○赤井川村立小中学校出席停止の命令に関する運用指針
平成14年3月27日
教委訓令第1号
1 趣旨
学校教育法(昭和22年法律第26号)第35条(第49条で準用する場合を含む。)に基づき、本人に対する懲戒という観点からではなく、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の義務教育を受ける権利を保障するために行う、赤井川村立学校管理規則(平成14年教委規則第6号。以下「学校管理規則」という。)第16条の規定による出席停止の命令に関して必要な事項を定める。
2 出席停止の要件
(1) 適用要件の内容
教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等「性行不良」であつて、「他の児童生徒の教育に妨げがある」と認める児童生徒があるときは、その保護者(親権者を含む。以下同じ。)に対して、出席停止を命ずるものとする。
① 他の児童生徒に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
児童生徒が、他の児童生徒(原則として同一校の者)に対して、学校内外において次のような行為等を行つた場合
(a) 暴行を加えて傷害を負わせる行為
(b) 心身に著しく苦痛を与えるいじめなどの行為
(c) 刃物等による威嚇など、生命及び身体の安全を脅かす行為
(d) 金品のゆすり・たかりや強奪行為
② 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
児童生徒が、教職員に対して、学校内外において次のような行為等を行つた場合
(a) 暴行を加えて傷害を負わせる行為
(b) 刃物等による威嚇など、生命及び身体の安全を脅かす行為
(c) その他、暴言や脅迫を繰り返すなど、心身の苦痛を与えるような行為
③ 施設又は設備を損壊する行為
児童生徒が、学校の施設・設備を破壊する行為等を行つた場合
(a) 施設・設備に対する放火等
(b) 授業等の教育活動に必要な施設・設備(放送設備、コンピュータ等)に対する破壊等
(c) その他の施設・設備(窓ガラス、机、照明器具、壁、消火設備等)を破壊する行為
④ 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
児童生徒が、授業その他の教育活動の正常な実施を妨げる行為等を行つた場合
(a) 授業中、教員の指示に従わず、その円滑な実施を妨げる行為(教室への勝手な出入り、奇声をあげて騒ぐこと等)
(b) 騒音や異臭を発生させる行為(花火・爆竹・非常ベル等)
(c) その他、教育活動の正常な実施を妨げる行為
(2) 留意事項
校長は、学校の教育活動全体を通じて、教職員が一致協力して児童生徒の社会性や規範意識など豊かな人間性を育成する指導を徹底するよう、日頃から児童生徒の指導の充実に努めなければならない。
校長は、特定の児童生徒によつて(1)に掲げる問題行動が繰り返され、出席停止を命ずべき段階に達するまでに、次の事項に留意して適切な対応に努めなければならない。
① 事前の説明等
学校においては、児童生徒の指導に対する基本方針や出席停止措置の趣旨等について、年度当初から保護者会等の機会を通じて、すべての保護者や関係者に説明するよう努める。また、その際、問題行動が極めて深刻な場合は、主たる対応を関係機関にゆだねることもある旨説明しておく。
② 校内における初期対応
ア 校内で問題行動が発生した場合、児童生徒指導委員会など関係委員会を開催して、教職員の共通認識の下に毅然とした態度で指導にあたるとともに、次の点について検討を行う。
(a) 事実関係の調査・確認
(b) 問題行動と(1)の適用要件の関係
(c) 当該児童生徒に対する今後の指導の在り方
(d) 当該児童生徒の保護者への連絡・連携
(e) 関係機関との連携の必要性
イ 事実関係の確認に際しては、問題行動を起こした児童生徒から十分に事情を聴く。また、児童生徒間暴力の場合などについては、被害を受けた児童生徒からも事情を聴く。
ウ (1)に掲げる問題行動により、被害を受けた児童生徒又はその保護者から連絡があつた場合は、速やかに調査を行い、今後の対応などについて誠意をもつて説明をする。
エ 警察署、児童相談所など関係機関と連携を図るとともに、指導の在り方について、必要に応じて学校医やスクール・カウンセラーなど専門家の意見を聴く。
オ 著しい対教師暴力に及び児童生徒に対し、教職員は、正当防衛としての行為をするなどの対応もあり得ること、また、体罰については、学校教育法第11条により厳に禁止されているものであることを理解する。
③ 児童生徒への指導及び保護者との連携
児童生徒が、(1)に掲げる問題行動を起こした場合、保護者と連携を取りながら次のような指導を行う。
ア 指導に際しては、一方的に児童生徒と保護者を責めるのではなく、当人の言葉に耳を傾け、本音で話し合うように配慮し、問題行動の背景の把握に努める。
イ 当該児童生徒に対して個別の指導、説論を行う。その際、「暴力行為など社会で許されないことは、子どもでも許されないこと」、「集団生活を営む上でルールを守つたり、義務や責任を果たし、他の人に迷惑をかけないこと」などを深く認識させるように努める。
ウ 問題行動の背景に、学力など学習指導上の問題がある場合には、当該児童生徒に対して補充指導を行うなど、基礎学力の定着に努める。
また、当該児童生徒の良さを適切に評価するように努める。
エ 当該児童生徒の保護者に対し、校内での生活状況について十分に説明を行い、家庭での指導の充実や校外生活にも注意を払うよう要請する。
④ 教育委員会への報告、関係機関との連携
校長は、児童生徒が(1)に掲げる問題行動を起こした場合、教育委員会へ報告するとともに、関係機関との連携を図る。
ア 問題行動の状況について、速やかに教育委員会へ報告する。
イ 家庭における養育に問題があるなど、学校のみで対応することが難しいと思われる場合は、関係機関に連絡・相談して、当該児童生徒への指導の充実を図る。
ウ 深刻な問題行動については、警察に対して速やかに連絡・相談を行い、事態の拡大を防ぐように対処する。
⑤ その他
ア 出席停止の命令は、原則として学校が指導や警告を行つたにもかかわらず、(1)に掲げる問題行動が繰り返される場合に講ずる。
イ 生徒間暴力については、けんかによる場合など、被害生徒側の過失の有無を勘案する。また、集団による暴力行為に関しては、個々の児童生徒の関与の度合いを踏まえて判断する。
ウ 出席停止の命令は、本人に対する懲戒ではなく、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の義務教育を受ける権利を保障することを趣旨とするものであることから、法に触れる行為や教育活動の正常な実施を直接妨げる行為以外(例えば、服装・髪形等に関する校則違反行為など)を事由として、出席停止を命ずることはできない。
3 具体的な手続き
(1) 校長からの意見具申
① 校長は、(1)に掲げる問題行動が繰り返され、出席停止を命ずる必要があると認めたときは、児童生徒指導委員会等を開催して、これまでの問題行動の内容を確認の上、教育委員会に出席停止について意見の具申を行う。
② 校長の意見具申は、次に掲げる必要な事項を記載した学校管理規則別記第11号様式による意見書を提出して行う。
(a) 当該児童生徒の氏名、性別、生年月日
(b) 当該児童生徒の在籍する学年、組、担任名
(c) 当該児童生徒の保護者の氏名及び住所、当該児童生徒との続柄
(d) 出席停止を命ずる期間に関する意見
(e) 出席停止の原因となる性行不良の状況
(f) これまでの学校の取り組み状況
(g) 出席停止の命令を要すると判断した理由
(h) 出席停止期間中の指導計画に関する意見
(i) その他必要な事項
(2) 出席停止命令の決定
教育委員会は、校長から具申された意見を尊重し、必要に応じて関係機関の参考意見を求めるなど慎重かつ総合的に判断し、学校管理規則第16条の規定に基づいて出席停止を命ずることを決定する。
(3) 関係者から弁明・意見を聴取する機会の設定
① 校長は、出席停止の対象となる児童生徒及びその保護者に対して、弁明を聴く機会を設ける。また、出席停止を命ずるよう教育委員会に意見の具申をした場合は、その旨を告げる。
② 校長は、特定の児童生徒が被害を受けた場合、事実関係を的確に把握するために、その児童生徒や保護者から事情を聴く。また、加害児童生徒の出席停止の対応について説明する。
③ 教育委員会は、出席停止を命じようとするときは、当該児童生徒の保護者から意見を聴取するものとする。また、当該児童生徒の意見についても必要に応じて聴取するなど、弁明の機会について配慮する。
④ 意見聴取は、教育長の指名する事務局職員及び校長等が直接対面して行い、その際、今後の指導方針などの説明をあわせて行う。
⑤ 出席停止について、保護者の同意を得ることは必要ないが、保護者の監護の下で指導を行うという制度の性質を踏まえて、保護者の理解と協力が得られるよう努める。
(4) 期間の設定
① 出席停止の期間は、児童生徒の行為に応じて総合的に判断するものであるが、主に深刻な暴力行為による場合は、1~3週間程度を目安とする。
② 次の事項に該当し、学校の秩序を脅かす恐れが比較的少ないと判断した場合は、①にかかわらず短い日数を設定したり、当初設定した期間を途中で短縮することができる。
(a) 当該児童生徒が深く反省し、悔い改める気持ちが顕著であるとき。
(b) 被害を受けた児童生徒が心理的に安定するなど、他の児童生徒間に当該児童生徒を積極的に受け入れようとする環境が醸成されたとき。
(c) 被害を受けた児童生徒の保護者の同意が得られているとき。
③ 出席停止期間中に、校内に立ち入つたり、学校外において再び問題行動を起こすなど生活態度の改善が見られない場合は、期間を延長することができる。
④ 出席停止期間の終了にあたり、期間中の指導及び当該児童生徒の状況に関する学校や保護者からの意見等を基に、学校への復帰を判断したときは、その旨を学校及び保護者に通知するものとする。
(5) 命令の方式及び関係機関への報告
① 教育委員会は、出席停止の命令を行うときは、当該児童生徒及びその保護者を呼び、校長及び教頭の立ち会いのもとで、学校管理規則別記第12号様式による「出席停止通知書」を保護者に交付して行わなければならない。その際、あらためて出席停止の趣旨・内容について説明するとともに、当面の指導計画の概要を述べて、保護者が監護の義務を果たすよう求める。
② 当該児童生徒及びその保護者が呼び出しに応じない場合は、郵便、電話、訪問その他の方法で、内容を伝達する。
③ 教育委員会は、警察署、児童相談所など関係する機関に対して、出席停止を命じた旨を連絡する。
4 出席停止期間中及び期間後の指導
(1) 基本的な考え方
① 教育委員会は、学校や関係機関の協力を得て、出席停止期間中における当該児童生徒の個別指導計画を策定するなど、学習支援その他の教育上必要な措置を講ずる。
② 教育委員会は、当該児童生徒の保護者に対して、出席停止期間中における監護の義務について十分説明し、責任を持つて指導するよう求める。
③ 学校は、教育委員会及び関係機関との連携の下、当該児童生徒の立ち直りを促し学習の遅れを防ぐため、家庭訪問等を通じて指導にあたる。
(2) 期間中の配慮事項
① 学校は、学級担任、生徒指導主事等の教員を中心にチームを組んで、計画的かつ臨機に家庭訪問等を行い、反省文、日記、読書その他の課題学習をさせるなど適切な指導・援助を行う。
② 教育委員会は、家庭の監護に問題がある場合などは、学校の職員や関係機関によるサポートチームを組織して、適切な役割分担の下の児童生徒及び保護者への指導や援助を行う。
③ 教育委員会及び学校は、家庭の監護能力に著しく問題があると認められるなど児童福祉法(昭和22年法律第164号)に係わる事案については、児童相談所など関係機関において処遇の在り方を総合的に判断することとなるため、平素から連携を密にして指導への協力を求めるように努める。
④ 学校は、出席停止の期間終了後、当該児童生徒が円滑に登校できるよう、他の児童生徒に対して適切な指導を行う。その際、被害を受けた児童生徒に対する心のケア等に十分配慮する。
(3) 学校復帰後の指導
① 保護者や関係機関との連携を強めながら、当該児童生徒に対して将来に対する目的意識を持たせたり、ルールや秩序を守るなど適切な指導を継続的に行う。
② 当該児童生徒や地域の実情に応じて、社会奉仕体験や自然体験、勤労体験・職業体験などの体験活動を効果的に取り入れるよう努める。
③ 被害を受けた児童生徒に報復行為を行つたり、問題行動を再発させないよう十分に注意を払う。
(4) その他
出席停止の命令を行つた場合、当該児童生徒の指導要録の取扱いについては、次の点に留意して適切に行う。
① 「出欠の記録」の「出席停止・忌引等の日数」欄に出席停止の期間の日数を含めて記入し、備考欄に出席停止に関する特記事項を記入する。
② 「総合所見及び指導上参考となる諸事項」については、その後の指導において特に記入を要する点があれば記入する。
③ 対外的に証明書を作成するにあたつては、単に指導要録の記載事項をそのまま転記することは必ずしも適当ではないので、証明の目的に応じて、必要な事項を記載するように注意する。
附則
この運用指針は、平成14年4月1日から施行する。
附則(平成24年教委訓令第1号)
この訓令は、公布の日から施行する。