○上富良野町自治基本条例
平成20年12月22日条例第28号
上富良野町自治基本条例
目次
前文
第1章 目的と理念(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの基本原則(第4条―第6条)
第3章 町民の権利と責務(第7条―第9条)
第4章 議会の役割と責務(第10条―第12条)
第5章 町の役割と責務
第1節 町長の責務(第13条)
第2節 職員の責務(第14条)
第3節 町の責務(第15条・第16条)
第6章 信頼される町政の推進
第1節 町の仕事(第17条―第23条)
第2節 情報共有(第24条―第27条)
第3節 参画と協働(第28条―第30条)
第7章 コミュニティ(第31条・第32条)
第8章 地域防災(第33条・第34条)
第9章 町民投票制度(第35条・第36条)
第10章 交流と連携(第37条・第38条)
第11章 条例の位置付け(第39条・第40条)
附則
わたしたちの暮らす上富良野町は、大雪山国立公園に位置する十勝岳連峰のふもとに広がるラベンダーの香りに包まれた、美しく豊かな自然と風土に恵まれたまちです。
わたしたちには、明治30年、富良野原野の母なる地として開拓の鍬が下ろされてから、大正15年の十勝岳噴火による大災害を乗り越え、今日に至るまで、まちを愛する多くの先人の英知とたゆまぬ努力により発展してきたこのまちを、更に発展させ、次世代に引き継いでいくことが求められています。
わたしたちは、町民一人ひとりの個性と人権を尊重しながら、希望と誇りをもって、心も体も健康に、安心して生活できるまち、住んでいて良かった、住み続けたいと思えるまちを目指します。そのためには、町民一人ひとりが、自治の主体としてその役割を自覚し、積極的にまちづくりに参画していくことを基礎として、議会及び町とお互いに力をあわせ、自主的・自律的にまちづくりを進めていかなければなりません。
わたしたちは、ここに、わたしたちが共有する上富良野町の最高規範として、この条例を制定します。
第1章 目的と理念
(目的)
第1条 この条例は、上富良野町におけるまちづくりの基本理念とまちづくりに関する基本原則を明らかにし、まちづくりにおける町民の権利と責務、議会及び町の役割と責務等を定めることにより、町民主体の公正で民主的な自治の実現を図ることを目的とします。
(用語の定義)
第2条 この条例において使われる用語の定義は、次のとおりとします。
(1) わたしたち 上富良野町の自治を構成している町民、議会及び町の三者すべてをいいます。
(2) 町民 町内に居住する者、町内に通勤又は通学する者及び町内で事業を営む法人又は活動する団体をいいます。
(3) 町 町長をはじめとするすべての執行機関等をいいます。
(4) 参画 町の仕事の立案から実施及び評価に至る様々な過程や、まちづくりの様々な活動に、主体的に参加することをいいます。
(5) 協働 わたしたちがお互いに役割と責任を担い、それぞれの特性等を尊重しながら補完し、協力しあうことをいいます。
(6) まちづくり 自らが生活し、活動する地域をはじめとして、わたしたちが暮らす上富良野町を魅力的でより快適にしていく活動をいいます。
(7) 町の仕事 町がその権限において行うすべてのことをいいます。
(8) コミュニティ 地縁に基づく団体や、目的に基づく団体、更に町民相互のつながりも含めたものをいいます。
(基本理念)
第3条 わたしたちは、町民憲章を尊重し、次の基本理念を共有して、まちづくりを進めます。
(1) わたしたちは、町民がまちづくりの主体であり、住民自治の担い手であることを理解しあいます。
(2) わたしたちは、国籍、民族、年齢、性別、心身の状況、社会的又は経済的環境、個々の考え方等、お互いの違いを理解するとともに尊重しあいます。
(3) わたしたちは、それぞれが持つ能力を発揮し、お互いに助け合い、協力しあいます。
(4) わたしたちは、学習や心身の健康づくりを惜しまず、自らを高めます。
(5) わたしたちは、次世代への責任を持ち、将来を考え、豊かな自然環境に恵まれた上富良野町を守り育てます。
第2章 まちづくりの基本原則
(情報共有の原則)
第4条 まちづくりは、町民共有の財産であるまちづくりに関する情報を、わたしたちがお互いに共有して進めることを基本とします。
(自助・共助・公助の原則)
第5条 まちづくりは、町民一人ひとりあるいはコミュニティが自らの責任のもとに決定し行動するとともに、町はそれぞれの活動を補完しながら進めることを基本とします。
(参画と協働の原則)
第6条 まちづくりは、町民一人ひとりの参画により進めていくことを基本とします。
2 まちづくりは、わたしたちが相互理解のもとに、協働で進めていくことを基本とします。
第3章 町民の権利と責務
(町民の権利)
第7条 わたしたち町民は、まちづくりに関して必要な情報の提供を受け、自ら取得する権利を有します。
2 わたしたち町民は、まちづくりの主体として、町の仕事に係る意志の決定、実施及び評価等に参画するとともに、まちづくりに等しく参画する権利を有します。
(子どものまちづくりに参画する権利)
第8条 満18歳未満の青少年及び子どもは、それぞれの年齢にふさわしいまちづくりに参画する権利を有します。
(町民の責務)
第9条 わたしたち町民は、まちづくりの主体であることを認識し、お互いに尊重し協力して、まちづくりへの積極的な参画に努めます。
2 わたしたち町民は、総合的視点に立ち、まちづくりにおいて自らの発言と行動に責任を持つように努めます。
第4章 議会の役割と責務
(議会の役割と責務)
第10条 議会は、町民を代表する意思決定機関としての役割を果たすため、まちづくりに町民の意思を反映するよう、条例の制定改廃、予算、決算等について意思決定を行います。
2 議会は、町の監視機関としての役割を果たすため、常に町民の立場から、公正で民主的な町政運営が行われているかを検証し、それを町民に明らかにするよう努めます。
(議会の運営)
第11条 議会は、町民に開かれた議会運営を行うため、保有する情報を積極的に公開し、町民との情報共有に努めます。
2 議会は、自由な討議を尊重して運営するとともに、審議の過程や結果等を町民に分かりやすく説明するよう努めます。
3 議会は、町民からの要望又は意見書等について十分審議し、その結果を報告するよう努めます。
4 議会は、個人の権利及び利益が侵害されることのないように、個人情報の保護に努めます。
(議員の責務)
第12条 議員は、町民の信託に応えるとともに、この条例を誠実に守って、議員の持つ機能を最大限に発揮し、町民のために職務を遂行するよう努めます。
2 議員は、議会の活性化に努めるとともに、町民の意思を反映した政策の提言又は政策立案の強化を図るため、調査活動及び立法活動を積極的に行うよう努めます。
第5章 町の役割と責務
第1節 町長の責務
(町長の責務)
第13条 町長は、町政が町民の信託に基づくものであることを深く認識し、町政の代表者として、町民の意思を尊重するとともに、この条例を誠実に守って、公正で民主的な町政運営を行います。
2 町長は、町の職員(以下「職員」という。)を適切に指揮監督するとともに、町政の課題に的確に対応できる知識と能力を持った人材の育成を図り、効率的な組織運営に努めます。
第2節 職員の責務
(職員の責務)
第14条 職員は、町民に信頼される町政運営を支える役割があることを深く認識し、この条例を誠実に守って、全体の奉仕者として町民の視点に立って効率的に職務を行います。
2 職員は、職務の遂行にあたり、必要な能力を高めるよう自己研鑽に努めます。
3 職員は、自らも地域社会の一員であることを認識して、町民との信頼関係づくりに努めます。
第3節 町の責務
(町の責務)
第15条 町は、町民の信頼に応えるため、次の事項を基本として、町政運営を行います。
(1) 公平かつ公正で、透明性の確保に努めます。
(2) 町民の意向及び地域の実情を的確に把握し、町民の生活の向上に努めます。
(3) 中長期的な視点に立って、健全な財政運営に努めます。
(4) 公共サービスの提供における適切な役割分担に努めます。
(組織)
第16条 町の組織は、町民に分かりやすく、簡素で機能的であるとともに、町民の意向、社会経済情勢及び政策課題の変化に、柔軟に対応できるよう編成します。
第6章 信頼される町政の推進
第1節 町の仕事
(総合計画)
第17条 町は、総合的かつ計画的な町政運営をするため、その最上位計画となる総合計画を作成します。
2 町の仕事は、総合計画に基づき実施することを原則とします。
3 町は、総合計画のほかに特定分野ごとの計画をつくるときは、総合計画と整合性を図り、計画相互間の体系化に努めます。
4 町は、総合計画の成果を把握するとともに評価を加え、適切な進行管理を行い、進ちょく状況を公表します。
5 町は、総合計画の作成及び評価にあたっては、町民参画によりこれを行い、その内容を公表します。
(財政運営)
第18条 町は、最少の経費で最大の効果を挙げるように財源を効率的かつ効果的に活用し、自主的かつ自律的な財政運営を行うことにより、健全な財政運営を進めます。
2 町は、総合計画を踏まえた財政運営を行うため、中長期的な財政計画を作成し、公表します。
3 町は、町の財政状況を明らかにするため、毎年度の予算、決算を公表します。
4 町は、町の財産の保有状況を明らかにし、その適正な管理と効率的な運用を進めます。
(行政手続)
第19条 町は、町民の権利及び利益を保護するため、町民からの申請に対する処分、不利益処分、行政指導等の行政手続を公正に行います。
(意見、要望、苦情等への対応)
第20条 町は、町民からの意見、要望、苦情等(以下「意見等」という。)があったときは、速やかに事実関係を調査し、誠実に対応します。
2 町は、前項の規定による対応を迅速かつ適切に行うため、対応記録を作成します。
3 町は、町民からの意見等を尊重し、これを町の仕事に反映するよう努めます。
(政策法務)
第21条 町は、町民主体のまちづくりを実現するため、次に掲げる法務活動に努めます。
(1) 条例、規則の制定等の自治立法を積極的に行います。
(2) 法令等を自主的かつ適正に解釈し、運用します。
(3) 提訴、応訴等訴訟に的確に対応します。
(4) 前各号に掲げるもののほか、法務能力の向上に努めます。
(行政評価)
第22条 町は、町の仕事が効率的で効果的に実施されているかどうかを検証するため、相対的かつ客観的な視点に立って、行政評価を実施します。
2 町は、行政評価の過程や結果を公表するとともに、これを町の仕事に反映します。
(行政サービスの提供)
第23条 町は、町民の要望や課題に適切に対応するため、組織内の横断的な調整を図り、総合的かつ良質な行政サービスの提供に努めます。
第2節 情報共有
(情報の公開と共有)
第24条 町は、町民の知る権利を保障し、公正で開かれた町の仕事を進めるため、次に掲げる制度を総合的に活用して、町民との情報共有に努めます。
(1) 町の仕事に関し、町が保有する情報を分かりやすく公開し提供する制度
(2) 町の仕事に関する町の会議を公開する制度
(3) 町の仕事に関し、町が保有する文書その他の記録を請求に基づいて公開する制度
(情報の収集と管理)
第25条 町は、町の仕事に関する情報を的確に収集し、速やかにこれを提供できるよう統一された基準により、整理し保存します。
(説明責任)
第26条 町は、町の仕事の立案、実施及び評価等のそれぞれの段階において、その経過や内容、成果等を町民に分かりやすく説明する責任を有します。
(個人情報の保護)
第27条 町は、個人の権利及び利益が侵害されることのないように、個人情報の収集、利用、提供、管理等について必要な措置を講じます。
第3節 参画と協働
(参画と協働)
第28条 町は、町民の参画する権利を保障するとともに、町民の様々な意向が町の仕事に反映されるようあらゆる機会を通じて、町民の参画機会の拡充に努めます。
2 町は、協働のまちづくりを進めるにあたって、町民の自主性を尊重するとともに、目的や情報を共有して、相互理解のもとに信頼関係を築くよう努めます。
(政策決定過程への参画)
第29条 町は、町の仕事の立案、実施及び評価等のそれぞれの段階において、町民が参画できる仕組みを整えます。
2 町は、それぞれの事案に応じて効果的な町民参画の手法を選択するとともに、これを公表し、実施します。
(審議会等への参画)
第30条 町は、審議会、審査会、調査会その他の附属機関及びこれに類するものの委員には、公募の委員を加えるよう努めます。
第7章 コミュニティ
(コミュニティの充実)
第31条 わたしたち町民は、協働によるまちづくりの重要な担い手となりうるコミュニティの役割を認識し、自主的で自律的なコミュニティを守り、育てるよう努めます。
(コミュニティと町の関わり)
第32条 町は、コミュニティとの協働を進めるため、コミュニティの自主性及び自律性を尊重し、その活動に応じて支援に努めます。
第8章 地域防災
(町と町民の防災の役割)
第33条 町は、発生が予測される様々な災害に対する予防活動、緊急対策活動及び復旧活動等、総合的な災害対策に関する計画を作成し、計画に沿った対応を進めます。
2 わたしたち町民は、自らの生命・財産を災害から守るため、常に災害への備えと、地域内における自主防災組織の結成及びその活動に参加、協力するとともに、町の諸対策に協力します。
(活火山十勝岳)
第34条 わたしたちは、十勝岳から、豊かな自然の恩恵を受けるとともに、その火山活動による幾多の試練を受けてきた経験を生かし、緊急時はもとより、日ごろから火山防災の対策に取り組みます。
第9章 町民投票制度
(町民投票)
第35条 町長は、町政に係る重要事項について、直接町民の意思を把握し、町政に反映させるため、町民投票を実施することができます。
2 町民投票に参画できる者の資格その他町民投票の実施に必要な事項は、それぞれの事項に応じて、別に条例で定めます。
3 町長は、前項に定める条例に基づき町民投票を行うときは、町民投票の結果の取扱いをあらかじめ明らかにして実施します。
(町民投票の請求と発議)
第36条 上富良野町において選挙権を有する者は、法令の定めるところにより、その総数の50分の1以上の連署をもって、その代表者から、町民投票を規定した条例の制定を町長に請求することができます。
2 議員は、法令の定めるところにより、議員定数の12分の1以上の賛成者を得て、町民投票を規定した条例を議会へ提出することで、町民投票を発議することができます。
3 町長は、必要に応じ、町民投票を規定した条例を議会へ提出することで町民投票を発議することができます。
第10章 交流と連携
(様々な人々との交流)
第37条 わたしたちは、様々な活動や交流を通じて、他の市町村や他の国々の人々の知恵や意見をまちづくりに生かすように努めます。
(他の自治体等との連携)
第38条 町は、共通する課題を解決するため、国、北海道その他の自治体と相互に連携を図りながら、広域的な視点に立ったまちづくりに努めます。
2 町は、広域連合や一部事務組合等を活用し、近隣の自治体との連携、協力を積極的に進め、効率的な町政運営と町民へのサービスの向上に努めます。
第11章 条例の位置付け
(最高規範性)
第39条 わたしたちは、この条例を上富良野町の最高規範に位置付け、この条例を誠実に守ってまちづくりを進めます。
2 町と議会は、この条例の趣旨に基づき、他の条例、規則等の体系化に努めるとともに、必要な条例、規則等の制定、見直しを積極的に進めます。
(条例の見直し等)
第40条 わたしたちは、この条例の施行後5年を超えない期間ごとに、この条例が所期の目的を達成しているかを総合的に検討するものとします。
2 町と議会は、前項の規定に基づく検討の結果、条例の見直し等が必要な場合は適切な措置を講じることとします。
附 則
この条例は、平成21年4月1日から施行する。
附 則(平成30年12月17日条例第18号)
この条例は、平成31年4月1日から施行する。