過する可能性を低い水準に抑えなくてはならない。そのため、監査の重点項目として、監査資源を優先的に配分した手続を実施することが必要となる。他方、量的重要性及び質的重要性が低いリスクに対しては、合理的に監査資源を配分した手続によりリスクの発現を看過する可能性を低い水準に抑えることができるものと考えられる。
第6章 内部統制に依拠した監査等
(内部統制)
第18条 町は様々な形で事務の適正な執行の確保に努めており、内部統制体制の整備がなされてはいないものの、一定の内部統制が存在していることから、想定されるリスクを基にした、何らかの事前の対策が講じられているものと考えられる。このため、内部統制を前提として、内部統制に依拠した監査等を実施するものとする。
(情報の収集)
第19条 町は、内部統制制度が導入及び実施されていないことから、監査委員が想定されるリスクを基にした情報を収集する必要があることから、文書化された業務のマニュアル等関連文書の閲覧、ルールに即して業務が行われているか等内部統制に関係する適切な担当者への質問、業務の観察等を行う等により情報を収集し、内部統制の整備状況及び運用状況を検討する。その際、「事務フロー」及び「リスク事案集」における「想定される各課の対応策」の内容などを活用する。
第7章 指導的機能の発揮
(指導的機能の発揮)
第20条 監査委員は、監査等を実施する過程において、監査等の目的を果たす一環として、監査等の対象組織に対して次の事柄を求めるものとする。
(1) 決算審査の過程において、決算その他関係書類と証拠書類の計数が符合しない場合に、正確な計数への修正を求める。
(2) 監査の過程で発見された内部統制の重大な不備については、速やかな是正を指示し、同様の事例が発生しないよう必要な対応を講ずるよう求める、
(3) 監査の過程で発見された経営に係る事業の管理が経済的、効率的かつ効果的に行われていない事例に対して、改善策を提言する等、必要に応じて是正又は改善を行うよう助言等を行い、指導的機能を発揮するよう努める。
(各種の監査等の有機的な連携及び調整)
第21条 現行の監査実務上、「決算審査」「例月出納検査」「財務監査」等は、法律上は目的に応じて区別されているが、その目的や手続等は関連する部分もあることから、「決算審査における例月出納検査や財務監査との連携」「例月出納検査と財務監査の連携」等により、監査等の効率化が図られ、その結果、監査資源を有効活用することができる。
(1) 決算審査と財務監査の連携
決算審査については、数値の正確性に加え、数値の裏付けとなる資料等(契約関係書類等)を審査する場合、既に財務監査において数値の裏付けとなる資料等を確認している部分については、その結果を決算審査に活用することで当該審査の効率化が図られる。
(2) 決算審査と例月出納検査の連携
既に例月出納検査において数値の裏付けとなる資料等を確認している部分については、(1)と同様、その結果を決算審査に活用することで当該審査の効率化が図られる。
第8章 監査専門委員及び外部監査人との連携
(監査専門委員との連携)
第22条 監査委員は、監査等の独立性を確保しつつ専門性を高める観点から、必要に応じ、監査専門委員を選任し、調査を委託することができる。
(外部監査人との連携)
第23条 監査委員は、監査等を実施するに当たっては、外部監査人の監査等の実施に支障を来さないよう、相互の連携を図り、必要に応じ、外部監査人と意見交換を行う等の連携を図ることにより、それぞれが担う監査等を効果的かつ効率的に行うことができると考えられる。
第9章 監査等の事後検証
(監査等の事後検証)
第24条 監査委員は、監査等の結果に関する報告等及び意見を提出した事項並びに勧告をした事項について、適時、措置状況の報告を求め、その状況を的確に把握するよう努める。当該措置が十分でない場合等には、必要に応じて監査等の対象組織と意見交換を行い、改めて次年度の監査対象とすること、新たに勧告を行うこと、勧告において措置を講ずる期限を設けること又は複数回勧告を行うこと等の必要な対応を講じることにより監査等の実効性を高めることが可能となる。
また、監査等の結果に関する報告等及び意見を提出した事項並びに勧告をした事項について、その原因や是正又は改善の取組を含めて、監査対象部局のみならず全庁的に共有することで、各部局の主体的な業務の改善につながる。
附則
この実施要領は、令和2年4月1日から施行する。



