○鹿部町職員等公益通報条例

平成18年5月1日

条例第12号

(目的)

第1条 この条例は、鹿部町(以下「町」という。)の行政の執行に携わる者が、公益に反する事態を是正するため正当な通報をしたことにより不利益取扱いを受けないようにするとともに、公正な職務の遂行を確保することにより、町民の負託に応え信頼される町政を確立し、もって町民の利益を保護することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員等 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する本町(以下「町」という。)の職員及び町に対し公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第2条第1項に規定する労務を提供する者並びに地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により町が指定した者が行う町の施設の管理業務に従事する者をいう。

(2) 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例、規則及び規程をいう。

(3) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者をいう。

(4) 公益通報者 公益通報をした職員等をいう。

(公益通報)

第3条 町職員等は、町の事務事業、町が出資する団体の出資目的に係る事務事業又は町から事務事業を受託し、若しくは請け負った事業者における当該事務事業に関する事実で、次の各号に該当するものがあると思料するときは、適宜の方法により、直接、町長その他の町の機関又は鹿部町法令等遵守審査会(以下「審査会」という。)に公益通報をすることができる。

(1) 法令に違反する事実

(2) 人の生命、健康、財産若しくは生活環境を害し、又はこれらに重大な影響を与えるおそれのある事実(前号に該当する事実を除く。)

(3) 前2号のほか、事務事業に係る不当な事実

2 前項の通報によって当該違法又は不当な事実が是正されなかった場合には、同項に掲げる者以外の者で是正のために相当と認められる者に対して通報し、又は自ら相当な方法で公表することができる。同項の通報によっては是正されないおそれがあり、かつ、早急に是正されなければならない緊急の必要がある場合においても、同様とする。

3 公益通報に際しては、通報者は、原則として実名によらなければならない。

(通報者の責務)

第4条 通報者は、公益通報に当たっては、確実な資料に基づき誠実に行うよう努めなければならない。

(不利益取扱いの禁止)

第5条 通報者は、正当な公益通報をしたことによっていかなる不利益取扱(事実行為を含む。)も受けない。

2 正当な公益通報をしたことを理由として不利益取扱いを受けた通報者は、その旨を第7条に規定する審査会に通報することができる。この場合において、正当な公益通報をした者がそれ以後に受けた不利益取扱いは、特段の理由がない限り、当該公益通報をしたことを理由としてされたものと推定する。

3 審査会は、正当な公益通報を理由として不利益取扱いがされたと認めるときは、当該取扱いをした者に原状回復その他の改善を勧告することができる。

4 当該取扱いをした者が前項の勧告に従わないときは、審査会は、その事実を公表することができる。

(町長等の責務)

第6条 町長等(町長、教育委員会その他の任命権者をいう。以下この条において同じ。)は、通報者が前条第1項の不利益を受けたとき、又は受けるおそれのあると認められるときは、その改善又は防止のため必要な措置を講ずるものとする。ただし、通報者が同条第2項の規定に基づき、審査会に通報した場合には、その判断を経た後にするものとする。

2 町長等は、通報者が通報に係る事実に関与した者であるときは、懲戒処分を軽減することができる。

3 町長等は、通報に係る事実がないことが判明した場合に関係者の名誉が害されたと認めるときは、事実関係の公表等関係者の名誉を回復するため適切な措置を講ずるものとする。

(審査会の設置)

第7条 公益通報等の調査、審査等を行うため、地方自治法第138条の4第3項の規定に基づき、町長の附属機関として審査会を設置する。

2 審査会は、委員3人で構成する。

3 委員は、弁護士、行政相談委員、人権擁護委員等専門的な知識を有する者の中から町長が委嘱する。

4 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いたあとも、同様とする。

6 町長は、委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員としてふさわしくない行為があると認めるときは、解職することができる。

7 委員は、前項の規定による場合を除くほか、その意に反して解職されることはない。

8 委員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害のある事件については、調査及び審査をすることはできない。

9 審査会の会議は、委員全員の出席をもって開催するものとする。ただし、やむを得ない事情のある場合は、この限りでない。

10 審査会の会議は、非公開とする。ただし、審査会が必要と認める場合には、公開することができる。

11 審査会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。

(審査会の事務局)

第8条 審査会に事務局を置く。

2 事務局員は、規則で定める職員とする。

(審査会の職務)

第9条 審査会は、第11条に規定する公益通報の受理、調査、審査等に関する事項の職務を所掌する。

(審査会への公益通報)

第10条 審査会は、第3条第1項の規定に基づく公益通報があったときは、誠実にその内容を聴取し、趣旨の確認に努めなければならない。

2 前項の通報内容が、仮に事実であっても違法又は不当なものでないときは、審査会は理由を説明してこれを受理しないことができる。

3 審査会は、公益通報を受理したときは、町長に報告することが適当でないと認められる相当な理由があるときを除き、直ちにその概要(通報者の氏名を除く。)及びこれに対する審査会の応対方針を直接町長に報告しなければならない。

(審査会の調査)

第11条 審査会は、公益通報があり、調査の必要があると認めるときは、直ちに調査を開始しなければならない。

2 前項の調査に当たっては、町、その他の機関及び町職員等は、これに協力しなければならない。

3 前項の規定により調査に協力した者は、調査結果が公表されるまでの間その事実を漏らしてはならない。

4 審査会は、規則で定める標準処理期間内に調査を終えるよう努めなければならない。

(調査結果の報告及び公表等)

第12条 審査会は、調査の結果、当該通報に係る事務事業に関し、違法又は不当な事実が存在すると認めたときは、その内容をそれを証する資料とともに町長に報告しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、審査会は、相当な理由があるときは、その内容を証する資料の添付を保留することができる。

3 第1項の規定にかかわらず、通報者の氏名はこれを報告しない。ただし、審査会は、特に必要があると認める場合において、あらかじめ本人の同意を得たとき、又は本人から特に依頼があった場合には、氏名を報告することができる。

4 調査結果の報告を受けたときは、町長は、規則で定めるところによりその内容を公表するとともに、必要に応じて告発するほか、再発防止のため必要な措置をとらなければならない。事案が他の機関に関するものであるときは、町長は、当該機関に通知し、当該機関は町長に準じて必要な措置をとらなければならない。

5 町長又は前項後段の機関が前項の措置をとらないときは、審査会は、これを自ら公表又は告発する等相当の措置をとるものとする。

6 審査会は、調査の結果、当該通報に係る事務事業に関し、違法又は不当な事実の存在が認められなかったときは、又は調査を尽くしても違法又は不当な事実の存否が判明しないときは、その旨を町長に報告しなければならない。

7 審査会は、調査の結果を通報者に報告しなければならない。ただし、匿名による通報者及び特に報告を希望しない通報者に対しては、この限りでない。

(審査会の説明責任)

第13条 町長は、審査会の調査又は前条第5項の措置に関し必要があると認めるときは、審査会の説明を求めることができる。

2 前項の説明請求は、調査を妨げる目的でしてはならない。

(運用上の注意)

第14条 この条例の運用に当たっては、町は関係者の人権が不当に侵害されないように配慮しなければならない。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成18年6月1日から施行する。

(平成19年6月5日条例第13号)

(施行期日)

1 この条例は、平成19年7月1日から施行する。

(令和元年6月14日条例第4号)

この条例は、公布の日から施行する。

鹿部町職員等公益通報条例

平成18年5月1日 条例第12号

(令和元年6月14日施行)