○学校教育における公費、私費の負担区分に関する取扱基準
昭和51年1月26日
教委訓令第4号
(趣旨)
1 この訓令は、学校教育における公費、私費の負担区分の適正化を図るために必要な判断と取扱いの基準を示すものとする。
(公費負担とすべき経費の原則)
2 公費負担とすべき経費の原則は、次のとおりとする。
(1) 直接教育活動費
学級、学年、学校単位で共同または備え付けするものの経費とその管理指導のための経費とする。
(2) 間接教育活動費
学校の管理運営費及び施設費とし、当該学校の経営上必要な経費とする。
(取扱上留意すべきこと)
3 実際上の取扱にあたり留意すべきこと。
(1) 前記公費負担の原則の取扱にあたつては、別記A「私費負担とすべき性質の経費」を参照して判断すること。
(2) 次に公費負担と認められるものであつてもそれが予算上認められているものかどうかに留意するとともに、その執行が妥当な範囲のものであるかどうかを検討すること。
(3) なお公費として認められる限界などに問題のある経費もあるので別記B「特別の配慮を要する経費」と別記C「公費として認められる限界に問題がある経費」に掲げる事例を参考にして地域性や学校経営、教育方法の差異等の事情からその必要性を判断し個別に負担区分を決めるものとする。
附則(昭和52年2月23日教委訓令第2号)
この基準は、公布の日から施行する。
別記
A 私費負担とすべき性質の経費 |
1 児童、生徒個人の所有物にかかる経費
(1) 学校、家庭のいずれにおいても使用できるものにかかる経費
(2) 学年、学級、特定の集団の全員が個人用の教材教具として使用するものにかかる経費
例
ア 教科書以外の個人用図書……参考書、自習書、辞典類等
イ ノート類……各種学習ノート
ウ 各種文房具……筆記用具、筆箱、下敷、小刀、コンパス、分度器等
エ 補助教材……各種ワークブツク、白地図類、テスト類
オ 学習用品……楽器(ハーモニカ、笛等のように少額で購入でき衛生的見地からも個人用とすべきもの)、運動衣、剣道衣、柔道衣、裁縫、手芸用具、絵具、版画、簡単な工作用具、個人用なわとびのなわ、竹刀、ユニホーム、テニス、卓球のラケツト
註 学習用具については、クラブ活動が必修になつたのでその分についても上記の基本的な考え方を適用して負担区分を考える必要がある。課外のクラブ(部)活動については、当面私費負担とする部分が多いと考えられる。
2 教育活動の結果として、その教材、教具そのもの、又はそれから生ずる直接的利益が児童、生徒に還元されるものにかかる経費
例
ア 学習材料……書道の半紙、画用紙等
イ 実習材料……調理実習、食品材料、調味料、工作材料、被服手芸の材料等(ただし、実態上学校側があらかじめ用意して支給すべきことを適当と認められる副材料的なものは公費負担とすることが望ましい。)
ウ 学習活動……遠足、修学旅行費、児童生徒会費、校外施設学習の食費等
エ 補助活動……学校給食の食材料等
B 特別の配慮を要する経費 |
公費、私費の負担区分上特に疑問のある経費については次の事例に照らして具体的に検討し、公費の負担の範囲などを個別に判断する。
事例 | 判断 |
1 校外体育行事への参加費 | 行事の性格、参加者の資格などから考え学校行事として学校代表が参加するものであれば公費負担とすべきである。 この場合、対外的な体育大会等への参加費の取扱いについては特に配慮する必要がある。 |
2 展覧会、発表会への参加費 | 上記と同じ |
3 校外施設学習の交通、宿泊費、映画、音楽等の共同鑑賞費 | 教育課程においてぜひ必要なものであれば交通費(バス借上料等)及び鑑賞費は公費負担とすべきである。 宿泊費(特に食費)は、私費負担でよいと考えられるが施設を借上げる場合は、その経費は公費負担とすることが望ましい。類似の経費として校外学習、現地学習、移動教室、みどりの学校などにかかる経費がある。なお「展覧会、発表会への参加費」のうち共同鑑賞に類するものは映画、音楽の共同鑑賞と同様に取扱うものとする。以上のうちで、自由参加のものについては、私費で負担すべきである。 |
C 公費として認められる限界などに問題がある経費 |
間接教育活動費とした管理運営費及び施設設備費については、原則として公費で負担するが、しかし、公費として認められる限界などに問題のある経費もあるのでそれらの経費については、次の事例を参考にして負担区分を判断する。
事例 | 判断 |
1 ガラス拭手数料 | 建物の状態などによるが危険な場所のガラス拭は公費で委託すべきである。 |
2 航空写真図作成費 | 指導用教材や校史の資料などとして学校教育上必要と認められるときは、公費負担とする。 |
3 教室用生花 | 児童、生徒が自宅から持参することを拒むものではないが、特別の学校行事の場合限度はあるが公費で購入すべきものと考えられる。類似のものとして教室や廊下に掲げる書画などがある。 |
4 校旗調整費 | 経常的な経費でないが学校新設のとき新設に伴う経費の一部として校歌の作詞、作曲料とともに措置すべきである。 |
5 各種負担金、分担金交際費的な経費 | 個別の判断を要するものが多く、特に慎重な取扱いが必要である。 |
6 教育研究団体等に対する負担金、分担金 | 教員の専門性に対応する研修機会の確保及び研究団体の自主性の保持という観点にたつて次のように判断する必要があると考えられる。 ア 学校が構成単位になつている研究団体については、その分担金、負担金は公費で負担することを原則とする。 イ 校長会、教頭会等の職能団体や特定の個人で構成される研究団体についてはその負担金、分担金(会費)は個人の負担とする。(公費による援助は事業者に対する補助とする。) ウ その他の研究団体等についてはその性格を検討のうえア、イの原則にてらして負担区分を判断するものとする。 |