○老人福祉施設入所等措置事務取扱要綱
平成5年3月25日
訓令第5号
第1 措置の実施者
老人福祉法(昭和38年法律第133号)(以下「法」という。)第11条に規定する措置の実施者は、老人の居住地又は現在地(法第11条第1項第1号若しくは第2号又は生活保護法〔昭和25年法律第144号〕第30条第1項ただし書の規定により入所している者については、その者の入所前の居住地又は現在地)によって定まるものであること。
この場合における居住地とは、老人の居住事実がある場所をいうものであるが、現にその場所に生活していなくても、現在地に生活していることが一時的な便宜のためであり、一定期限の到来とともにその場所に復帰して起居を継続していくことが期待される場合は、その場所を居住地として認定するものであること。
なお、居住地がないか、又は明らかでない者に対する措置の実施者は、次に掲げるとおりであること。
1 その措置を要する老人(以下「要措置者」という。)が被保護者であるときは、当該保護の実施機関である都道府県又は市町村
2 要措置者が被保護者でない者であって、生活保護法第38条に規定する救護施設、更生施設及び宿泊提供施設、法第14条に規定する養護老人ホーム、特別養護老人ホーム及び経費老人ホーム並びに児童福祉法(昭和22年法律第164号)第38条に規定する母子療以外の社会福祉施設並びに病院等に入所院)しているものであるときは、当該施設等の所在地を管轄する福祉事務所を設置する都道府県又は市町村
3 要措置者が被保護者でない者であって、浮浪者等であるときは、その措置する時点において、その者の現在地を管轄する福祉事務所を設置する都道府県又は市町村
第2 要措置者の発見及び調査
1 措置の実施者である町長は、常に、要措置者の発見に努めるとともに、住民、関係行政機関から要措置者の発見に協力が得られるよう、制度について周知徹底を図っておくこと。
2 町長は、老人、その家族、民生委員からの申出、通告等により、又は自らの調査により、措置の対象と見られる老人を発見したときは、措置の要否を判定するため、本人又はその扶養義務者に係る養護の状況、心身の状況、生計の状況その他必要な事項につき調査を行い、又は必要に応じ民生委員、税務官署等に調査を依頼すること。
第3 指導の措置
指導について、おおむね次のようなものに重点をおいて行うこと。
1 老人とその家族との関係が緊張し、調和を欠く家庭について、そのような関係が改善されるよう指導すること。
2 養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホーム(以下「老人ホーム」という。)に入所し、又は老人家庭奉仕員の世話を受けることが適当であると認められるにも関わらず、偏見等によりこれらの措置を受けないでいる老人に対して、それらの措置を受けるよう助言、指導すること。
第4 措置の手続
1 措置決定の手続
老人ホーム等への入所措置については、次によること。
(1) 町長は、老人ホームヘの入所措置の要否を検討するため、「高齢者サービス調整チーム」に「入所判定会議」(以下「会議」という。)を設置するものとする。
なお、会議の構成は国保病院の医師、民生・児童委員協議会総務、保健福祉課長とする。
(2) 会議は、措置の要否の検討にあたり、第5の入所措置の基準等に基づき、健康状態、日常生活動作の状況、精神の状況、家族、住居の状況等について「老人ホーム入所判定審査票」(別紙1)により総合的検討を行うこと。また、その際、在宅福祉サービスの利用状況も勘案すること。
(3) 会議は、その検討結果を町長に報告すること。
なお、入所措置の判定が困難なケースについては、参考資料を添付して北海道生活福祉部長に協議することができる。
2 措置変更の手続
入所中の者に係る措置の継続後の要否判定については、次によること。
(1) 町長は、入所者全員の措置後の日常生活動作等の状態について、施設長から生活記録等の提出を求め、年度当初に入所の継続の要否を第5の老人ホームの入所措置の基準等により総合的に見直すこと。
(2) 町長は、上記により見直した結果、入所要件に適合しないと思われる者について、上記1の(2)により検討を依頼すること。
(3) 会議は、その検討結果を町長に報告すること。
なお、入所の継続の要否の判定が困難なケースについて、参考資料を添付して、北海道生活福祉部長に協議することができる。
(4) 町長は、入所の継続が認められないと判定された者については、措置の廃止又は変更等を行い、「要措置変更者台帳」(別紙2)を整理すること。
3 老人ホームヘの入所措置の事前説明等
(1) 入所希望者及びその家族等に対して、老人ホームヘの入所決定にあたり、措置制度の仕組みや老人福祉施設の種類とそれぞれの機能について事前に十分説明し、理解を求めておくこと。
(2) 老人ホームヘの要措置者と決定した後、入所するまでに長期間を要する場合は、実際に入所する時点で必要に応じ再度判定を行うこと。
4 措置変更等を行う際の留意点
(1) 措置変更等に際しては、入所者及びその家族の意思を十分聴取するとともに、その趣旨について十分説明し、理解と合意を得た上で行うこと。
(2) 家庭復帰が可能な者については、在宅の各種保健福祉施策の説明を含め、その家族と十分話し合い、指導、助言を行うこと。
(3) 入所者の自助努力やリハビリテーションにより、身体状況等が軽快に向かう効果がみられることなどから、老人ホームヘの訪問、連絡を密にして、入所者及びその家族の状況の把握に努めること。
第5 老人ホームの入所措置の基準
1 養護老人ホーム
法第11条第1項第2号の規定により、老人を養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置は、当該老人が次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合に行うものとすること。
(1) 身体上、精神上又は環境上の事情については、次のアに該当し、かつ、イ~オのいずれかの事項に該当すること。
事項 | 基準 |
ア 健康状態 | 入院加療を要する状態でないこと。 伝染性疾患を有し、他の被措置者に伝染させる恐れがないこと。 |
イ 日常生活動作の状況 | 入所判定審査票による日常生活動作事項のうち、一部介助が1項目以上あり、かつ、その老人の世話を行う養護者等がないか、又はあっても適切に行うことができないと認められること。 |
ウ 精神の状況 | 入所判定審査票による痴呆等精神障害の問題行動が軽度であって日常生活に支障があり、かつ、その老人の世話を行う養護者等がないか、又はあっても適切に行うことができないと認められること。 |
エ 家族の状況 | 家族又は家族以外の同居との継続が老人の心身を著しく害すると認められること。 |
オ 住居の状況 | 住居がないか、又は住居があってもそれが狭隘である等環境が劣悪な状態にあるため、老人の心身を著しく害すると認められること。 |
(2) 経済的事情については、老人福祉法施行令第2条に規定する事項に該当すること。
2 特別養護老人ホーム
法第11条第1項第3号の規定により、老人を特別養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置は、当該老人が次の(1)に該当し、かつ、(2)又は(3)のいずれかの事項に該当する場合に行うものとすること。
事項 | 基準 |
(1) 健康状態 | 入院加療を要する状態でないこと。 伝染性疾患を有し、他の被措置者に伝染させる恐れがないこと。 |
(2) 日常生活動作の状況 | 入所判定審査票による日常生活動作事項のうち、全介助が1項目以上及び一部介助2項目以上あり、かつ、その状態が継続すると認められること。 |
(3) 精神の状況 | 入所判定審査票による痴呆等精神障害の問題行動が重度又は中度に該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。 ただし、著しい精神障害及び問題行動のため医療処遇が適当な者を除く。 |
第6 養護受託者への委託の措置
1 養護受託者の決定
(1) 法第11条第1項第4号に規定する養護受託者の決定は、少なくとも次の基準のすべてに適合する者について行うこと。
ア 本人及びその家族が老人の養護受託について理解と熱意を有する者であること。
イ 本人及びその家族が身体的、精神的に健康な状態にある者であること。
ウ 当該世帯の経済的状況が、委託する老人の生活を圧迫する恐れがないものであること。
エ その住居の規模、構造及び環境が老人の健康な生活に適すること。
オ 受託の動機が老人の労働の強制又は委託費の不正利得の恐れがないものであること。
カ 本人及びその家族の性格、信仰等が老人の心身に悪影響を及ぼす恐れがないこと。
(2) 養護受託者として決定しようとする者に対しては、事前に一般的な委託の条件を十分に了知させておくこと。
2 養護委託の手続
(1) 委託の措置を決定するにあたっては、あらかじめ次の措置をとること。
ア 養護受託者に対し、委託しようとする老人の健康状態、経歴、性格、信仰等について了知させること。
イ 養護受託者と委託しようとする老人を面接させること。
ウ 養護受託者と委託しようとする老人が委託の素値について合意に達していることを確認すること。
(2) 委託の措置を決定したときは、養護受託者に対し、委託の条件として、少なくとも次に掲げる事項を文章を持って通知すること。
ア 処遇の範囲及び経理の方法
イ 委託費の額及び経理の方法
ウ 養護受託者と委託された老人相互の関係において損害を被った場合、町長がこれを賠償する責任を負わないこと。
エ 町長が養護受託者について老人の養護に関して必要な指導したときは、これに従わなければならないこと。
3 養護委託の措置の基準
次のいずれかの場合に該当するときは、委託の措置は行わないものとすること。
(1) 当該老人の身体又は精神の状況、性格、信仰等が養護受託者の生活を乱す恐れがある場合
(2) 養護受託者が老人の扶養義務者である場合
(3) 同一の養護受託者が2人以上の老人(それらが夫婦等特別の関係にある場合を除く。)を養護する場合
第7 措置の開始、変更及び廃止
1 措置の開始
老人ホームヘの入所又は養護委託の措置の基準に適合する老人については、措置を開始するものとすること。
なお、措置を開始した後、随時当該老人及びその出身世帯を訪問し、必要な調査及び指導を行うものとすること。
2 措置の変更
老人ホームヘの入所及び養護委託者への委託の措置のうち、いずれかの措置をとられている老人が他の措置をとることが適当であると認められるに至った場合は、その時点において、措置を変更するものとすること。
3 措置の廃止
老人ホームヘの入所又は養護受託者の措置は、当該措置を受けている老人と次のいずれかに該当する場合、その時点において、措置を廃止するものとすること。
(1) 措置の基準に適合しなくなった場合
(2) 入院その他の事由により、老人ホーム又は養護受託者の家庭以外の場所で生活する期間が、3箇月以上にわたることが明らかに予想される場合、又はおおむね3箇月を超えるに至った場合
4 被措置者が入院した場合の日用品費の支給
町長は入院中の被措置者(老人ホームヘの入所又は養護受託者への委託の措置を受けた者をいう。)については、措置が廃止されるまでの間、老人保護措置費における事務費のほか、生活費のうち、生活保護における日用品費相当額を支給することができる。
第8 65歳未満の者に対する措置
法第11条第1項に規定する措置において、65歳未満の者であって特に必要があると認められるものは、法第11条第1項各号のいずれかの措置の基準に適合する者であって、60歳以上の者について行うことができること。
ただし、60歳未満の者であっても次のいずれかに該当するときに限り、老人ホームヘの入所措置を行うことができること。
1 老衰が著しく、かつ、生活保護法に定める救護施設への入所要件を満たしているが、救護施設に余力がないため、これに入所させることができないとき。
2 初老期痴呆に該当するとき。
3 その配偶者(60歳以上の者に限る。)が老人ホームの入所の措置を受ける場合であって、かつ、その者自身が老人ホームヘの入所基準に適合するとき。
第9 移送
町長は、老人が老人ホームへ入所する場合若しくは老人ホームから退所する場合又は老人が養護受託者の家庭に入る場合若しくは養護受託者の家庭から出る場合においては、必要に応じて移送を行うこと。
第10 葬祭の措置
1 法第11条第2項の規定する葬祭の措置は、老人ホームに入所した者及び養護受託者にその養護を委託した者が死亡した場合において、速やかに葬祭を行う者の有無を調査し、葬祭を行う者がないことを確認した上で行うこと。
2 葬祭の措置は、死亡の診断又は死体の検案、死体の運搬、火葬又は埋葬、納骨等適当と認められる範囲内で行うこと。
第11 遺留金品の取り扱い
法第27条に規定する遺留金品の取り扱いは、生活保護法第76条の規定に基づく遺留金品の処分の例により取り扱うこと。
附則(平成9年3月24日訓令第4号)
この訓令は、平成9年4月1日から施行する。
附則(平成13年5月1日訓令第20号)
この訓令は、公布の日から施行し、平成12年10月1日から適用する。
附則(平成18年3月30日訓令第33号)
この訓令は、平成18年4月1日から施行する。
附則(平成20年6月30日訓令第12号)
この訓令は、平成20年7月1日から施行する。
附則(平成30年3月13日訓令第4号)
この訓令は、平成30年4月1日から施行する。





老人ホーム入所判定審査票作成上の留意事項
1 「身体及び日常生活動作の状況」、「精神の状況」、「家族の状況」、「住居の状況」及び「経済的状況」欄は町村で記入すること。
2 「身体及び日常生活動作の状況」及び「精神の状況」欄は、「要領1」及び「要領2」により該当事項に○印を附すこと。
3 「健康状態」欄は、新規入所者については当該施設の健康管理に関する記録(写し)を添付すること。
4 痴呆性老人ホームについて、医療処遇の要否の判断が必要な場合は、保健所等の精神科医の診断書を添付すること。
5 「家族の状況」及び「住居の状況」欄は、訪問調査を行い記入すること。
また、「家族の状況」欄は、特に介護者の健康状態を記入すること。
6 「経済的状況」欄は、課税台帳等により確認のうえ記入すること。
7 「総合判定」欄は、入所判定会議等の判定結果に基づき記入すること。
(要領1)
「日常生活動作の状況」欄は、次の状態を参考として記入すること。
事項 | 1 自分で可 | 2 一部介助 | 3 全介助 |
ア 歩行 | ・杖を使用し、かつ時間がかかっても自分で歩ける。 | ・付添いが手や肩を貸せば歩ける。 | ・歩行不可能(寝たきり) |
イ 排泄 | ・自分で昼夜とも便所でできる。 ・自分で昼は便所、夜は簡易便所を使ってできる。 | ・介護があれば簡易便所でできる。 ・夜間はおむつを使用する。 | ・常時おむつを使用している。 |
ウ 食事 | ・スプーン等を使用すれば自分で食事ができる。 | ・スプーン等を使用し、一部介助すれば食事ができる。 | ・臥床のままで食べさせなければ食事ができない。 |
エ 入浴 | ・自分で入浴でき、洗える。 | ・自分で入浴できるが、洗うときだけ介助を要する。 ・浴槽の出入りに介助を要する。 | ・自分でできないので全て介助しなければならない。 ・特殊浴槽を利用している。 ・清拭を行っている。 |
オ 着脱衣 | ・自分で着脱できる。 | ・手を貸せば着脱できる。 | ・自分でできないので全て介助しなければならない。 |
(要領2)
精神の状況の(3)精神状態の「痴呆」欄及び(4)「問題行動」欄は、次の状態を参考として記入すること。
(1) 痴呆
事項 | 重度 | 中度 | 軽度 |
ア 記憶障害 | ・自分の名前がわからない ・寸前のことも忘れる | ・最近の出来事がわからない | ・物忘れ、置き忘れが目立つ |
イ 失見当 | ・自分の部屋がわからない | ・時々自分の部屋がどこにあるのかわからない | ・異なった環境におかれると一時的にどこにいるのかわからなくなる |
(2) 問題行動
事項 | 重度 | 中度 | 軽度 |
ア 攻撃的行為 | ・他人に暴力をふるう | ・乱暴なふるまいを行う | ・攻撃的な言動を吐く |
イ 自傷行為 | ・自殺を図る | ・自分の身体を傷つける | ・自分の衣服を裂く、破く |
ウ 火の扱い | ・火を常にもてあそぶ | ・火の不始末が時々ある | ・火の不始末をすることがある |
エ 徘徊 | ・屋外をあてもなく、歩きまわる | ・家中をあてもなく、歩きまわる | ・時々部屋内でうろうろする |
オ 不穏興奮 | ・いつも興奮している | ・しばしば興奮し騒ぎたてる | ・ときには興奮し騒ぎたてる |
カ 不潔行為 | ・糞尿をもてあそぶ | ・場所をかまわず放尿、排便をする | ・衣服等を汚す |
キ 失禁 | ・常に失禁する | ・時々失禁する | ・誘導すれば自分でトイレに行く |