○釧路町こども基本条例
令和6年3月29日
条例第4号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 責務と役割(第5条―第9条)
第3章 こども及び子育てに関する基本的支援(第10条―第15条)
第4章 雑則(第16条―第17条)
附則
こども一人一人は、限りない可能性を秘め、未来を紡いでいくかけがえのない存在です。釧路湿原国立公園をはじめとした豊かな自然と共生し、その恩恵を受けながら学び、遊び、健やかに育っていく中で、次代を担っていく存在へと成長し、大きく羽ばたいて欲しいと願います。
大人もかつてはこどもでした。生を宿したときから家族に愛され、地域に温かく見守られる存在から、自らの興味を広げ、考え、つまずきながらも前へ歩み、自分の将来を探りながら、それぞれの地域が特色を持つこのまちで成長し大人になりました。求められている子育ての在り方が時代に合わせて変化しても、家庭におけるこどもに対する思いの根底は、「伸びやかにすくすくと育ってほしい。」であると願うところであり、このまちの未来を思うとき、普遍に続いていく思いであると考えます。
地域社会全体でこどもの成長や子育て基盤である家庭を見守り、応援していけるコミュニティを構築することにより、次代を担う新しい命へ繋げていける地域の風土を醸成し、いつまでも大切に引き継いでいきたいと考えます。
このことから、釧路町におけるこどもを安心して生み、健やかに育むための基本理念を明らかにし、地域社会の一人一人が自らの役割を認識し行動することにより、全てのこどもが安心して健やかに成長することのできる地域社会の実現を願い、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地域社会全体で次代の社会を担うこどもを健やかに育むための基本理念を定め、釧路町(以下「町」という。)、保護者、町民等、学校等及び事業者それぞれの責務及び役割を明らかにするとともに、こども及び子育てに関する支援を総合的かつ計画的に推進することにより、安心してこどもを生み育てることができ、かつ、こどもが安心して健やかに成長することができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) こども 18歳未満の者その他これに準じてその成長への支援が必要であると認められる者をいう。
(2) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、こどもを現に監護する者をいう。
(3) 町民等 町内に住所を有する者、町内に通勤し、又は通学する者及び地域団体に属する者をいう。
(4) 学校等 学校、児童福祉施設その他の教育若しくは保育を提供する施設又は事業所で、こどもが通学、通所若しくは利用するものをいう。
(5) 事業者 町内で事業活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。
(基本理念)
第3条 安心してこどもを生み育てることができ、かつ、こどもが安心して健やかに成長することができるため、次に掲げる事項を基本理念として推進しなければならない。
(1) 日本国憲法、児童の権利に関する条約及びこども基本法(令和4年法律第77号)等の理念に基づき、こどもを権利の主体として尊重することを、全ての取組の基礎とすること。
(2) こどもの成長及び発達の程度に応じたこどもの意見を尊重する等、こどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を考慮すること。
(3) 今の社会の一員として及び次代の担い手として、こどもが主体的に社会に参加することのできる環境を整備すること。
(4) 町、保護者、町民等、学校等及び事業者は、責務や役割を自覚し、前3号の規定を踏まえ、自主的かつ主体的に取り組むとともに、相互に連携及び協働して取り組むこと。
(こどもに伝えたいこと)
第4条 こどもの成長に関しては、次に掲げる事項をこどもも大切にできるよう大人が伝えていくものとする。
(1) 自らが大切な存在であること。
(2) 他人を思いやる心及び感謝の気持ちを持つこと。
(3) 基本的な生活習慣や生活及び社会のルールを守る意識を身に付け、自らの言動に責任を持つこと。
(4) 主体的かつ積極的に学び、生きていく力を高めること。
第2章 責務と役割
(町の責務)
第5条 町は、こども及び子育てに関する支援について、総合的かつ計画的な施策を推進しなければならない。
2 町は、保護者、町民等、学校等及び事業者がそれぞれの責務を果たすことができるよう必要な支援を行うとともに、相互の連携及び協働が図られるよう総合的な調整を行わなければならない。
(保護者の責務)
第6条 保護者は、子育てについて第一義的責任者であること及び子育ての基盤が家庭であることを自覚し、愛情を持ってこどもの成長及び発達に応じた養育に努めなければならない。
2 保護者は、家庭がこどもの人格形成に大きな役割を果たしていることを理解し、こどもが安全・安心のもと健やかに育つ家庭環境づくりに努めなければならない。
3 保護者は、こどもの規範意識や基本的な生活習慣を身に付けることができるよう努めなければならない。
(町民等の役割)
第7条 町民等は、地域がこどもの社会性及び豊かな人間性を育む場であることを認識し、こどもが安心して遊び、学び、健やかに育つことができる環境づくりに努めるものとする。
2 町民等は、地域社会が有する子育てに関する知識や経験の提供、地域社会による見守り等、子育てを行う保護者に対する支援及び家庭における子育てを補完する機能を積極的に発揮するよう努めるものとする。
(学校等の役割)
第8条 学校等は、こどもの豊かな人間性及び多様な人々と主体的に積極的に協働できる社会性を育て、夢や希望に向かって生き生きと活動する場としての機能を担うよう努めるものとする。
2 学校等は、誰一人取り残すことなく個性を尊重し生かしながら、こどもの年齢及び発達に応じ、一人一人の可能性を最大限に伸ばすよう努めるものとする。
3 学校等は、いじめ及び虐待等からこどもを守り、こどもの安全・安心を確保するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第9条 事業者は、雇用する従業員が安心してこどもを生み、育てることができるよう、職業生活と家庭生活の両立に必要な雇用環境の整備に努めるものとする。
2 事業者は、地域社会の一員として、町及び学校等と連携し、こどもに関する施策を支援し、協力するよう努めるものとする。
第3章 こども及び子育てに関する基本的支援
(こども及び子育てに関する計画)
第10条 町長は、こども及び子育てに関する計画(以下「計画」という。)を策定するに当たっては、第3条に規定する基本理念に基づき計画を策定しなければならない。
2 計画を策定しようとするときは、釧路町子ども・子育て審議会の意見を聴いて作成しなければならない。
3 町長は、計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。
4 町は、計画に基づく施策の実施状況等について、必要に応じてこども及び町民等の意見を聴く機会を設けること等により調査を行い、当該施策の実施状況等の検証を行わなければならない。
(施策の策定及び推進)
第11条 町は、こども及び子育てに関する施策を次に掲げる視点を踏まえ策定し、これを推進しなければならない。
(1) こどもを安心して生み育てることができる環境
(2) こどもの健康の保持及び増進
(3) こどもが健やかに成長するための安全・安心な生活環境及びこどもの豊かな心を育む教育環境
(4) 地域の教育力を生かし多様な体験と経験ができる機会を確保
(5) スポーツ活動及び文化活動等に関するこどもの自主的な企画及び運営による活動の機会を確保
(6) 前各号に掲げるもののほか、こどもが健やかに育つための環境
(相談体制の充実等)
第12条 町は、子育てに関する相談に対応するため、相談体制の充実その他必要な環境整備に努めるものとする。
2 町は、子育てにおいて家庭の果たす役割の重要性を踏まえ、家庭の問題に関し、総合的な支援を行うための拠点を整備するものとする。
(切れ目ない支援)
第13条 町は、安心してこどもを生み、育て、こどもが健やかに成長することができるよう、妊娠、出産並びにその後の子育てにおける様々な段階及び状況に応じた必要な環境整備を実施し、成長、発達の支援をするものとする。
(いじめ及び虐待への対応)
第14条 町は、保護者、町民等、学校等及び事業者と連携し、こどもに対するいじめ及び虐待を未然に防止し、早期発見に努めるものとする。
2 町は、いじめ及び虐待の事実があると思われるときは、関係機関と連携、協力し、及び保護を要するこどもを早急に救済し、必要な支援をするものとする。
(安全安心の確保)
第15条 町は、こどもが安全・安心に生活することができるよう、こどもを犯罪、交通事故その他の危害から守るための町民等の活動への支援、その他必要な環境整備に努めるものとする。
第4章 雑則
(財政上の措置)
第16条 町は、こども及び子育てに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この条例は、令和6年4月1日から施行する。