○厚沢部町中山間地域等直接支払交付金実施要領
平成13年8月20日
訓令第13号
第1 趣旨
本町の中山間地域は厚沢部川の上流に位置することから、農業・農村が有する水源涵養機能、洪水防止機能等の多面的機能によって、下流部の住民の生命・財産と豊かな暮らしを守っている。
しかしながら、高齢化が進行する中で平地に比べ自然的・経済的・社会的条件が不利な地域であることから、耕作放棄地の増加等により多面的機能の低下が懸念されており、担い手の育成等による農業生産の維持を通じて、多面的機能を確保する観点から、町民はもとより国民の理解の下に、以下の定めるところにより、厚沢部町中山間地域等直接支払交付金を交付する。
第2 中山間地域等直接支払基本方針
町長は、交付金の交付を円滑に実施するため、中山間地域等直接支払基本方針(以下「基本方針」という。)を策定する。
1 基本方針は、原則として平成16年度までの方針とする。
2 町長は、基本方針を策定し、又は変更しようとするときは、基本方針認定(変更)申請書に基本方針を添付の上、当該年度の4月30日までに振興局長に提出し、その認定を受けるものとする。
第3 直接支払いの実施
1 交付金交付の対象者
(1) 交付金の交付の対象となる者(以下「対象者」という。)は、2の(1)の集落協定に基づき、5年間以上継続して農業生産活動等を行う農業者等(特定農業者を除く。)とする。
(2) 特定農業者
集落協定参加農業者で、農業従事者1人当たりの農業所得が札幌市の勤労者1人当たりの平均所得(575万円)を上回る者(当該農業者が水路・農道等の管理や集落内の取りまとめ等集落営農上の基幹的活動において中核的なリーダーとしての役割を果たす担い手として集落協定で指定された者であって、当該農業者の農用地に対し交付される交付額を集落の共同取組活動に充てる場合を除く。)
(3) 共同して維持・管理等を行っている者
農用地の所有者と作業の受託者等が共同して維持・管理等を行っている場合は当事者間の話し合いにより対象者を決定する。
2 対象行為
交付金の交付対象となる行為(以下「対象行為」という。)は、次に掲げる集落協定に基づき、5年間以上継続して行われる農業生産活動等とする。
(1) 集落協定
ア 集落協定は、対象農用地において、農業生産活動等を行う農業者等の間で締結されるものであって、次の(ア)から(ケ)までの事項を規定したもの(ただし、(キ)、(ク)については、任意的事項)とする。
なお、「集落」とは、一団の農用地において協定参加者の合意の下に農業生産活動等を協力して行う集団とする。
また、集落協定を締結した複数の集落が、次年度以降にこれらの協定を包含した集落協定を新たに締結することもできる(この場合でも交付金の交付は、平成16年度までとする。)。
(ア) 協定の対象となる農用地の範囲
(イ) 構成員の役割分担
農用地等の管理者及び受託等の方法、水路・農道等の管理活動の内容と作業分担、経理担当者、町に対する代表者等を記載する。
(ウ) 農業生産活動等として取り組むべき事項
適正な農業生産活動に加え、地域の中で国土保全機能を高める取組、保健休養機能を高める取組又は自然生態系の保全に資する取組等多面的機能の増進につながるものとして、次に例示される行為(これに準じる行為及び基盤整備への取組も含む。)から集落が集落の実態に合った活動を1つ以上(法律で義務づけられている行為及び国庫補助事業の補助対象として行われている行為以外のものを1つ以上)記載する。
分類 | 具体的に取り組む行為 | ||
必須事項 | 農業生産活動等 | 農業生産活動(耕作放棄地の防止等活動) | ①適正な農業生産活動を通じた耕作放棄の防止 ②耕作放棄の復旧や林地化等 ③離農者等農用地の賃借権設定(農地の流動化) |
農道・水路等の管理活動 | 適切な農道・水路等の維持管理(草刈り・泥上げ・立木伐採など) | ||
選択的 必須事項 | 多面的機能を増進する活動 | 国土保全機能を高める取組 | ①土壌流亡に配慮した営農の実施(緑肥等) |
都市との交流を高める取組 | ①都市との交流事業 ②景観作物の作付 ③体験農園の設置 | ||
農村環境保全に資する取組 | ①資源循環型農業の取組(副産物の堆肥化等) ②環境保全活動(放置農機具等の除去) ③住環境の整備(花壇等) | ||
(エ) 交付金の使用方法
集落の各担当者の活動に対する報酬、生産性の向上や担い手の育成に資する活動、鳥獣害防止対策及び水路、農道等の維持・管理等集落の協同取組活動に要する経費の支出について記載する。
(オ) 生産性や収益の向上による所得の増加、担い手の定着等に関する目標
次のとおり記載する。
a 生産性や収益の向上による所得の増加に関する集落としての取組活動については、例えば、農用地の連担化、交換分合等による生産性向上、高付加価値型農業等の推進、農作業の受委託、農業機械・施設の共同利用、コントラクターによる飼料生産等
b 担い手の定着等に関する集落としての取組活動については、例えば、新規就農者に対する農業改良普及センターの指導、集落リーダー・オペレーターの新技術研修会や先進集落視察への参加、新規就農者に対する離農者の家屋の提供、利用権設定による農用地の面的集積及び酪農ヘルパーの活用等
(カ) 食糧自給率の向上に資するよう規定される米・麦・大豆・草地畜産等に関する生産の目標
集落で主に生産している作物等の作付面積の目標を数値で記載する。
なお、米の生産に関する目標については、「水田農業経営確立対策(水田農業経営確立対策実施要綱に基づくものをいう。)おいて配分された米の生産数量及び作付面積に関するガイドライン」との整合を図り、毎年度、これを定めることとする。
(キ) 集落の総合力の発揮に資する事項
例えば、一集落一農場制度による農業機械コストの低減、集落外農家との連携、畜産農家との連携等を記載する。
(ク) 将来の集落像についてのマスタープラン
集落が目指す将来の集落像を記載する。
(ケ) 基本方針により規定すべき事項
基本方針に基づき、集落が集落の実状に応じて集落協定に盛り込むことが適当と判断した事項を記載する。
イ 集落協定は一団の農用地ごとに締結する。ただし、複数の一団の農用地を含めて1つの協定を締結することもできる。
(2) 農業委員会は、集落協定が円滑に締結されるよう、必要に応じて利用権の設定等について調整を行うものとする。
(3) 集落協定の認定等
ウ 集落協定の変更認定事項
集落協定の締結内容の変更に当たって、町長の認定を要する事項は次のとおりとし、その他の事項については町長への届け出とする。
なお、認定を要する事項及び届出事項について、町長が認定する場合又は届出を受けた場合はイに準じた手続をするものとする。
a 協定農用地の面積の追加
b 農業生産活動等として取り組むべき事項の変更
c 食糧自給率の向上に資するよう規定されている米・麦・大豆等に関する生産目標のうち米の生産目標の変更
d 基本方針により規定すべき事項に基づき定めた事項の変更
エ 集落協定等内容の変更禁止事項
a 協定農用地面積の全部又は一部の除外(第3の4の(1)のイの(ア)から(エ)までの場合を除く。)
b 耕作放棄地等の復旧面積又は林地化する面積の全部又は一部の取りやめ
3 交付額
農業者等への交付額は、集落協定に位置付けられている農用地について、基本方針6に掲げる地目及び区分ごとの交付金の交付単価に各々に該当する対象農用地面積をそれぞれ乗じて得た額の合計額とする。
4 交付金の返還等
(1) 集落協定に違反した場合には、町長は、次の基準により交付金の返還等の措置を講ずることとする。
ア 交付金の返還
(ア) 集落協定違反となる場合及びその場合の措置
a 協定農用地について耕作又は維持管理が行われなかった場合は、協定農用地のすべてについての交付金を協定認定年度に遡って返還する。
b 多面的機能を増進する活動が行われなかった場合は、協定農用地のすべてについての交付金を協定認定年度に遡って返還する。
c 協定農用地に含まれる耕作放棄地若しくは自然災害地の復旧又は当該耕作放棄地若しくは限界的農地の林地化が行われなかった場合は、当該耕作放棄地、自然災害地又は限界的農地分については、協定認定年度に遡って返還するものとし、協定農用地のその他農用地については、当該年度以降の交付金の交付対象とはしない。
d 協定農用地外で協定農用地の農業生産活動等に悪影響を及ぼす耕作放棄地として当該集落協定に管理することが位置付けられた耕作放棄地について、管理が行われなかった場合は、協定農用地のすべてについて、次年度以降の交付金の交付対象としない。
e 水路・農道等の維持管理が行われなかった場合は、協定農用地のすべてについての交付金を協定認定年度に遡って返還する。
f 米・麦・大豆等に関する生産目標のうち、米の作付面積の目標を超えて米の作付が行われた場合には、協定農用地のすべてについて、次年度以降の交付金の交付対象としない。
(イ) 規模拡大加算について、返還となる場合及びその場合の措置
a 協定期間中、協定農用地について第三者への所有権の移転若しくは賃借権の設定又は賃借権若しくは作業受委託契約の解除が行われた場合は、当該農用地分の交付金を協定認定年度に遡って返還する。
b 協定農用地について、耕作又は維持管理が行われなかった場合(イの農業者の死亡、病気等の不可抗力の場合を除く。)は、当該農用地分の交付金を協定認定年度に遡って返還する。
c 受託者等に責がない事由により受委託契約等が解除された場合は、当該農用地について、次年度以降の交付金の交付対象としない。
イ 返還の免責事由
アにおいて、次の(ア)から(エ)のいずれかに該当する場合は、交付金の返還を免除することとする。ただし、病気の回復、災害からの復旧等を除き、当該農用地については当該年度以降の交付金の交付は行わないこととする。
(ア) 農業者の死亡、病気等の場合
(イ) 自然災害の場合
(ウ) 土地収用法(昭和26年法律第219号)等に基づき収用若しくは使用を受けた場合又は収用適格事業の要請により任意に売渡若しくは使用させた場合
(エ) 農地転用の許可を受けて農業用施設用地等とした場合
a 農業者等が農業用施設を建設するに当たり、農用地区域内の農用地を農業用施設用地に転用した場合(農用地区域内の土地の用途区分が農業用施設用地とされたものに限る。)
b 公共事業により資材置き場等として農用地が一時的に使用(当該事業が土地収用事業等であり、事業終了後に農用地に復旧されるものに限る。)される場合。この場合は、農用地として農業生産活動等が開始された年度から交付金の交付対象とする。
ウ 集落協定の構成員が高齢化等により当該農用地の耕作等が困難となった場合は、集落の代表者は、速やかに町、農業委員会等に当該農用地に対する利用権の設定等又は農作業受委託のあっせん等を申し出ることとする。
エ 返還の手続
町長は、アの協定違反の事態が生じた場合には、該当協定集落代表者に速やかに通知し、アの措置に基づき、町長が交付した交付金を返還させることとする。
(2) 町及び農業委員会は、交付金を返還するような事態を防止するため、認定農業者等に利用権の設定等又は農作業の受委託をあっせんし、耕作放棄が生じないよう指導することとする。
5 実施状況の確認
(1) 町は、毎年度集落協定に定められている事項の実施状況について9月30日までに確認するものとする。
(2) 確認事務、確認体制等
ア 書類審査
書類審査は、協定農用地について、当該年度の現地確認前に以下の項目について行う。
(ア) 一団の農用地について次のaからcまでのいずれかの基準に基づく審査
a 勾配が田で20分の1以上、畑、草地及び採草放牧地で15度以上である農用地
b 自然条件により小区画・不整形な田
c 勾配が田で100分の1以上20分の1未満、畑、草地及び採草放牧地で8度以上15度未満である農用地であって、町長が特に必要と認めるもの
(イ) 一農業者当たりの交付金の受給額について次の規定に基づく審査
一農業者当たりの交付金の受給額の上限は100万円とする。ただし、多数のオペレーターを雇用する第3セクター及び多数の構成員からなる生産組織等には適用しないものとする。
イ 現地確認計画の策定等
現地確認計画の策定等については、以下のとおり行う。
(ア) 現地確認計画の策定
町は、毎年度、農業生産活動等の実施状況を確認するため、確認の時期、確認体制、確認の方法等について具体的な計画を策定する。
(イ) 確認野帳の作成
町は、現地確認を円滑に実施するため、農業生産活動等の現地確認に必要な事項について、別記様式第5号の確認野帳を作成する。
(ウ) 関係機関への協力要請
町は、現地確認を円滑に実施するため、関係機関への協力を要請することができる。
協力を要請する関係機関とは、農業委員会、土地改良区、農業協同組合、農業改良普及センター等とし、協力要請事項としては、農用地の所有権移転等の状況、農作業の受委託契約の状況、水路の管理状況、土地改良事業の実施状況、水田農業経営確立対策の実施状況等についての情報の提供、現地立会等とする。
(エ) 標示票の作成
町は、現地確認を円滑に行うため、別記様式第6号の標示票を作成し、事前に該当農業者等に配布する。
ウ 現地確認
現地確認は、以下のとおり行う。
(ア) 農業者等への通知書の送付及び標示票の配布
a 現地確認の実施に当たっては、町は、現地確認の日時及び確認方法等について、農業者等に予め別記様式第7号の通知書により連絡して行う。
b 農業者等は、現地確認日前に、当該農用地に係る標示票に集落協定に記載された事項を記入の上、現場に掲出しておくものとする。
(イ) 現地確認の方法
a 現地確認は、協定農用地ごとに、掲出された標示票に基づいて所要の事項を確認するとともに、現地において協定に規定された農業生産活動等の実施状況について、調査及び確認を行うものとする。
b 現地確認に当たっては、農業者等の立会いを求めることができる。
立会いを求めることができるのは、管理の実施等の確認が町のみでは困難であると判断される場合とし、集落協定の代表者の立会いを求めるものとする。
c 現地確認者は、農業生産活動等の実施者が現地確認内容を認知できるように、掲出された標示票に、現地確認日、交付の適否等現地確認の結果を記入する。
6 証拠書類の保管
(1) 交付金の交付を受けた者は、会計経理を適正に行うとともに、交付を受けた日から起算して5年間経理書類を保管しなければならない。
ア 交付金の交付を受けた者は、次の証拠書類を保管するものとする。
a 集落協定認定書
b 金銭出納簿
c 領収書
イ 会計経理の適正化
交付金の交付を受けた集落協定代表者は、次の事項に留意して会計経理を行うものとする。
(ア) 交付金の経理は、独立の帳簿を設ける等の方法により、他の経理と区別して行うこと。
(イ) 交付金の使用は、集落協定に規定した内容に基づき行い、その都度領収書を受領しておくこと。
また、集落協定の会計責任者は、個人ごとの支出状況や共同取組活動への支出内容が明確になる書類を整備しておくこと。
(ウ) 金銭の出納は、金銭出納簿により行うこと。
この場合、必要に応じて金融機関に預金口座等を設けること。
(エ) 領収書等金銭の出納に関する書類は、日付順に整理しておくこと。
7 交付金の交付の終了
交付金の交付は、次の(1)から(3)までのいずれかに掲げる場合には終了する。
(1) 集落においては、担い手が規模拡大等により集落の中核として定着すること等により、本交付金の交付がなくても集落全体として農業生産活動等の継続が可能となり、耕作放棄のおそれがないと判断される場合
なお、上記の想定される形態とは、次のとおりである。
ア 集落に中核となる担い手がいなくても、農業生産活動を特定農業法人、生産組織等が安定的に担うという形態の実現
イ 中核となる担い手に集落の相当程度の農地が集積され、これを残りのメンバーが補完するという形態の農業生産活動の実現
ウ 水路・農道等の管理などの共同作業については全戸で行われつつ、数戸の農家に土地利用型農業が集中され、残りの農家が高付加価値型農業を営むという集落ぐるみによる生産性の高い複合経営の実現
(2) 町内のほとんどの集落で(1)の状態となり、未達成集落の農用地について、達成集落の担い手が利用権の設定等又は基幹的農作業の受委託により農業生産活動等の継続が可能となり、耕作放棄のおそれのないと判断される場合
(3) 農業者においては、特定農業者となる場合
なお、交付金交付の終了の対象とならない農業者のうち、集落内のとりまとめ等において中核的なリーダーとしての役割を果たす担い手となっている農業者は、当該農業者の農用地に対して交付される交付額を集落の共同取組活動に充てるものとする。
第4 実施期間
実施期間は、平成13年度から平成16年度までの4年間とする。
第5 交付金の交付実績の報告
集落代表者は、毎年度、厚沢部町中山間等直接支払交付金交付要領に基づいて4月末日までに前年度の交付金の交付実績を別記様式第8号の中山間地域等直接支払交付金実績報告書により町長に報告する。
第6 委任
交付金の交付の実施に関し必要な事項は、この要領に定めるもののほか、町長が別に定める。
附則
この要領は、公布の日から施行する。
附則(平成22年訓令第19号)
この訓令は、公布の日から施行する。
様式 略