○松前町風力発電施設(出力50キロワット未満)の設置に関するガイドライン
令和3年11月25日
訓令第29号
(目的)
第1条 このガイドラインは、松前町において風力発電施設及びその附帯設備の新設又は増設(以下「施設の設置等」という。)を行う事業者に対し、施設の設置等に係る計画を立案する段階から風力発電事業を実施する期間(設置、設備の維持管理、撤去及び処分)について、災害の防止、良好な景観保全、生活環境の保全、地域との関係構築を図るための配慮事項を示し、適正な事業が行われることを目的とする。
(1) 風力発電施設 風力を電気に変換するための設備及びその附属設備をいい、その出力が50キロワット未満の発電施設をいう。
(2) 事業者 風力発電事業に関わる次に掲げる者をいう。
ア 機械製造又は設計を行う者
イ コンサルタントを行う者
ウ 施設の設置等を行う者
エ 発電事業を行う者
オ 保守点検又は維持管理を行う者
カ 風力発電施設の譲渡又は承継を受けた者
(3) 事業区域 風力発電施設の用に供する土地の区域をいう。
(4) 関係地域住民 設置する風力発電施設を中心に半径500メートル以内の範囲において該当する次に掲げる者をいう。
ア 土地の所有者又は使用者
イ 家屋の所有者又は使用者
ウ 町内会の代表者
(5) 住宅等 住宅、家屋等、町内で事業を営む業者の事業所、学校、幼稚園等の文教施設、医療機関、保健・福祉施設、その他住民が利用する公共施設等を含む。
(6) 道路 国道、道道及び町道をいう。
2 前項に定めるもののほか、このガイドラインにおいて使用する用語の意義は、資源エネルギー庁が策定する「事業計画策定ガイドライン(風力発電)」及び関係法令等(以下これらを「風力発電ガイドライン」という。)において使用する用語の例による。
(対象地域)
第3条 このガイドラインの対象地域は、松前町内全域とする。
(設置を避けるべきエリア)
第4条 法令上開発行為が厳しく制限(原則不許可など)されている区域や、防災、景観、生活環境等の観点から、風力発電施設が設置されることにより、甚大な影響が想定される地域を「設置を避けるべきエリア」として、別表のとおりとする。
(遵守事項)
第5条 事業者は、施設の設置等を行う場合は、施設の設置等に係る関係法令及び風力発電ガイドラインを遵守すること。
(施設の設置等に係る配慮事項)
第6条 事業者は、施設の設置等を行う場合は、次に掲げる事項について配慮するものとする。
(1) 関係地域住民との協調を保ち、良好な生活環境を害することのないように十分に配慮すること。
(2) 災害を防止するため、次に掲げる対策を施すよう配慮すること。
ア 盛土、切土面の保護が必要な場合は、擁壁、石張り、吹付、法枠、法面排水等の対策に係る措置を講ずること。
イ 盛土、切土をする場合で地下水によりがけ崩れ、土砂流出の恐れがある場合は、事業区域内の地下水を排出する排水施設の設置等その対策に係る措置を講ずること。
ウ がけ地の地域に設置する場合は、がけ肩からの離隔、がけ肩沿い排水設備の設置等によるがけ地の崩壊対策に係る措置を講ずること。
エ 湧水がある場合には、地下排水管の設置等その対策に係る措置を講ずること。
オ 地盤が軟弱な場合は、事業区域並びに区域外での隆起や沈下が生じないよう、地盤改良、擁壁の設置、土の置換及び水抜き等の対策に係る措置を講ずること。
カ 降雨等により土砂の流出や山腹崩壊等の山地災害が懸念される地域では、擁壁などの対策に係る措置を講ずること。
キ 集中豪雨等の降雨量等から想定される雨水が有効に排水できる対策に係る措置を講ずること。
(3) 風力発電施設の設置については、200メートル以上住宅等から距離を離して設置すること。ただし、家屋の所有者及び使用者の合意を得て、200メートル以内に風力発電施設の設置を検討する場合においても、100メートル以上住宅等から距離を離して設置すること。この場合において、住宅等との距離は、住宅等と風車におけるタワー基礎部分との水平距離をいう。
(4) 風力発電施設で事故等があつた場合の交通への影響を考慮し、施設の設置等について、最も近い道路との距離は、概ね地上から風車の最高点までの長さ以上の距離を離して設置するよう努めるものとする。この場合において、道路との距離は、道路と風車におけるタワー基礎部分との水平距離をいう。
(5) 風力発電施設から発せられる作動音等(以下「施設作動音」という。)について、最も近い住宅等において、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定に基づく騒音に係る環境基準(平成10年9月30日環告64)に定める「専ら住宅の用に供される地域」に係る基準値内(昼間55デシベル以下、夜間45デシベル以下)とすること。
(6) 風力発電施設から発せられる低周波音(以下「低周波音」という。)について、最も近い住宅等において、環境省「低周波音問題対応の手引書」の低周波音による物的苦情及び心身に係る苦情に関する参照値内とすること。
(7) テレビ電波、松前町防災行政無線の電波及び消防救急デジタル無線等に影響を及ぼさないための対策に係る措置を講ずること。
(8) 動植物への影響に十分配慮し、その影響への対策に係る措置を講ずること。
(9) 施設の設備等に係る計画は、地域の自然、歴史的環境及び周囲の景観と調和した良好な環境の形成に努める内容を盛り込んだものとすること。
(10) 風力発電施設及びその周辺に広告物を表示する場合には、良好な景観を害し又は公衆に対し危害を及ぼさない最小限の広告物のみを表示すること。
(11) 風力発電施設及びその周辺に照明器具等を設置する場合には、周辺環境への影響を発生させない対策に係る措置を講ずること。
(12) 法令上問題がない地域でも、災害発生のリスク、良好な景観の阻害又は自然・生活環境への影響が懸念される場合などについては、関係者と十分に協議し、関係地域住民及び周辺環境に十分に配慮すること。
(風力発電事業に係る配慮事項)
第7条 事業者は、風力発電事業を行う場合は、次に掲げる事項について配慮するものとする。
(1) 施設に起因して発生した苦情等に対しては、迅速かつ誠実な対応を図ること。
(2) 設置した風力発電施設は、関係法令及び次に掲げる維持管理に伴う配慮すべき事項に基づき適切な措置を行うものとする。
ア 風力発電施設において、施設の破損、火災や土砂流出等が発生した場合又は周辺に緊急事態が発生した場合など、事業者に連絡を取ることができるよう、風力発電施設の名称、設置場所の住所、風力発電施設の発電出力、事業者の名称及び連絡先その他必要な事項を記載した管理看板を敷地内の見やすい場所に設置すること。
イ 事業者は、外部から容易に風力発電施設に触れることができないように、風力発電施設と柵塀等との距離を空けるようにした上で、敷地内に事業関係者以外の者が、構内に容易に立ち入ることがないような高さの柵塀を設置するなど適切な安全対策をとること。
ウ 風力発電施設については、定期的に保守点検を行い、風力発電施設の性能を保持し施設作動音及び低周波音について基準値内となるように整備すること。
エ 風力発電施設及び敷地については、定期的な除草及び清掃を行い、周辺環境の美化に努めること。
オ 自然災害、その他の事由により風力発電施設に破損又は事故等が発生した場合、事業者は被害を最小限に留める措置を講じ、速やかに復旧又は撤去すること。
カ 風力発電施設を廃止した場合は、その跡地について、そのまま放置せず、速やかに原状回復に努めるなど、責任をもつて適切な措置をとること。この場合において、風力発電施設を撤去する場合は、関係法令に基づいて、適切な処理を行うこと。
(3) 事業を承継する場合は、承継する風力発電施設の管理運営及び廃止等の条件について、責任をもつて引き継ぐこと。
(事前協議)
第8条 事業者は、施設の設置等に着手する前(施設の設置等に係る森林伐採、土地造成等の設置に向けた準備をいう。以下同じ。)に、施工及び維持管理等に関する事業の計画について町に事前協議を行うものとする。
(住民説明会の実施)
第9条 事業者は、施設の設置等を行う場合は、次条で定める届出書を届け出る前までに、説明会(以下「住民説明会」という。)を開催するとともに、発電事業に対する意見の把握及び事業の周知に努めるものとする。ただし、社会情勢等により住民説明会の開催が困難な場合、事業区域の関係町内会の代表者と協議のうえ、関係地域住民を対象とした回覧、戸別訪問等をもつて住民説明会の開催に代えることができるものとする。
2 住民説明会は、第2条第1項第4号に掲げる関係地域住民に対して実施することとし、その参集範囲は関係町内会の代表者と協議のうえ決定することが望ましく、風力発電施設を設置する土地及び周辺の土地の地権者又は使用者並びに当該施設から半径200メートル以内とその周辺に居住する住民への説明は必ず実施すること。
4 事業者は、関係地域住民の要望及び意見を尊重し、迅速かつ誠実な対応をし、その改善を図るものとする。
5 事業者は、関係地域住民の要望及び意見について、町内会の代表者との間で当該要望事項等に係る双方の同意事項を書面で締結することが望ましい。
6 住民説明会開催の後、施設の設置等に着手するまでの期間が1年以上経過した場合においては、再度住民説明会を開催することとする。
(計画の届出)
第10条 事業者は、風力発電施設の設置に係る各種法令に基づく申請及び当該申請に対する承認を得た後、施設の設置等に着手する30日前までに、松前町風力発電施設計画届出書(別記様式第2号)を町長に届け出るものとする。
2 前項で定める計画の届け出の後、施設の設置等に着手するまでの期間が1年以上経過した場合においては、新たに届け出るものとする。
(設置工事完了の届出)
第12条 事業者は、風力発電施設設置工事の完了後、14日以内に松前町風力発電施設設置工事完了届出書(別記様式第4号)を町長に届け出るものとする。
(事業者の変更の届出)
第13条 風力発電事業に係る事業者が変更となつた場合(社名変更、事業の承継、事業用地の分譲も含む。)は、速やかに松前町風力発電施設事業者変更届出書(別記様式第5号)を町長に届け出るものとする。
(廃止の届出)
第14条 事業者は、届出を行つた風力発電施設の計画又は事業等を廃止するときは、廃止する日の30日前までに、松前町風力発電施設廃止届出書(別記様式第6号)を町長に届け出るものとする。
(報告)
第15条 町長は、このガイドラインに定めるもののほか、必要な事項について事業者から報告を求めることができるものとする。
(ガイドラインの見直し)
第16条 本ガイドラインは、今後の社会情勢の変化等により、必要に応じて随時見直すものとする。
(指導及び助言)
第17条 町長は、このガイドラインの目的を達成するために必要と認めるときは、事業者に対し、設置事業について必要な指導及び助言を行うことができるものとする。
(その他)
第18条 このガイドラインに定めるもののほか、このガイドラインの施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、公布の日から施行する。
(松前町風力発電施設(出力20kw未満)の設置に関するガイドラインの廃止)
2 松前町風力発電施設(出力20kw未満)の設置に関するガイドライン(平成29年松前町告示第13号)は、廃止する。
別表(第4条関係)
設置を避けるべきエリア
関係法令 | エリア (区域の名称等) | 理由 |
農地法 農業振興地域の整備に関する法律 | ① 農用地区域 ② 第1種農地又は採草放牧地 | 優良農地を確保するため、転用が厳しく制限されている。 ① 農業振興地域整備計画で農用地区域とされた区域内の農地又は採草放牧地 ② 以下のいずれかに該当するものをいう。 ・10ha以上の一団の農地又は採草放牧地 ・農業公共投資の対象となつた農地又は採草放牧地 |
森林法 | 保安林 | 水源の涵養、土砂流出の防備、土砂崩壊の防備、その他災害の防備や生活環境保全・形成等の目的を達成するために指定された区域であり、立木伐採や土地の形質変更等が厳しく規制されている。 |
河川法 | ① 河川区域 ② 河川保全区域 ③ 河川予定地 | 出水時に流下阻害発生のおそれがあるとともに、河川管理施設を損傷させるおそれがある。 ① 1号地 河川の流水が継続して存する土地 2号地 河川管理施設の敷地である土地 3号地 1号地と一体管理されるべき区域 ② 河川や河川管理施設を保全するために必要な最小限度の土地 ③ 河川工事により、新たに河川区域内の土地となるべき土地 |
砂防法 | 砂防指定地 | 治水上の砂防設備を要する土地又は一定の行為を禁止もしくは制限すべき区域として指定されており、他のエリアに比べて災害発生により地域住民の財産・生命等を脅かすリスクが高い。 |
地すべり等防止法 | 地すべり防止区域 | 地下水等により発生する地すべりによる崩壊被害を防止するため、一定行為を制限するとともに必要な施設等を整備するための区域であり、他のエリアに比べて災害発生により地域住民の財産・生命等を脅かすリスクが高い。 |
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律 | 急傾斜地崩壊危険区域 | 崩壊のおそれのある急傾斜地(30度以上)で、崩壊により相当数の居住者等に危害が生ずるおそれのあるもの及びその隣接地のうち、当該急傾斜地の崩壊が助長され、又は誘発されるおそれがないよう、一定行為を制限している区域であり、他のエリアに比べて災害発生により地域住民の財産・生命等を脅かすリスクが高い。 |
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 | 土砂災害警戒区域 | 急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあり、土砂災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき区域であり、他のエリアに比べて災害発生により地域住民の財産・生命等を脅かすリスクが高い。 |
景観法 | 北海道全域 | 北海道の美しい景観形成のため、北海道では景観法に基づく届出制度を行つており、一定規模を超える建築物、工作物、開発行為について、新築・増改築等の行為を行う場合は事前の届出が必要 |
文化財保護法 | 埋蔵文化財包蔵地 | 適切かつ円滑な発掘調査や、発掘された遺跡や出土品の有効的な保存・活用を行うために、埋蔵文化財全体を守ることが必要 |
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 | 松前矢越道立自然公園 | 鳥獣又は鳥獣の生息地にとつて特に重要な区域として、工作物の設置や木竹の伐採等、一定の開発行為が制限されている。 |






