○鹿部町いじめの防止等に関する条例

令和3年3月19日

条例第5号

(目的)

第1条 この条例は、子どもに対するいじめの防止に関する基本理念を定め、町、教育委員会、学校、保護者、地域住民及び関係機関等の責務及び役割を明らかにするとともに、いじめの防止等の対策を総合的かつ効果的に推進し、もって子どもの尊厳を保持するとともに、子どもが互いの違いを認め合い、及び支え合いながら、健やかに成長できる環境の形成に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) いじめ 子どもと一定の人間関係にある他の子どもが行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった子どもが精神的又は肉体的な苦痛を感じるものをいう。

(2) 子ども 町内の学校に在籍する児童及び生徒をいう。

(3) 保護者 親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。

(4) 学校 町内の小学校及び中学校をいう。

(5) 地域住民 町内に在住し、若しくは在勤している者又は町内の自治組織及び団体に属する者並びに町内で事業を営んでいる個人及び法人をいう。

(6) 関係機関等 所轄警察署、児童相談所その他いじめの問題の対応に関係する機関及び団体をいう。

(基本理念)

第3条 町、教育委員会、学校、保護者、地域住民及び関係機関等は、いじめが全ての子どもに関係する問題であるとの認識に立ち、子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境を実現するため、それぞれの責務及び役割を自覚し、主体的かつ相互に連携していじめの防止及び早期解決に取り組まなければならない。

(いじめの禁止)

第4条 子どもは、いかなる理由があってもいじめを行ってはならない。

(町及び教育委員会の責務)

第5条 町及び教育委員会は、第3条に規定する基本理念に基づき、学校、保護者、地域住民及び関係機関等と連携し、いじめの防止及び早期解決を図るために必要な施策を講じなければならない。

(学校の責務)

第6条 学校は、いじめの防止のため、社会性、規範意識及び思いやりなどの豊かな人間性を育む教育活動を推進しなければならない。

2 学校は、町、教育委員会、保護者、地域住民及び関係機関等と連携していじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、子どもがいじめを受けていると思われるときは、いじめの早期解消のため適切かつ迅速にこれに対処しなければならない。

3 学校は、いじめの防止に組織的に取り組むため、校内における体制を整えるとともに、子どもが安心して相談できる環境を整えなければならない。

(保護者の責務)

第7条 保護者は、子どもの教育について第一義的責任があることを認識し、その子どもがいじめを行うことのないようにするため、規範意識及び他人を思いやる心などの基本的な倫理観を養うための教育を行うよう努めるものとする。

2 保護者は、町、教育委員会及び学校が行ういじめの防止に関する取組に協力するよう努めるものとする。

(地域住民の役割)

第8条 地域住民は、子どもに対する見守り、声掛け等を行うほか、それぞれの活動及び行事を通じて、子どもの健全育成に努めるものとする。

2 地域住民は、いじめを発見したときには、速やかに町、教育委員会又は学校に情報を提供するよう努めるものとする。

(北海道との連携等)

第9条 町及び教育委員会は、北海道(以下「道」という。)と連携協力して、いじめの防止等の対策の推進を図るとともに、必要があると認めるときは、道に対して措置を講ずるよう要請するものとする。

(鹿部町いじめ防止基本方針)

第10条 町は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)第12条の規定によりいじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「いじめ防止基本方針」という。)を定めるとともに、必要に応じて見直しを行わなければならない。

(学校いじめ防止基本方針)

第11条 学校は、いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、学校いじめ防止基本方針(当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針をいう。)を定めるとともに、必要に応じて見直しを行わなければならない。

(鹿部町いじめ対策委員会)

第12条 教育委員会は、いじめ防止基本方針に基づき、いじめの防止等の対策の効果的な推進を図るため、鹿部町いじめ対策委員会(以下「対策委員会」という。)を置く。

2 対策委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(学校におけるいじめの防止)

第13条 学校は、子どもの豊かな情操と道徳心を培い、コミュニケーション能力の素地を養い、いじめが生まれにくい環境をつくるため、教育活動全体を通じて道徳教育及び体験活動の充実を推進しなければならない。

(いじめの早期発見等のための措置)

第14条 教育委員会及び学校は、いじめの実態を的確に把握し、いじめの早期発見及び早期解消を図るため、子どもへのアンケート調査及び必要な調査等を行うものとする。

2 教育委員会及び学校は、子ども及びその保護者がいじめに係る相談を行うことができる体制を整備するものとする。

3 前項に定めるもののほか、教育委員会は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。

(学校評価等における留意事項)

第15条 教育委員会は、いじめの事実が隠蔽されず、並びにいじめの実態の把握及びいじめに対する措置が適切に行われるよう、学校評価において、いじめの防止等の取組に関わる評価が適正に行われるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

(インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進)

第16条 教育委員会及び学校は、子ども及びその保護者が、インターネットにより発信される情報の高度の流通性、発信者の匿名性などの特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、子どもに対する情報モラル教育(情報化社会の中で適正に行動するための基となる考え方及び態度を養うことなどを目的とする教育をいう。)の充実に努めるものとする。

(啓発活動)

第17条 教育委員会は、いじめの実態及びその傾向、いじめが子どもの心身に及ぼす影響、いじめを防止することの重要性、いじめに係る相談等について必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。

(学校におけるいじめの防止等の対策のための組織)

第18条 学校は、いじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、複数の教職員及び必要に応じて心理、福祉等の専門的な知識を有する者等により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。

(いじめに対する措置)

第19条 学校は、いじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、速やかに教育委員会に報告するものとする。

2 学校は、いじめがあったことが確認された場合は、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、いじめを受けた子どもに対する支援並びにその保護者に対する情報の提供及び支援を行うよう努めなければならない。

3 学校は、いじめを行った子どもに対する指導及び支援並びにその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。

4 学校は、いじめを受けた子どもが安心して教育を受けることができるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

5 学校は、いじめの事案の円滑な解決を目指して、いじめを受けた子どもの保護者及びいじめを行った子どもの保護者の理解と協力の下、いじめの事案に係る情報を当該事案に係る子どもの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、子どもの生命、身体又は財産に重大な被害が生ずるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求めなければならない。

(教育委員会による措置)

第20条 教育委員会は、学校から報告を受けたときは、学校に対し支援を行い、若しくは必要な措置を講ずることを指示し、又は自ら必要な調査を行うものとする。

(懲戒及び出席停止)

第21条 校長及び教員は、子どもがいじめを行っている場合であって教育上必要があると認めるときは、学校教育法(昭和22年法律第26号。以下「法」という。)第11条の規定に基づき、適切に子どもに対して懲戒を加えるものとする。

2 教育委員会は、子どもをいじめから守る必要があると判断したときは、いじめを行った子ども及びその保護者に対して、法第35条第1項(法第49条において準用する場合を含む。)の規定に基づき出席停止の措置を講ずるものとする。

(学校による対処)

第22条 学校は、いじめにより子どもの生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いが認められるとき又はいじめが原因により学校を長期間欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められるとき(以下「重大事態」という。)が発生したときは、速やかに教育委員会に報告しなければならない。

(教育委員会による対処)

第23条 教育委員会は、前条の報告があった場合又は子ども若しくはその保護者から重大事態が発生し、若しくは発生した疑いがあるとの申立てがあった場合は、教育委員会が主体となる調査を実施しなければならない。

2 教育委員会は、前項の報告又は申立てが重大事態であるときは、対策委員会を活用し、公平かつ中立性を確保した調査を実施するものとする。この場合において、対策委員会は、いじめを受けた子ども及びその保護者の意見聴取の機会を確保しなければならない。

3 教育委員会は、前2項の調査が終了したときは、その調査結果を町長へ報告しなければならない。

4 教育委員会は、第2項の調査が終了したときは、いじめを受けた子ども及びその保護者へ調査の結果を情報提供するものとする。

(町長による対処)

第24条 町長は、前条第3項の調査結果について、必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により再調査を行うことができる。

2 町長は、前項の再調査が終了したときは、いじめを受けた子ども及びその保護者へ調査の結果を情報提供するものとする。

3 町長は、第1項の再調査結果を議会に報告しなければならない。

(委任)

第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(鹿部町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 鹿部町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年条例第13号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

鹿部町いじめの防止等に関する条例

令和3年3月19日 条例第5号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第10編 育/第2章 学校教育
沿革情報
令和3年3月19日 条例第5号