○知床100平方メートル運動地保全管理条例
平成9年3月24日
条例第5号
前文
知床を乱開発から守るため、昭和52年3月「知床で夢を買いませんか」と全国に呼び掛けた「知床100平方メートル運動」は国内外の多くの協力者の善意によって、知床の開拓離農地の保全が図られた。
また、この運動は、わが国のナショナル・トラスト運動として、その先駆的な役割を果たすとともに、知床の名を全国に知らしめ、斜里町に多くの恩恵をもたらした。
いま、この知床に寄せられた参加者一人ひとりの夢は、知床の森の再生であり、復元であることをしっかりと認識し、後世に、この知床の貴重な自然を残していくことが斜里町の責任でもある。
したがって、斜里町は協力者の夢を実現するため、責任をもって運動地を原生の森に再生し、未来永劫にこの森を保全管理するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は「知床100平方メートル運動」に賛同した協力者の期待に応えるべく、運動地を原生の森に再生し、厳正に管理するために必要な事項を定め、もって知床の自然の保護に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この条例において「運動地」とは、岩宇別地区に所在する既存の町有地と、知床100平方メートル運動により取得し、又は取得する地域をいう。ただし、運動地内の公共事業用地等規則で定める用地は除外地とする。
(事業)
第3条 町長は、運動地を原生の森に再生するとともに、保全管理するための事業を行うものとする。
2 前項の事業執行に当たっては、専門的知識のある者からの意見を聴取するとともに、関係附属機関へ諮問し、調査、審議等を求めることができる。
(協力者の受入れ)
第4条 町長は、自然や環境の保全に熱意をもち、この事業に賛同する協力者からの寄附金の受入れに努めるものとする。
(譲渡不能)
第5条 町長は、運動地を譲渡不能の原則に立ち、永久に保全し、善良なる管理に努めなければならない。
2 何人も、運動地を大切に保全するために協力しなければならない。
(台帳の保存)
第6条 町長は、この事業に協力した者の台帳を作成し、これを保存しなければならない。
(会計の処理及び報告)
第7条 町長は、運動地の保全に関する資金の内容及び事業の執行については、特別会計を設置して処理するとともに、協力者に対し協力した当該年度分の状況報告をしなければならない。
(委任)
第8条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
1 この条例は、平成9年4月1日から施行する。
2 斜里町自然景観保全林設置条例(昭和53年条例第14号)は、廃止する。
附則(平成13年条例第2号)
この条例は、平成13年4月1日から施行する。
附則(平成14年条例第4号)
この条例は、公布の日から施行する。