○江差町職員の職場におけるハラスメントの防止等に関する要綱
令和3年3月31日
訓令第1号
(趣旨)
第1条 この訓令は、職場におけるセクシユアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、モラル・ハラスメント、妊娠、出産、及び育児に関するハラスメント(以下「ハラスメント」という。)の防止及びハラスメントに起因する問題が発生した場合の対応等に関し必要な事項を定めることにより、全ての職員が個人として尊重され、快適に働くことのできる職場環境を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この訓令において、次号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 職員 特別職の職員、一般職の職員、会計年度任用職員、非常勤職員、派遣職員等町の機関で働く全ての職員をいう。
(2) 職場 職員が職務を遂行する場所をいい、出張先、勤務時間外の会食その他実質的に職の延長と考えられるものを含むものとする。
(3) セクシユアル・ハラスメント 他の者を不快にさせる職場における性的な言動等(同性に対するもの及び性的指向又は性自認に関する偏見に基づくものを含む。)をいう。
(4) パワー・ハラスメント 職務上の地位や人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、職員が他の職員に対して精神的若しくは身体的苦痛を与え、又は他の職員の職場環境を悪化させる言動等をいう。
(5) モラル・ハラスメント 言葉、態度、身振り、文書等により人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その職員等が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場環境を悪化させる言動をいう。
(6) 妊娠、出産及び育児に関するハラスメント 次に掲げるいずれかのものをいう。
ア 妊娠したこと若しくは出産したこと又はこれらに起因する症状により勤務することが困難であること若しくは事務処理能力が低下したことに関する言動により、当該職員の職務環境を害することをいう。
イ 妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用に関する言動により、当該職員の勤務環境を害することをいう。
ウ 育児に関する制度又は措置の利用に関する言動により、当該職員の勤務環境を害することをいう。
(7) ハラスメントに起因する問題 ハラスメントのため、職員等の職場環境が害されること及びハラスメントへの対応に起因して職員等が勤務条件につき不利益を受けることをいう。
(任命権者及び議員の責務)
第3条 任命権者は、職員がその能力を十分に発揮できる職場環境を確保するため、必要な防止措置等を迅速かつ適切に講じなければならない。
2 任命権者及び町議会議員(以下「議員」という。)は、町政に携わる機能と責務を深く自覚し、地方自治の本旨に従つて、その使命の達成に努めなければならない。
3 任命権者及び議員は、ハラスメントの事実があると疑われたときは、自ら誠実な態度を持つて疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明確にするよう努めなければならない。
(職員の責務)
第4条 職員は、「ハラスメントの防止及び排除に関し職員等が認識すべき事項についての指針」(別紙1)に従い、ハラスメントの防止及び排除のために十分注意しなければならない。
2 職員は、互いの人権を尊重し、良好な人間関係及び職場環境の確保に努めるとともに、ハラスメントに該当する行為をしてはならない。
3 職員のうち管理又は監督の地位にある者は、ハラスメントを防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 所属職員がその能力を十分に発揮できる良好な職場環境を実現するため、日常の執務における指導等を通じ、ハラスメントの防止及び排除に努めること。
(2) 所属職員の言動に注意し、ハラスメント又はこれを誘発するような言動があつた場合は、注意を喚起すること。
(3) ハラスメントが発生した場合には、迅速かつ的確に対応し、当事者に対し二次的なハラスメントが及ばないように留意すること。
(相談窓口の設置)
第5条 職員からのハラスメントに関する申出及び相談(以下「相談」という。)に対応するため、ハラスメント相談窓口を総務課総務係に設置し、当該職員を相談員とする。
2 相談員は、相互に連携、協力して相談等の処理に当たるものとする。この場合において、相談員は「ハラスメントに関する相談等への対応にあたり留意するべき事項についての指針」(別紙2)に十分留意しなければならない。
3 総務課長は、当該相談に係る当事者に対する助言等により、当該問題を迅速かつ適切に解決するよう努めるものとする。
4 総務課長は、相談を受けたときは、ハラスメントに関する相談整理簿(様式第1号)を作成し、副町長に報告しなければならない。
5 総務課長は、相談に乗る問題を解決することが困難であると判断したときは、次条に規定するハラスメント対策委員会に当該対応措置を諮るものとする。
(対策委員会の設置)
第6条 相談を処理し、適切かつ公正な処理を図るため、ハラスメント対策委員会(以下「対策委員会」という。)を設置する。
2 対策委員会の委員は、副町長、総務課長、副町長が指名する職員2名、江差町職員労働組合が推薦する2名で組織する。
3 委員長は、副町長をもつて充てる。
4 委員長は、対策委員会を代表し、会務を総理する。
5 委員長に事故があるとき、又は欠けたときは、総務課長がその職務を代理する。
6 委員会は、必要があると認めるときは、関係者の出席を求め、意見を聴取することができる。
(会議)
第7条 対策委員会は、委員長が必要に応じて招集し、その会議の議長となる。
2 対策委員会は、委員の半数以上の出席がなければ会議を開くことができない。
3 対策委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
4 対策委員会の審議について、委員に対する相談に係る場合又は当該相談に関係がある場合は、当該委員は会議に出席することができない。
5 対策委員会の庶務は、総務課総務係において処理する。
(対策委員会の所掌事項)
第8条 対策委員会の所掌事項は、次に掲げるとおりとする。
(1) 相談の問題解決に関すること。
(2) その他ハラスメントの防止措置等に関すること。
(委員等の義務)
第9条 対策委員会の委員及び総務課長(以下「対策委員会の委員等」という。)は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 当事者の名誉及びプライバシー等を侵害することのないように対処すること。
(2) 当事者の意向を尊重し、解決を押し付けることのないように留意すること。
(3) 当事者に対し、二次的なハラスメントが及ばないように留意すること。
2 対策委員会の委員等は、その処理にあたつて知り得た秘密を漏らしてはならない。その職から退いた後も、同様とする。
(不利益な取扱いの禁止)
第10条 任命権者及び職員は、相談を行つたことを理由として、相談者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
(必要な措置)
第11条 任命権者は、公正な調査によりハラスメントの事実が確認された場合は、対策委員会がハラスメントと認定した言動を行つた職員に対し、必要な措置を講ずるものとする。
(その他)
第12条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この訓令は、令和3年4月1日から施行する。
別紙1(第4条関係)
ハラスメントの防止及び排除に関し職員等が認識すべき事項についての指針
第1 ハラスメントをなくすために職員が認識すべき事項
1 意識の重要性
ハラスメントをなくするためには、職員一人ひとりが、次の事項の重要性について十分認識しなければならない。
(1) お互いの人格を尊重しあうこと。
(2) お互いが大切な同僚であるという意識を持つこと。
(3) 相手を性的な関心の対象としてのみ見る意識をなくすこと。
(4) 相手を劣つた性として見る意識をなくすこと。
2 基本的な心構え
職員は、ハラスメントに関する次の事項について十分認識しなければならない。
(1) 言動に対する受け止め方は人によつて異なるので、受け止める相手の立場に立つて判断し、それに基づいた言動を行うことが重要であること。
① セクシュアル・ハラスメント
性的な言動に対する受け止め方には、個人間や男女間で差があり、セクシュアル・ハラスメントに当たるか否かについては、相手の判断が重要であること。
具体的には、次の点について注意する必要がある。
・親しさを表すつもりの言動であつたとしても、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまう場合があること。
・不快に感じるか否かについては個人差があること。
・この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないと。
・相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。
② パワー・ハラスメント
職務上の権限や地位等を利用し、業務や指導等の適正な限度を超えて、人格的な支配を行つたり、心理的圧迫や身体的苦痛などを与えたりしてはならないが、パワー・ハラスメントは、業務上の命令又は指導とどう線引きするのかが難しいという側面を持つており、指導から始まつたものが、いつの間にかエスカレートしてパワー・ハラスメントになつてしまうようなケースもあるので、その違いを認識することが重要である。
具体的には、次の点について注意する必要がある。
・たとえ指導のつもりであつたとしても、適正なレベルをこえると相手を傷つけてしまう場合があること。
・「口が悪いのは愛情の裏返し」、「毒舌も個性」などと思い込みをしないこと。
・相手との良好な人間関係ができているので、「この程度でパワー・ハラスメントと思われるわけがない」などと勝手な思い込みをしないこと。
③ モラル・ハラスメント
良好な人間関係を構築するためには、相手の人格の尊重と相手の立場に立つた言動が重要である。自分の何気ない行為が、誰かを傷つけている場合があるという意識を持たなければならない。
具体的には、次の点について注意する必要がある。
・積極的に悪意を抱いてない場合でも、相手にとつては苦痛である場合があるということ。
・常に自分が常識だといつた自己中心的な思い込みをしないこと。
・相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。
(2) 相手が拒否し、又は嫌がつていることが分かつた場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。
(3) ハラスメントを受けた者が、職場の人間関係等を考えて拒否や抗議をすることができない場合など、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと。
(4) 職務を遂行する場所におけるハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。
例えば、職場の人間関係がそのまま持続する歓迎会の酒席のような場において、職員が他の職員にハラスメントを行うことは、職場の人間関係を損ない勤務環境を害するおそれがあることから、勤務時間外におけるハラスメントについても十分注意する必要がある。
(5) 職員間のハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。
行政サービスの相手方など職員がその職務に従事する際に接することとなる職員以外の者及び委託契約又は派遣契約により同じ職場で勤務する者との関係にも注意しなければならない。
(6) セクシュアル・ハラスメントについては、女性に対してのみならず、男性に対するセクシュアル・ハラスメントもあることに注意すること。
また、被害を受ける者の性的指向(恋愛感情又は性的感情の対象となる性別についての指向)や性自認(自己の性別に関する認識)に関わらず、性的な言動であればセクシュアル・ハラスメントに該当すること。
(7) パワー・ハラスメントについては、上司から部下だけでなく、同僚同士又は部下から上司の場合も起こり得ることに注意すること。
3 ハラスメントになり得る言動
ハラスメントになり得る言動としては、例えば、次のようなものがある。
※以下の具体例は代表的なものであり、限定列挙ではありません。
(1) セクシュアル・ハラスメント
① 性的な内容の発言関係
(ア) 性的な関心、欲求に基づくもの
・スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題にすること。
・聞くに耐えない卑猥な冗談を交わすこと。
・体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」、「もう更年期か」などと言うこと。
・性的な経験や性生活について質問すること。
・性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象にしたりすること。
(イ) 固定的な性別役割分担意識等に基づくもの
・「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」、「女性は職場の花でありさえすればいい」などと発言すること。
・「子どもはまだか」、「作り方を教えてやろうか」などと言うこと。
・「男の子、女の子」、「僕、坊や、お嬢さん」、「おじさん、おばさん」などと人格を認めないような呼び方をすること。
・性的指向や性自認をからかいやいじめの対象とすること。
② 性的な行動関係
(ア) 性的な関心、欲求に基づくもの
・ヌードポスター等を職場に貼ること。
・インターネットや雑誌等の卑猥な写真・記事等をわざと見せたり、読んだりすること。
・身体を執拗に眺め回すこと。
・食事やデートにしつこく誘うこと。
・性的な内容の電話をしたり性的な内容の手紙やメールを送つたりすること。
・身体に不必要に接触すること。
・性的な関係を強要すること。
(イ) 固定的な性別役割分担意識等に基づくもの
・女性であるという理由で職場でのお茶くみ、掃除、私用等を強要すること。
・カラオケでのデュエットやチークダンス等を強要すること。
・酒席で上司の側に座席を指定したり、お酌を強要したりすること。
(2) パワー・ハラスメント
① 身体的な攻撃
・書類や物を投げつける。
・蹴つたり、殴つたりする。
・机を叩いたり、椅子を蹴つたりする。
② 精神的な攻撃
・「おまえなんかいなくても同じだ」などと無能扱いする。
・同僚の前で、些細なミスを大きな声で叱責する。
・必要以上に長時間にわたり、繰り返し執拗に叱る。
・特定の職員を集中的な攻撃するような話し方をする。
③ 人間関係からの引き離し
・理由もなく他の職員との接触や協力依頼を禁じる。
・挨拶を無視する。根拠のない噂を流し、会話をしない。
・他の職員から隔離して仕事をさせる。
④ 過大な要求、過小な要求
・就業間際なのに、過大な仕事を毎回押し付ける。
・一人ではできない量の仕事を押し付ける。達成不可能なノルマを常に与える。
・不要不急の職務を時間外勤務や休日勤務により強要して行わせる。
・理由もなく仕事を与えない。掃除などの雑用だけをやらせる。
⑤ 個の侵害
・個人所有の携帯電話、スマートフォン等を勝手にのぞく。
・不在時に、机の中を勝手に物色する。
・休みの理由を根堀り葉堀りしつこく聞く。
・出身校や職歴などをバカにする。
⑥ 仕事以外の事柄の強要
・毎日のように昼休みに弁当を買いに行かせる。
・家の掃除など、職務に関係のない役務への従事を強要する。
・宴会への参加、宴会での飲酒を強要する。
(3) モラル・ハラスメント
・仕事にかこつけて個人を攻撃する、仕事を批判するのではなく人格を否定すること。
・話そうとすると遮つたり、無視したり、周囲に相談しづらい環境をつくり、職場において孤立させること。
・質問しても答えなかつたり、仕事上のアドバイスはせずにミスばかり指摘したりすること。
・プライベートに介入し、趣味や趣向に文句を言うこと。また、休日に何度も連絡すること。
・身体的な特徴や障がいを繰り返しからかつたり、その真似をしたりすること。
(4) 妊娠・出産・育児等に関するハラスメント
① 制度等の利用への嫌がらせ
・「休みを取るなら辞めてもらう」と言うこと。
・「休みを取つたらしばらく昇格はないと思う」と言うこと。
・「男なのに育児休業を取るなんてあり得ない」と言うこと。
・「自分なら休暇を取得しないで介護する。あなたもそうするべき」と言うこと。
・「時間外勤務の制限をしている人に、たいした仕事はさせられない」と言うこと。
・「短時間勤務をしているなんて周りを考えていない」と言うこと。
② 状態への嫌がらせ
・妊娠した女性職員に「辞めて子育てに専念したほうがいい」と言うこと。
・「妊婦はいつ休むかわからないから仕事は任せられない」と言うこと。
・「妊娠するなら忙しい時期を避けるべきだつた」と言うこと。
4 懲戒処分・法的罰則
ハラスメントの態様等によつては信用失堕行為、国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがある。
さらに、加害者には、不法行為(民法709条)、名誉毀損(民法723条)、脅迫(刑法222条)、侮辱(刑法231条)などの法的罰則が適用され、損害賠償責任を負う場合がある。
第2 職場の構成員として良好な職場環境を確保するために認識すべき事項
職場環境はその構成員である職員の協力の下に形成される部分が大きいことから、ハラスメントにより職場環境が害されることを防ぐため、職員は、次の事項について、積極的に意を用いるように努めなければならない。
1 職員相互が相手の人格を尊重し、相手の立場に立つた行動をとること。
2 職場内のハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーと見たり、ハラスメントに関する問題を当事者の個人的な問題として片付けたりしないこと。
職場におけるミーティングを活用することなどにより解決することなどができる問題については、問題提起を契機として、良好な勤務環境の確保のために皆で取り組むことを日頃から心がけることが必要である。
3 職場からハラスメントに関する問題の加害者や被害者を出さないようにするために、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとること。
具体的には、次の事項について十分留意して必要な行動をとる必要がある。
(1) ハラスメントが見受けられる場合は、職場の同僚として注意を促すこと。
ハラスメントを契機として、職場環境に重大な悪影響が生じたりしないうちに、機会をとらえて職場の同僚として注意を促すなどの対応をとることが必要である。
(2) ハラスメント被害を受けていることを見聞きした場合には、声をかけて相談に乗ること。
被害者は「恥ずかしい」、「トラブルメーカーとのレッテルを貼られたくない」などとの考えから、他の人に対する相談をためらうことがある。被害を深刻にしないように、気が付いたことがあれば相談に乗ることも大切である。
(3) 監督者は、職員間のコミュニケーションが円滑に行われているか常に目を配ること。
職場での人とのつながりが希薄化したり、業務執行に余裕がなくなつたりした場合などにハラスメントを誘発する危険が増大するため、日頃から職員間のコミュニケーションに目を配る必要がある。
4 職場においてハラスメントがある場合には、第三者として気持ちよく勤務できる環境づくりをする上で、上司等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。
第3 ハラスメントに起因する問題が生じた場合において職員に望まれる事項
1 基本的な心構え
職員は、ハラスメントを受けた場合にその被害を深刻にしないために、次の事項について認識しておくことが望まれる。
(1) 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。
ハラスメントを無視したり、受け流したりしているだけでは、必ずしも状況は改善されないということを認識することが大切である。
(2) ハラスメントに対する行動をためらわないこと。
「トラブルメーカーというレッテルを貼られたくない」、「恥ずかしい」などと考えがちだが、被害を深刻なものにしない、他に被害者をつくらない、さらにはハラスメントをなくすることは自分だけの問題ではなく良い職場環境の形成に重要であるとの考えに立つて、勇気を出して行動することが求められる。
(3) 上司や同僚、身近な知人等に相談し、状況の改善に向けた対応をすること。
2 ハラスメントによる被害を受けたと思うときに望まれる対応
職員はハラスメントを受けた場合、次のような行動をとるよう努めることが望まれる。
(1) 嫌なことは相手に対して明確に意思表示をすること。
ハラスメントに対しては毅然とした態度をとること、すなわち、はつきりと自分の意志を相手に伝えることが重要である。直接相手に言いにくい場合には、手紙等の手段をとるという方法もある。
(2) ハラスメントが発生した日時、内容等について記録しておくこと。
受けた行為がハラスメントかどうか正しく認識するため、日時、場所、具体的な内容、目撃者の名前、セクハラをした人の名前等を記録しておくこと。相談するに当たつては、記録した内容について伝えることが望ましい。
(3) 信頼できる人に相談すること。
まずは、職場の同僚や知人等身近な信頼できる人に相談すること。各職場内において解決することが困難な場合には、内部又は外部の相談機関に相談する方法を考える。
(4) 相談員等に相談し、状況を冷静に把握、判断したうえで対応すること。ハラスメントと感じる場合でも、客観的に見たときに必ずしもそうではない場合もあることから、自分自身に何が起きているのかを冷静に把握したうで、相談員等に相談し、相手に対して自分の意志を示すなどの対応をとることが重要である。
(5) メンタルヘルスの診察を受けることを躊躇しないこと。
ハラスメントを受けることによつてメンタルヘルス不全に陥ることが多いことから、必要な場合は早めにカウンセラー、心療内科又は精神科などの専門医に相談することが望ましい。
別紙2(第5条関係)
ハラスメントに関する相談等への対応にあたり留意するべき事項についての指針
第1 基本的な心構え
職員からの相談等に対応するに当たつては、相談員は次の事項に留意する必要がある。
1 被害者を含む当事者にとつて適切かつ効果的な対応は何かと言う視点を常に持つこと。
2 事態を悪化させないために、迅速な対応を心がけること。
3 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。
第2 相談等の事務の進め方
1 相談等を受ける際の体制等
(1) 相談等の対応は、基本的に相談員が行うこと。
(2) 相談等を受ける際には、原則として2人の相談員で対応すること。
(3) セクシュアル・ハラスメントに関する相談等を受けるに当たつては、同性の相談員が同席するよう努めること。
(4) 相談員は、相談等に適切に対応するために、相互に連携し、協力すること。
(5) 実際に相談等を受けるに当たつては、その内容を相談員以外の者に見聞されないよう周りから遮断した場所で行うこと。
(6) 相談員は、問題の処理に際し、加害者とされる者又は第三者からの事実関係等の聴取及び加害者への指導、謝罪のあつせん等を行うに当たつては、所属長と連携し、協力すること。
2 相談者から事実関係等を聴取するにあたり留意すべき事項
相談等を行う職員(以下「相談者」という。)から事実関係等を聴取するに当たつては、次の事項に留意する必要がある。
(1) 相談者の求めるものを把握すること。
将来の言動の抑止等、今後も発生が見込まれる言動への対応を求めるものであるのか、又は喪失した利益の回復、謝罪の要求等、過去にあつた言動に対する対応を求めるものであるのかを把握する。
(2) どの程度の時間的余裕があるのかを把握すること。
相談者の心身の状態等を考慮し、相談等への対応に当たりどの程度の時間的な余裕があるのかを把握する。
(3) 相談者の主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くこと。
特に相談者が被害者の場合、ハラスメントを受けた心理的な影響から、必ずしも理路整然と話すことができるとは限らず、むしろ脱線して話すことも十分想定されるが、事実関係を把握することは今後の対応において極めて重要なことであるので、忍耐強く聴くように努める。
具体的には、次の点に留意する必要がある。
① 相談者から無理に聞き出すことがないよう、相手のペースを大切にすること。
② 自己の価値観は脇に置き、相談者の考えを尊重し、結論を急がないこと。
③ 耳で「聞く」だけではなく、共感を示しながら心で「聴く」こと。ただし、事態を客観的に見ていく立場を持ち続けること。
(4) 事実関係について次の事項を把握すること。
① 当事者(被害者及び加害者とされる職員)間の関係
② 問題とされる言動がいつ、どこで、どのように行われたか。
③ 相談者は、加害者とされる職員に対してどのような対応をとつたか。
④ 職員を監督する地位にある職員(以下「監督者」という。)等への相談を行つているか。なお、これらの事実を確認する場合、相談者が主張する内容については、当事者のみが知つているものなのか、又は他に目撃者等がいるのかを把握する。
(5) 聴取した事実関係等を相談者に確認すること。
聞き間違えの修正並びに聞き漏らした事項及び言い忘れた事項の補充のため、聴取した内容を書面で示したり、復唱したりするなどして相談者に確認する。
(6) 聴取した事実関係等については、必ず記録に取つておくこと。
3 加害者とされる職員から事実関係等を聴取するにあたり留意すべき事項
(1) 相談者から相談等があつた場合は、原則として、加害者とされる職員から事実関係等を聴取する必要がある。ただし、職場内で行われた比較的軽微なハラスメントの場合で、対応に時間的余裕があると判断できるときなどは、監督者の観察又は指導による対応が適当な場合もあるので、その都度適切な方法を選択して対応する。
(2) 加害者とされる者から事実関係等を聴取する場合には、加害者とされる者に対して十分な弁明の機会を与える。
(3) 加害者とされる者から事実関係等を聴取するに当たつては、その主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くなど、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応する。
4 第三者から事実関係等の聴取をするにあたり留意すべき事項
職場内で行われたとされるハラスメントについて当事者間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合などは、第三者から事実関係等を聴取することも必要である。
この場合、相談者から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考にし、適切に対応する。
5 相談者に対する説明
相談等に関し、問題の処理に当たつて加害者とされる職員からの事実関係等の聴取が必要であること等の対応方針について、相談者に事前に説明する。また、具体的にとられた対応についても、相談者に説明する。
第3 問題処理のための対応
相談員が、相談等に対応するに当たつては、ハラスメントに関して相当程度の知識を持ち、個々の事例に即して柔軟に対応することが基本となる。
職場におけるハラスメン卜の事実があると判断した場合、加害行為を中止させ、被害者が被つた不利益を回復するとともに、当事者間の関係改善を図るなど、健全な職場環境の回復を目指さなくてはならない。
被害者・加害者ともに心理的ダメージを受けることが多く見られる。特に被害者は、大きな精神的ダメージを受けていることが多く、場合によつては医療機関を紹介するなど、メンタルケアが必要となる。加害者に対しても、自分の言動を相手がどう受け取つていたかを理解させ、誤解を与えないよう促すことが必要である。
また、事案の内容又は状況等から判断し、必要と認めるときは、ハラスメント対策委員会にその処理を依頼する。
