○八雲町子どものいじめ防止条例
平成26年9月16日
条例第23号
目次
前文
第1章 総則(第1条~第10条)
第2章 いじめ防止基本方針等(第11条~第14条)
第3章 いじめの防止等に関する基本的施策(第15条~第18条)
第4章 いじめの防止等に関する措置(第19条~第22条)
第5章 重大事態への対処(第23条~第25条)
第6章 雑則(第26条)
附則
(前文)
子どもは、将来のまちづくりを担う町の大切な宝であり、子どもが健やかに成長することは町民すべての願いです。八雲町(以下「町」といいます。)は、町民憲章の中で「助け合うあたたかい町にしよう」とうたっており、人権を尊重し、互いに支え合い、地域の絆を深めることを目指しています。
昨今、大きな社会問題になっているいじめは、子どもの健やかな成長を妨げるばかりか、その後の子どもの生き方にも深刻な影響を与えます。子どもの権利を侵害するこのようないじめを防止し、子どもが明るい将来を築ける環境を実現することは、社会全体で取り組む重要課題です。
私たちは、深刻化するいじめ問題に対し、いじめ防止についての基本理念を明らかにしてその方向性を示し、いじめの防止のための施策を総合的に推進していくため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、子どもへのいじめ防止に関する基本理念及び責務を定め、いじめの防止及び解決を図るための基本となる事項を明らかにすることにより、子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくることを目的とします。
(用語の定義)
第2条 この条例において使用する用語の定義は、次のとおりとします。
(1) いじめ 一定の人的関係にある他の子どもが行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネット等を通じて行われるものを含みます。)であって、当該行為の対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものをいいます。
(2) 子ども 町内の小学生及び中学生をいいます。
(3) 学校 町内の小学校及び中学校をいいます。
(4) 保護者 親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人。)とします。
(5) 町民 町内に居住する者又は町内に通勤し、若しくは通学する者をいいます。
(6) 事業者 町内において事業活動を行う個人及び団体をいいます。
(7) 関係機関等 子どものいじめの問題の対応に関係する機関及び団体をいいます。
(基本理念)
第3条 町、学校、保護者、町民、事業者及び関係機関等が相互に連携し、いじめはどの学校でもどの子どもにも起こり得るという緊張感を共有しながら、社会全体でいじめの問題を克服します。
2 いじめが子どもの心身に大きな影響を及ぼすことを子ども、教職員、保護者又は地域社会が理解を深め、すべての子どもがいじめを行わない、いじめを見逃さないようにします。また、いじめが発生した際は迅速に対応し、早期に解決します。
(いじめの禁止・子どもの役割)
第4条 子どもは、互いに思いやり共に支え合い、いかなる理由があってもいじめをしません。
2 子どもは、いじめを受けた場合には、一人で悩むことなく、家族、学校、友達又は関係機関等に相談します。
3 子どもは、いじめを発見した場合又は友達からいじめの相談を受けた場合には、家族、学校、友達又は関係機関等に相談します。
4 子どもは、情報機器の使用に関し、保護者との約束を交わし、それを守ります。
(町の責務)
第5条 町は、子どものいじめの防止及びいじめの問題に迅速かつ適切に対応できるように必要な体制を整えます。
2 町は、子どもをいじめから守るため、学校・家庭・地域が一体となった施策を策定し、実施していきます。
3 町は、子どもをいじめから守るため、関係機関と連携を図り、学校を支える体制を築いていきます。
(学校の責務)
第6条 学校は、いじめ防止のため、社会性や規範意識、思いやりなどの豊かな人間性を育む教育活動を推進します。
2 学校は、いじめの未然防止に取り組むとともに、いじめの早期発見、早期対応及び継続した経過観察に取り組みます。
3 学校は、いじめを認知した場合は速やかに事態を把握し対応に当たるとともに、事実関係を町に報告し、町及び保護者その他関係機関との連携により解決に当たります。
4 学校は、保護者及び地域社会に対して、個人情報の取り扱いに十分に配慮し、必要に応じていじめの現状及び対策に関する情報を提供します。
(保護者の責務)
第7条 保護者は、子どもとの対話を大切にし、子どもに対し、いじめは絶対に許されない行為であることを教えます。
2 保護者は、子どもの様子及び行動の変化に配意し、いじめを察知したときは、速やかに学校又は町に連絡し、相談します。
3 保護者は、いじめが発覚した場合、学校や町と相互に連携して解決にあたります。
(町民及び事業者の役割)
第8条 町民及び事業者は、地域において子どもに対する見守り、声かけ等を行い、子どもが安心して過ごすことができる環境をつくるよう努めます。
2 町民及び事業者は、いじめを発見したときには、速やかに町、学校、又は関係機関等に情報を提供するように努めます。
(財政上の措置)
第9条 町は、いじめ防止及び解決のための施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めます。
(道との連携等)
第10条 町は、北海道と連携し、いじめの防止等のための対策の推進を図るとともに、いじめの防止等のための対策に関して必要があると認めるときは、国及び北海道に対して必要な措置を講ずるよう要請します。
第2章 いじめ防止基本方針等
(いじめ防止基本方針)
第11条 町は、いじめの防止などの対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針を定めます。また、その方針を公表します。
2 町は、いじめ防止基本方針を定めるに当たり、町民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じます。
3 町は、より実効性のある取組を実施するため、いじめ防止基本方針を定期的に点検及び評価し、必要に応じて見直します。
(学校いじめ防止基本方針)
第12条 学校は、その実情に応じて、いじめの防止等の対策に関する基本方針を定め、その方針を公表します。
2 学校は、いじめ防止基本方針を策定するに当たっては、保護者や地域住民及び子どもの意見を取り入れるようにします。
3 学校は、より実効性のある取組を実施するため、学校いじめ防止基本方針を定期的に評価し、必要に応じて見直していきます。
(いじめ問題対策連絡協議会)
第13条 町は、いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、八雲町いじめ問題対策連絡協議会(以下「連絡協議会」といいます。)を設置します。
2 連絡協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めます。
(いじめ対策委員会)
第14条 いじめ防止基本方針に基づき、いじめの防止等の対策を実効的に行うようにするため、八雲町教育委員会(以下「教育委員会」といいます。)の附属機関として、八雲町いじめ対策委員会(以下、「対策委員会」といいます。)を設置します。
2 対策委員会は、教育委員会の諮問に応じ、いじめの防止等のための対策の推進に関する重要事項を調査審議します。
3 対策委員会は、いじめの防止等のための対策の推進に関し、教育委員会に意見を述べることができます。
4 対策委員会は、委員5人以内で組織します。
5 委員は、識見を有する人のうちから、教育委員会が委嘱します。
6 委員の任期は3年とし、委員が欠けた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。ただし、再任は妨げません。
7 委員は、職務上知りえた秘密を漏らしてはいけません。その職を退いた後も同様とします。
8 前各項に定めるもののほか対策委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めます。
第3章 いじめの防止等に関する基本的施策
(学校におけるいじめの防止)
第15条 学校は、子どもの豊かな情操と道徳心を培い、コミュニケーション能力の素地や基礎を養い、いじめが生まれにくい環境をつくるため、教育活動全体を通じて道徳教育及び体験活動の充実を図ります。
2 学校は、保護者や地域住民、関係団体と連携を図りながら、子どもの人間関係に関わる問題を解決する能力の向上を図ります。また、いじめの防止に関する子どもの自主的な企画及び運営による活動を促進します。
(いじめの早期発見のための措置)
第16条 町又は学校は、いじめの実態を適切に把握し、いじめの早期発見・早期解消につなげるため、子どもへのいじめアンケートや学校における取組状況調査等を実施します。
2 町は、いじめに関する通報及び相談を受けるための体制を整えます。
3 学校は、定期的に教育相談を行い、子どもが相談できる機会を増やします。
(学校評価等における留意事項)
第17条 教育委員会は、いじめの事実が隠ぺいされることなく、いじめの実態の把握及びいじめに対する措置が適切に行われるよう、学校評価において、いじめ防止等の取組に係る評価が適正に行われるようにします。
(啓発及び教育)
第18条 町は、いじめ防止に関する町民の理解と協力を得るため、いじめに関する必要な啓発を行います。
2 学校は、子どもがいじめをなくすために主体的な行動をとるように、子どもに対して、人権に関する教育を行います。
第4章 いじめの防止等に関する措置
(学校におけるいじめ防止等の対策のための組織)
第19条 学校は、いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、複数の教職員、心理・福祉等の専門的知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等のための組織を置きます。
(いじめに対する措置)
第20条 学校は、いじめの通報や相談があった場合、事実の有無を確認し教育委員会へ報告します。
2 学校は、いじめがあったことが確認された場合、いじめをやめさせ、又はその再発を防ぐため、いじめを受けた子どもに対する支援、その保護者に対する情報の提供及び支援をします。
3 学校は、いじめを行った子どもに対する指導及び支援並びにその保護者に対する助言を継続的に行います。
4 学校は、いじめを受けた子どもが安心して教育を受けられるようにするための必要な措置をします。
5 学校は、いじめの事案の円滑な解決を目指して、いじめに係る情報を保護者と共有します。
6 学校は、いじめが犯罪行為や子どもの生命等に重大な被害が生じる恐れがある場合は、直ちに警察との連携を図ります。
(報告を受けた教育委員会による措置)
第21条 教育委員会は、学校からのいじめ報告に対し、必要な支援や措置を指示し、自ら調査を行います。
(校長及び教員による懲戒、出席停止)
第22条 校長及び教員は、いじめの事実が確認され、教育上必要があると認める場合は、学校教育法第11条の規定に基づき適切な懲戒を加えることができます。
2 教育委員会は、子どもをいじめから守る必要があると判断したときは、いじめを行った子ども及びその保護者に出席停止の措置をとることができます。
第5章 重大事態への対処
(学校による対処)
第23条 学校は、いじめにより子どもが生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いが生じたときや、いじめが原因により学校を長期間欠席する事態(以下「重大事態」といいます。)が発生したときは、教育委員会を通じて町長に報告しなければなりません。
(教育委員会による対処)
第24条 教育委員会は、前条の報告があった場合、又は子どもやその保護者から重大事態が発生し、若しくは発生した疑いがあるとの申し立てがあったときは、教育委員会が主体となる調査を実施します。
2 教育委員会は、前項の報告又は申し立てのとおり重大事態のときは、対策委員会を活用し、公平・中立性を確保した調査を実施します。その際、対策委員会によるいじめを受けた子ども及びその保護者の意見聴取の機会を確保します。
3 教育委員会は、前2項の調査が終了したときは、その調査結果を町長へ報告します。
4 教育委員会は、第2項の調査が終了したときは、いじめを受けた子ども及びその保護者へ調査結果を情報提供します。
(町長による対処)
第25条 町長は、前条第3項の調査結果について、必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により再調査することができます。
2 町長は、前項の再調査が終了したときは、いじめを受けた子ども及びその保護者へ調査結果を情報提供します。
3 町長は、第1項の再調査結果を議会に報告しなければなりません。
第6章 雑則
附則
この条例は、平成27年1月1日から施行します。