○釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進に関する条例

平成25年1月1日

釧路市条例第1号

教育は、限りない可能性を持って生まれてきたすべての子どもたちに対して、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。そして、その教育の土台となるのは家庭教育や幼児期の教育であり、これらにおける保護者の責務は極めて重大である。

しかしながら、各家庭における教育力や環境の違いは厳然と存在しており、それらをどのように克服し、知・徳・体のバランスが取れた教育を推進するかについては、釧路市にあっても、今や避けては通れない大きな課題となっている。

また、教育は、次代を担うすべての子どもたちが学ぶ力と学ぶ意欲を持ち、それぞれの個性を十分に発揮しながら、尊くかけがえのない人生を切りひらいていくために行われるべきものであり、とりわけ基礎学力の習得が重要である。

私たち釧路市民は、釧路の地に生まれ、釧路で育ち、そして釧路を支える子どもたちが、釧路の産業や文化その他の伝統を継承するとともに、更なる発展の主体者に成長することを願っている。

そして、私たちは、その願いを自らの責任と課し、釧路の宝であるすべての子どもたちに等しく基礎学力の習得を保障するという決意の下、その実現に向けた新たな一歩を踏み出さなければならない。

ここに、釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進について、基本理念を明らかにしてその方向性を示し、関連する施策を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進について、その基本理念を定めるとともに、市長、教育委員会並びに小学校、中学校及び義務教育学校、議会、保護者並びに地域の団体等の責務及び役割を明らかにすることにより、基礎学力の習得の保障に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって釧路市の子どもたちに国家及び社会の形成者として必要な資質を備えるために不可欠な基礎学力を身に付けさせることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 基礎学力 子どもたちが、その心身の発達の段階に応じて学習により身に付けるべき基礎的な能力のうち、義務教育の課程を通じて習得すべき読む能力、書く能力及び計算する能力に係る知識及び技能であって、その向上又は低下の傾向を客観的な数値指標によって把握できるものをいう。

(2) 児童・生徒 釧路市内に居住する義務教育の課程にある者をいう。

(3) 地域の団体等 釧路市内で活動している町内会、企業、高等教育機関、サークルその他の団体及び地域住民をいう。

(基本理念)

第3条 子どもたちが学ぶ力と意欲を持ち、人格の完成を図りながら、国家及び社会の形成者として必要な資質を備えていくためには、基礎学力の習得が欠くことのできないものであることにかんがみ、市長、教育委員会並びに小学校、中学校及び義務教育学校、議会、保護者並びに地域の団体等がそれぞれの役割を果たし、かつ、相互に連携協力することによって、基礎学力の習得を保障するための教育を推進しなければならない。

2 前項の規定による教育の推進に当たっては、知・徳・体のバランスに十分に配慮するとともに、子どもたちが郷土を愛する人格と知識を身に付け、かつ、次代の地域を担うことを意識した教育の実施に留意しなければならない。

(市長の責務)

第4条 市長は、教育委員会並びに小学校、中学校及び義務教育学校が児童・生徒に等しく基礎学力を習得させる上で必要な施策を遂行できるよう、次に掲げる事項の実施に努めなければならない。

(1) 第1条の目的を達成するため、適切な人材の配置など、教育委員会の機能強化に最大限の協力をすること。

(2) 児童・生徒の基礎学力の習得のために行う教育委員会の事業に必要な財政上の措置を講ずること。

(3) 児童・生徒の生活等に係る部局において、基礎学力の習得に資する取組を積極的に行うよう十分な配慮をすること。

(教育委員会の責務)

第5条 教育委員会は、児童・生徒に等しく基礎学力を習得させるための基盤整備及び環境づくりに重大な責務を有するものであって、その責務を遂行するため、次に掲げる事項の実施に努めなければならない。

(1) 基礎学力の習得に関する施策及び具体的な取組(以下この条及び次条において「施策及び取組」という。)を定めた教育の推進に関する計画(教育基本法(平成18年法律第120号)第17条第2項に規定する計画をいう。以下「教育推進計画」という。)を策定し、及びこれを着実に推進し、並びに教育推進計画に定めた施策及び取組の目標についてはその達成のために全力を尽くすこと。

(2) 教育推進計画に定める施策及び取組ごとにその進行状況を毎年度公表すること。

(3) 基礎学力の習得に支援を要すると認められる児童・生徒に対する個別指導の拡充のために必要な教員及び教員に準ずる人材の確保及び配置について十分な配慮をすること。

(4) 基礎学力の習得を進めるために市民各層の意見、要望等について聴く機会を多様に設けること。

(5) 基礎学力の習得に支援を要すると認められる児童・生徒を対象とするボランティア活動に対して必要な支援を行うこと。

(市立の小学校、中学校及び義務教育学校の責務)

第6条 市立の小学校、中学校及び義務教育学校においては、義務教育が児童・生徒一人一人の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的に行われるものであることに留意し、次に掲げる事項の実施に努めなければならない。

(1) 児童・生徒に等しく基礎学力の習得を保障するため、不断に授業の改善を図るとともに、授業の進度については保護者に対して、適宜、説明すること。

(2) 基礎学力の習得度の計測においては、それによって得られた習得状況及び課題等の情報を、適宜、保護者及び学校運営協議会に報告するとともに、学校ホームページへの掲載等により広く市民に公表すること。

(3) 基礎学力の習得に支援を要すると認められる児童・生徒に対して、適切に補充的な学習機会を設けること。

(4) 教育推進計画に定める施策及び取組の目標その他の教育委員会が定める目標を学校内において共有し、その達成のために必要な取組を行うこと。

(議会の責務)

第7条 議会は、基礎学力の習得を保障するための教育が効果的に推進されるよう、次に掲げる事項の実施に努めなければならない。

(1) 市が行う基礎学力の習得の保障に関する施策及び取組の実施状況の監視及び評価を行うこと。

(2) 基礎学力の習得に関する調査及び研究を行い、教育委員会に対して適切な助言、提言等を行うこと。

(3) 家庭における教育力及び環境の違いを解消するために必要な施策について、市長と協働しながら推進すること。

(保護者の責務)

第8条 父母その他の保護者は、子どもの教育について第一義的責任を有するものであって、家庭が子どもの健やかな育ちの基盤及びすべての教育の出発点であることに留意し、子どもに基礎学力を習得させるために、次に掲げる責務を果たすよう努めなければならない。

(1) 家庭における学習の習慣化及び学習時間の十分な確保並びにそのための環境づくりを行うこと。

(2) 子どもの望ましい食習慣の形成を図るとともに、子どもと共に考え、行動しながら、基本的な生活習慣を確立すること。

(3) 教育委員会並びに小学校、中学校及び義務教育学校から協力を要請される事項について、保護者の自主的な判断に基づき取り組むこと。

(地域の団体等の役割)

第9条 地域の団体等は、子どもたちを地域社会の一員として育てる重要な役割があることに留意し、子どもたちが安心して教育を受けられるよう見守るとともに、小学校、中学校及び義務教育学校の教育活動を支援するほか、子どもたちへの社会体験の場の提供その他社会性を養うための活動等を積極的に推進するよう努めなければならない。

この条例は、公布の日から施行する。

(平成31年3月22日条例第24号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(令和元年6月28日条例第2号)

この条例は、公布の日から施行する。

釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進に関する条例

平成25年1月1日 条例第1号

(令和3年4月1日施行)