○中頓別町環境基本条例

平成21年6月2日

条例第25号

目次

第1章 総則(第1条、第2条)

第2章 基本理念及び基本方針(第3条、第4条)

第3章 環境基本計画(第5条、第6条)

第4章 責務(第7条―第10条)

第5章 施策(第11条―第38条)

第6章 環境審議会(第39条)

附則

私たちのふるさと中頓別は、敏音知(ピンネシリ)岳を中央に天塩山地と北見山脈に囲まれています。

町の木・アカエゾマツの繁る森からしみ出た一滴の水は、幾筋もの清流に姿を変え、やがて母なる頓別川となって大地を潤しています。

この森と川の恵みは、生命(いのち)の揺りかごとなってサクラマスやヤマベ、カワシンジュガイに象徴される多種多様な生態系をつくりあげるとともに、美しき四季の変化を演出し、活力ある農林業と人々の健やかな暮らしをささえています。

しかし、ゆきすぎた資源・エネルギーの消費と日々生み出される膨大な廃棄物は、環境の持つ復元力を超え、私たちの生存を脅かし、こどもたちの未来にまで大きな負の遺産を残そうとしています。

いまこそ、先人たちの英知に学びながら、生きとし生けるものが共生できる持続可能な循環型社会を実現するための行動が求められています。

私たちは、快適で良好な環境を享受する権利(環境権)を有するとともに、恵まれた自然をより豊かなものとして次の世代に手渡す責任と義務をあわせ持っています。

町民一人ひとりが、全ての生物のよりどころである地球生態系の一員として、かけがえのない環境の保全と創造に積極的に取組むため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、豊かな自然など良好で快適な環境の保全とそれを更に豊かなものにしていくための創造的な活動(以下「環境の保全と創造」という。)についての基本的な考え方を定め、町民、事業者、町、旅行者等のそれぞれの責任と義務を明らかにするとともに、環境の保全と創造に関する施策の基本となる事項を定めることで、施策を総合的かつ計画的に推進し、もって中頓別の自然と地域文化を守り育てることを目的とします。

(定義)

第2条 この条例では、次の各号のとおり用語を定義します。

(1) 環境への負荷 人の活動が環境に加える影響のうち、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいいます。

(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化、オゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に対する環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに町民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいいます。

(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の低質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に対して被害が生じることをいいます。

(4) 地元学 地域独自の生活文化を日常的に創り上げていくことを目的に、住民自身が主体となって、地域外の人の視点や助言を得ながら、地元を調べ、考え、創り上げていくことをいう。

(5) 生物の多様性 様々な生態系が存在すること並びに生物の種間及び種内に様々な差異が存在することをいいます。

(一部改正〔平成21年条例28号〕)

第2章 基本理念及び基本方針

(基本理念)

第3条 本町における環境の保全と創造は、すべての町民が等しく、人と自然が調和した良好な環境の恩恵を受け、この良好な環境をより質の高いものとして未来の世代へ引き継いでいくため、次の各号を基本理念とします。

(1) 頓別川流域の豊かな森と川のめぐみを大切にして、その自然と共生した暮らしと中頓別らしい地域文化を創造します。

(2) 自然との調和のなかで農林業の振興を積極的に進め、その多面的な機能を最大限に引き出し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な地域社会を創造します。

(3) かけがえのないふるさとを子どもたちにつないでいくため、子どもと子どもを育てる人のための良好な環境づくりを積極的に推進します。

(4) 町民が主体となることを基本に、町民、事業者、旅行者等及び町がそれぞれの役割を踏まえ、日常生活や事業活動で積極的に推進します。

(5) 環境の保全と創造が、地球上で暮らすすべての人々の共通の課題であることを認識し、地域を超えた協力の下に推進します。

(6) 生態系を構成しているあらゆる生物は、自然の中で共生していることを認識し、生物の多様性の保全を図るとともに、多様で良好な自然環境が地域の自然的、社会的条件に応じて体系的に保全されるまちづくりを推進します。

(一部改正〔平成21年条例28号〕)

(基本方針)

第4条 本町における環境の保全と創造は、前条に掲げる基本理念の実現を図るために、次の各号を基本方針とします。

(1) 森が持つ多面的な機能を評価し、森とつきあう作法を守りながら大切に育て、森と人との調和の取れた関係を築いていくこと。

(2) 川と人の暮らしのつながりを見直し、豊かな水環境を取り戻すこと。

(3) 生命の源である食の安全と安心を守っていくため、食の恵みを与えてくれる豊かな環境の保全、先人の知恵と工夫で創られてきた食文化の継承及び環境と共生する農業の振興を図っていくこと。

(4) 子どもから高齢者まで、豊かな環境の中で楽しく過ごすことができる遊びやふれあいの場を守り、創造していくこと。

(5) 未来を担う子どもたちを豊かな環境のなかで育てるとともに、子どもたちに環境の保全と創造の大切さを伝えていくこと。

(6) 環境の保全と創造に関係する諸活動の基本に地元学を位置づけ、町民が自ら町のことを調べてよく知り、本町にある資源を大切にいかした取組を推進すること。

(7) 生物の多様性の保全に配慮した、自然と共生するまちづくりを行うこと。

(一部改正〔平成21年条例28号〕)

第3章 環境基本計画

(環境基本計画の策定と公表)

第5条 町長は、環境の保全と創造に関する施策を総合的、計画的に推進するため、環境基本計画を定めて、町民に分かりやすく公表しなければなりません。

2 環境基本計画は、次の事項について定めます。

(1) 環境の保全と創造に関する長期的な目標

(2) 環境の保全と創造に関する計画的かつ具体的な取組

(3) 計画の進行管理に関すること。

3 町長は、環境基本計画を定めようとするときは、第39条に規定する環境審議会の意見を聞かなければなりません。

(一部改正〔平成21年条例28号〕)

(環境基本計画の推進と公表)

第6条 町長は、環境基本計画に定めた取組を積極的に推進し、その状況を町民に分かりやすく公表しなければなりません。

第4章 責務

(町民の責務)

第7条 町民は、その日常生活に伴う環境への負荷の低減及び快適で良好な環境の保全と創造に努めなければなりません。

2 町民等で組織し町内で活動する団体(以下「町民団体」という。)は、それぞれの目的のための活動に伴う環境への負荷の低減に努めるとともに、環境の保全と創造に自ら努めなければなりません。

3 町民及び町民団体は、町が実施する環境の保全と創造に関する施策に協力するよう努めなければなりません。

(事業者の責務)

第8条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害の防止又は自然環境の適正な保全のために、その責任において必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。

2 事業者は、生態系の保全や景観等に影響を与える事業を行う場合、町民に対して情報提供に努めるとともに、町民の意向を十分踏まえて実施するよう努めなければなりません。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に関し、環境の保全と創造に資するよう自ら積極的に努め、その事業活動に係る環境の保全と創造に関する情報の自主的な提供に努めるとともに、町が実施する環境の保全と創造に関する施策に協力するよう努めなければなりません。

(町の責務)

第9条 町は、環境の保全と創造に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、実施しなければなりません。

2 町は、環境の保全と創造のため、環境に影響を及ぼすと認められる施策を計画し実施する場合は、基本的な考え方に従い、環境への負荷が減少するよう配慮しなければなりません。

3 町は、町が行う事業の実施に当たっては、自らが率先して環境に配慮し、将来にわたる環境の保全等に取り組むための計画を定め、実行しなければなりません。

4 町は、町の施策に限らず、生態系の保全や景観等に影響を与える事業に関する情報の収集に努め、必要と認める場合はその情報を町民にも提供し、町民の意見等が反映されるよう必要な措置を講じなければなりません。

(旅行者等の責務)

第10条 通勤、通学又は旅行等で本町に滞在する者は、第7条に定める町民の責任と義務に準じ環境保全等に努めなければなりません。

第5章 施策

(環境影響評価の措置)

第11条 町は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行う事業者が、あらかじめその事業による環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、環境の保全について適正に配慮することを促すため、必要な措置を講ずるものとします。

2 町は、既に行われた前項の事業のうち環境に著しく影響を生じていると認められるものについては、その事業を行った事業者がその事業に係る影響について自ら適正に調査及び評価を行い、その結果に基づき、環境の保全について適正に配慮することを促すため、必要な措置を講ずるものとします。

(規制の措置)

第12条 町は、公害の原因となる行為、自然環境の保全に支障となる行為等環境の保全上の支障となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければなりません。

2 前項に定めるもののほか、町は、環境の保全上の支障を防止するため、指導、助言その他の必要な措置を講じなければなりません。

(監視等の体制整備)

第13条 町は、環境の状況を的確に把握するために必要な監視、測定、試験及び検査の体制の整備に努めなければなりません。

(事業者との協定の締結)

第14条 町長は、事業活動に伴う環境への負荷の低減を図るため特に必要と認めるときは、事業者との間で環境への負荷の低減に資する協定を締結するものとします。

(森林等の保全と利活用)

第15条 町は、人と自然とが共生できる緑豊かな環境を形成するために、森林、里山並びに緑地(以下「森林等」という。)の保全及び緑化の推進その他の必要な措置を講じなければなりません。

2 森林等の所有者は、その持っている多面的な機能も含めて森林等の保全に努めるとともに、伐採する場合等においてもその影響が最小限となるよう適切な管理に努めなければなりません。

3 町は、森林等の実態把握とその所有者に対して必要な情報の提供及び助言等を行うとともに、前項の規定に違反すると認められる行為があるか、又は予想される場合は、速やかに必要な措置を講じなければなりません。

(クリーン農業の推進)

第16条 町は、農地が有する環境の保全と創造に寄与する多様な機能を尊重し、農地の荒廃防止、有効利用の促進に必要な措置を講ずるものとします。

2 町は、品質及び生産性の向上を図りつつ、環境への負荷の軽減(減農薬、減化学肥料等)に配慮した安全、安心かつ健康な農畜産物の生産(以下「クリーン農業」という。)の促進に必要な措置を講ずるものとします。

3 町は、農業から生ずる廃棄物及び排水が適正に処理され、循環的に利用される環境への負荷の少ない循環型農業の促進に必要な措置を講ずるものとします。

4 農業者は、前2項の取組に資する農業技術の導入に努めるものとします。

5 町民は、農業への理解を深め、農業者とともにクリーン農業、循環型農業の推進に努めるものとします。

(水循環の保全)

第17条 町は、水源地、河川、湿地等の環境保全に努め、健全な水循環と安全な水の確保のために必要な対策を講ずるものとします。

(河川の自然生態系及び水質保全)

第18条 町及び河川管理者(以下「町等」という。)は、河川空間の整備、河畔林の保全等により、良好な河川の環境を確保するとともに、山並み、丘陵地、農地等からなる連続性を確保し、水と緑に恵まれた良好な環境の保全及び創造のために必要な措置を講じなければなりません。

2 町等は、河川改修等に際しては、河川流域の自然生態系の把握とともに、自然に配慮した工法を講じなければなりません。

(生活排水等の適正処理)

第19条 町民及び事業者は、生活又は事業に伴う排水処理を行うときは、水環境への負荷を軽減するよう努めなければなりません。

2 町は、町民及び事業者が行う前項の活動に対し、情報の提供及び必要な支援に努めなければなりません。

(生活環境保全)

第20条 町は、健康で安全かつ快適な生活環境の確保に資する環境づくりのために、必要な対策を講ずるものとします。

2 町民及び事業者は、その占有する土地や建物及び飼育する愛がん動物を適切に管理するなど、良好な生活環境の保全に努めなければなりません。

(景観の保全)

第21条 町は、農山村の特性をいかした中頓別らしい景観の保全と創造をとおして豊かで潤いのある美しいふるさとの形成に必要な措置を講ずるものとします。

(貴重な自然環境の保全)

第22条 町は、貴重な植物の群生地や動物の生息地など優れた自然環境の保全に必要な措置を講ずるとともに、その魅力を高めて町民の自然とのふれあいや環境の保全と創造に関する学習(以下「環境学習」という。)にいかすよう努めなければなりません。

(廃棄物の削減及び効率的なエネルギー利用)

第23条 町は、環境への負荷の低減を図るため、廃棄物の処理の適正化を推進するとともに、事業者及び町民による廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの適切かつ有効な利用の促進に必要な措置を講ずるものとします。

2 町は、環境への負荷の低減を図るため、町の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの適切かつ有効な利用に努めなければなりません。

(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)

第24条 町は、環境への負荷の低減に資する製品等の利用を自ら進めるとともに、町民及び事業者による当該製品等の利用の促進に努めなければなりません。

(生物の多様性の保全のための措置)

第25条 町は、野生生物の種の保存とともに、生態系に係る被害を及ぼすおそれがある外来生物、遺伝子組換え生物等について、飼養等又は使用等の規制、防除その他の必要な措置を講じ、生物の多様性の保全が図られるよう努めなければなりません。

(全部改正〔平成21年条例28号〕)

(地球環境保全に関する施策の推進)

第26条 町は、地球温暖化の防止、オゾン層の保護等の地球環境保全に資する施策を講ずるものとします。

2 町は、関係機関及び民間団体と連携し、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとします。

(自然とのふれあいづくり)

第27条 町は、町民が中頓別の森林等や水辺にある自然の豊かさとのふれあいができるよう、必要な措置を講ずるものとします。

(環境学習の推進及び人材育成)

第28条 町は、町民や事業者が環境の保全と創造についての理解を深め、環境の保全と創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう、環境学習を総合的かつ体系的に推進するため、必要な措置を講ずるものとします。

2 町は、環境の保全と創造に取り組む人材の育成に努めなければなりません。

(エコツーリズムの推進)

第29条 町は、自然環境の保全、地域における創意工夫を生かした観光の振興及び環境学習に寄与するエコツーリズムの推進に必要な措置を講ずるものとします。

(施設整備)

第30条 町は、廃棄物及び下水の処理施設その他の環境への負荷の低減に資する施設の整備を推進するため、必要な措置を講ずるものとします。

2 町は、公園、緑地その他の快適な環境の保全と創造に資する施設の整備を積極的に進めるため、必要な措置を講ずるものとします。

(経済的負担)

第31条 町は、環境保全等について必要な対策を講ずる場合、その経費の一部を受益者の負担とすることができます。

(町民等の活動への支援)

第32条 町は、町民、町民団体及び事業者が自発的に行う環境の保全や創造に関する事業や活動が促進されるよう、必要な措置を講じなければなりません。

(町民等の参加の機会の確保)

第33条 町は、環境の保全と創造に関する施策を推進するに当たっては、町民、町民団体及び事業者の参加の機会を確保するものとします。

(町民等の意見の反映)

第34条 町は、町民、町民団体及び事業者の環境に関する意見を環境の保全と創造に関する施策に反映させなければなりません。

(情報収集及び提供並びに調査研究の実施)

第35条 町は、環境の保全と創造に関する情報の収集に努めるとともに、環境の保全と創造に関する活動に資するため、必要な情報を適切に提供するよう努めなければなりません。

2 町は、環境の保全と創造に資するため、必要な調査研究に努めなければなりません。

(施策の推進体制の整備)

第36条 町は、環境の保全と創造を総合的に推進するため、町の関係部署の連携と調整を図るための体制を整備し、必要な職員の研修に努めなければなりません。

(財政上の措置)

第37条 町は、環境の保全と創造に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければなりません。

(国及び他の自治体等との連携)

第38条 町は、環境の保全と創造に関する施策について、国、北海道及び近隣の市町村と協力して推進するよう努めなければなりません。

第6章 環境審議会

(一部改正〔平成21年条例28号〕)

(環境審議会)

第39条 町長は、環境の保全と創造に関する基本的事項を調査審議するため、中頓別町環境審議会(以下「審議会」という。)を設置します。

2 審議会は、町長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議します。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全と創造に関する基本的な事項

3 審議会は、前項に規定する事項に関し、町長に意見を述べることができます。

4 審議会の委員は、10人以内とし、町長が任命します。

(全部改正〔平成21年条例28号〕)

この条例は、公布の日から施行します。

(平成21年条例第28号)

この条例は、公布の日から施行します。

中頓別町環境基本条例

平成21年6月2日 条例第25号

(平成21年9月28日施行)

体系情報
第12編
沿革情報
平成21年6月2日 条例第25号
平成21年9月28日 条例第28号