○在校等時間の上限等に関する方針
令和4年4月1日
教育長訓令第4号
1 方針策定の趣旨
子供を取り巻く環境の複雑化・多様化に伴い、学校の役割が拡大し多くの教育職員が長時間勤務を行つている実態が明らかとなつている。これを受け、福島町教育委員会(以下、「教育委員会」という。)では、子供たちの豊かな学びと成長を支える質の高い学校教育の維持向上のために、学校における働き方改革が急務となつている。
また、平成30年7月公布された働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律により、労働基準法第36条第1項の協定(以下、「36協定」という。)について時間外労働の制限時間が規定された。
公立学校の教育職員については、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下、「給特法」という。)が適用され、正規の勤務時間外に超過勤務命令に基づいて業務を行うのは、いわゆる「超勤4項目」※に関する業務の場合のみとされていることから、「超勤4項目」以外の業務は教育職員が自らの判断で自発的に業務を行つているものとの整理される。しかし、公務として行うものについては、学校教育活動に関する業務であり、正規の勤務時間外に行つている業務としては、「超勤4項目」に関する業務以外のものが大半を占めている。
文部科学省は、平成31年1月に「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」(以下、「ガイドライン」という。)を策定し、「超勤4項目」以外の業務も含めて、しつかりと教育職員の勤務時間管理を行うことが学校における働き方改革を進める上で必要不可欠であることを定めた。令和元年12月には、給特法の一部を改正する法律が公布され、ガイドラインは法的根拠のある「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」(以下、「指針」という。)へと格上げされた。
教育委員会においても、学校における働き方改革の取組の一環として、福島町学校管理規則第27条の2第3項に定める教育職員の業務量の適切な管理、その他教育職員の健康及び福祉の確保を図るために必要な事項について、本上限方針を策定するものである。
※ 超勤4項目
・校外実習その他生徒の実習に関する業務
・修学旅行その他学校の行事に関する業務
・教職員会議に関する業務
・非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合、その他やむを得ない場合に必要な業務
2 対象の範囲
本方針は福島町立小中学校に勤務する教育職員(給特法第2条第2項に規定する教育職員(校長、教頭、主幹教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、講師)を対象とする。
なお、事務職員等本方針の対象とならない職員については、36協定における時間外労働の制限が適用される。
3 業務を行う時間の上限
(1) 本方針における「勤務時間」の考え方
地方公務員法上の「勤務時間」は、基本的に労働基準法上の「労働時間」と同義であると考えるが、教育職員の専門性や職務の特徴を踏まえ、また、教育職員が超勤4項目以外の業務を行う時間が長時間化している実態も踏まえると、正規の勤務時間外に教育職員が学校教育活動に関する業務を行つている時間を含めて外形的に把握することができる時間を当該教育職員の「在校等時間」とし、服務監督者としての教育委員会が管理すべき対象とする。
具体的には、正規の勤務時間外において超勤4項目以外の業務を行う時間も含めて教育職員が在校している時間を基本とし、当該時間に、以下に掲げる①、②及び③の時間に加え、④及び⑤の時間を除いた時間を在校等時間とする。ただし、④については当該教育職員の申告に基づくものとする。
① 校内に在校している時間
② 校外において職務として行う研修への参加や児童生徒等の引率等の職務に従事している時間として服務監督者としての教育委員会が外形的に把握する時間
③ 各地方公共団体が定める方法によるテレワーク等の時間
④ 正規の勤務時間外に自らの判断に基づいて自らの力量を高めるために行う自己研鑽の時間その他の業務外時間
⑤ 休憩時間
(2) 上限時間の原則
① 1か月の在校等時間の総時間から、北海道学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例(以下「条例」という。)で定めた勤務時間を減じた時間(以下「1か月時間外在校等時間」という。)が45時間を超えないようにすること。
ただし、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置条例第9条第1項の規定により勤務時間を定める場合にあつては42時間を超えないようにすること。
② 1年間の在校等時間の総時間から、条例で定めた勤務時間の総時間を減じた時間(以下「1年間時間外在校等時間」という。)が360時間を超えないようにすること。
ただし、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置条例第9条第1項の規定により勤務時間を定める場合にあつては320時間を超えないようにすること。
③ ①②に掲げる上限の範囲内とし、教育職員の業務量の適切な管理を行うこととする。
(3) 児童生徒等に係る臨時的な特別な事情がある場合の上限時間
上記(2)を原則としつつ、児童生徒等に係る通常予見することのできない業務量の大幅な増加に伴い、一時的又は突発的に所定の勤務時間外に業務を行わざるを得ない場合においては、次に掲げる時間及び月数の上限の範囲内とする。
① 1か月時間外在校等時間 100時間未満
② 1年間時間外在校等時間 720時間
③ 1年のうち1か月時間外在校等時間が45時間を超える月数 6月
④ 連続する複数月(2か月、3か月、4か月、5か月)のそれぞれの期間について、各月の1か月時間外在校等時間の1か月当たりの平均時間 80時間
4 在校等時間の把握
上限方針の実施に当たつて、校務支援システムの出退勤管理システム機能により個々の教育職員の在校等時間を客観的に把握し、校外での職務や週休日、休日などに校務に従事した時間についても、できる限り客観的な方法により把握する。また、当該計測の結果は校務災害が生じた場合等において重要な記録となるため、公文書としてその管理及び保存(データ保存5年間)を適切に行うこと。
5 教育委員会が講ずる措置
(1) 上限方針の実施に当たつては、休憩時間や週休日の確保等労働法制を遵守するとともに、年次有給休暇についてまとまつた日数を連続して取得できるよう夏季休業中または年末年始における学校閉庁日を設定し、健康確保に向けた取組を推進する。
(2) 教育職員の健康及び福祉を確保するため、在校等時間から正規の勤務時間を除いた時間が一定時間を超える教職員から疲労の蓄積の申出があつた場合は、福島町福祉課保健師等による面接指導を実施する。
また、必要に応じて学校医等による指導・助言を受け、または教育職員に学校医等による保健指導を受けさせる。
(3) 本方針を踏まえた各学校における取組の実施状況を踏まえ、在校等時間の長時間化を防ぐための業務の分担の見直しや適正化、必要な環境整備等を学校長とともに進める。
(4) 本方針の内容について、保護者や地域住民等の理解が得られるよう、教育委員会ホームページ等で周知する。
Ⅵ 学校における働き方改革の推進
上限方針の実施に当たつては、学校における働き方改革の取組を一層促進し、教育の質の維持向上に努めるものとする。
(1) 定時退勤日の設定
各学校において、月1回以上の定時退勤日の実施に努めること。ただし、定時退勤が困難な学校については、各学校において退勤時間を設定し、なるべく早く退勤ができるよう取り組みを行うこと。また、一斉退勤ができない場合は、教職員の中で互いに調整をし、各教職員が個別の定時退勤日を設定することができるものとする。
(2) 教育職員の在校等時間に対する意識啓発の推進
毎日、校務支援システムにより出退勤時刻を記録し、在校等時間を意識した働き方を教育職員に浸透させる。1週間当たりの時間外在校等時間が20時間を超える教育職員に対しては、管理職が当該教育職員と業務全般の内容や優先順位等を協議しながら、時間外在校等時間の縮減方策を具体的に定めるなどして、適切な在校等時間になるよう取り組む。
(3) 部活動の指導に関わる負担の軽減
福島町の部活動等の在り方に関する方針によるものとする。
① 部活動の1日の活動時間は、平日では長くとも2時間程度、学校の休業日(学期中の土曜日及び日曜日(以下、「週末」という。)を含む。)は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
② 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける。(平日に少なくとも1日、週末は少なくとも1日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)
また、学校閉庁日は休養日とする。
③ 長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いとする。また、部活動以外にも多様な活動ができるよう、ある程度の休養期間(オフシーズン)を設けることとする。
Ⅶ 校長等の学校の管理職及び教育職員が留意すべき事項
(1) 上限時間について
校長等の学校の管理職及び教育職員は、本方針が、教育職員が上限時間まで業務を行うことを推奨するものと解してはならず、また学校における働き方改革の総合的な方策の一環として策定されるものであり、在校等時間の長期化を防ぐための他の取組と併せて取り組まれるものであることを十分に留意しなければならない。決して、在校等時間の長期化を防ぐための取組を講ずることなく、教育職員に対し、上限時間を遵守することを求めるのみであつてはならない。
(2) 虚偽の記録等について
教育職員の在校等時間について形式的に上限時間の範囲内にすることが目的化し、授業など教育課程内の学校教育活動であつて真に必要な活動であるものをおろそかにすることや、実際の時間より短い虚偽の時間を記録し、又は記録させることがあつてはならない。
(3) 持ち帰り業務について
本来、業務の持ち帰りは行わないことが原則であり、上限時間を遵守することのみを目的として自宅等に持ち帰つて業務を行う時間が増加することは、厳に避けなければならない。仮に業務の持ち帰りが行われている実態がある場合には、その実態把握に努めるとともに、業務の持ち帰りの縮減に向けた取組を進める。
附則
この訓令は、公布の日から施行する。