○厚真町歴史的建築物の保存及び活用に関する条例
令和5年2月10日
条例第7号
(目的)
第1条 この条例は、本町の開拓期からの歴史的・文化的な価値を有する建築物(以下「歴史的建築物」という。)について、その文化的価値を良好な状態で将来の世代に継承するとともに、安全性の維持及び向上を図り、その保存及び活用を促進するため、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第3条第1項第3号に規定する建築物に講じる現状変更の規制及び保存のための措置について、必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において使用する用語は、次項に定めるもののほか、法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)において使用する用語の例による。
(1) 対象建築物 次のいずれかに該当する歴史的建築物をいう。
ア 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第57条第1項の規定により登録された有形文化財
イ 景観法(平成16年法律第110号)第19条第1項の規定により指定された景観重要建造物
(2) 増築等 建築物の増築、改築、移転(他の敷地に新築する場合を含む。)、修繕、模様替え又は用途の変更をいう。
(3) 保存活用計画 対象建築物の保存及び活用に係る計画であって、次に掲げる事項を定めたものをいう。
ア 対象建築物の保存を図りながら、これを活用するために必要な増築等の工事の内容に関する事項
イ 対象建築物の安全性に関する事項
ウ 対象建築物の維持及び管理に関する事項
エ 対象建築物の活用用途及び事業に利用する場合は、事業計画に関する事項
(4) 保存建築物 次条第1項の登録を受けた対象建築物をいう。
(所有者による登録の申請)
第3条 対象建築物の所有者は、当該対象建築物の保存及び活用を図るため、法第3条第1項第3号に基づく特定行政庁の指定(以下「指定」という。)を必要とするときは、町長に対し、当該対象建築物を保存建築物として登録することを申請することができる。
2 前項の規定による申請を行おうとする者は、当該対象建築物に係る保存活用計画を策定し、その他規則で定める図書を添付して町長に提出しなければならない。
3 第1項の申請を行おうとする対象建築物の所有者は、当該対象建築物の敷地(その保存活用計画において当該対象建築物の移転をすることとされている場合は、移転後の敷地)に、当該対象建築物の所有者以外の所有者又は借地権その他当該敷地を使用する権利を有する者があるときは、あらかじめ当該申請の内容について、これらの者の同意を得なければならない。
(保存建築物の登録等)
第4条 町長は、前条第1項の規定により申請を受けた場合において、当該対象建築物に係る保存活用計画について交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該対象建築物を保存建築物登録簿に登録するものとする。
2 町長は、前項の登録をしようとするときは、あらかじめ、厚真町教育委員会及び北海道建築審査会の意見を聴かなければならない。
3 町長は、前項の登録をしようとするときは、あらかじめ、区域を管轄する消防署長に意見を聴くことができる。
4 町長は、第1項の規定による登録をしたときは、当該対象建築物の所有者に通知するものとする。
5 町長は、第1項の規定による登録をしたときは、その旨を公告するとともに、保存対象敷地及び当該保存対象敷地内に存する建築物の位置その他規則で定める事項を表示した図書を一般の縦覧に供さなければならない。
6 対象建築物の所有者は、第4項の規定による登録の通知を受けたときは、当該保存建築物に係る法第3条第1項第3号の規定による指定を行うための必要な手続きをとるものとする。
(登録の変更)
第5条 保存建築物の所有者は、当該保存建築物の保存活用計画の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、町長に対し、変更の登録(以下「変更登録」という。)の申請をしなければならない。
3 町長は、第1項の規定による申請を受けた場合において、当該申請の内容が当該保存建築物の保存及び活用を図るために必要であり、かつ、変更後の保存活用計画について安全上、防火上、交通上及び衛生上の支障がないと認めるときは、変更登録をすることができる。
(登録の取消し)
第6条 町長は、保存建築物について次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、速やかに当該保存建築物の登録を取り消さなければならない。
(1) 法第3条第1項第1号又は第2号に規定する建築物に該当するに至ったとき。
(2) 滅失したとき。
(3) 毀損その他の事由により保存建築物の登録の理由が失われたとき。
2 町長は、保存建築物について公益上の理由その他特別な理由があると認めるときは、当該保存建築物の登録を取り消すことができる。
6 対象建築物の所有者は、第4項で規定する登録の取り消しの通知を受けたときは、対象建築物について、特定行政庁の指定を解除する手続を行わなければならない。
(現状変更の規制の原則)
第7条 保存建築物の現状の変更は、当該保存建築物の保存活用計画に従い、この条例の定めるところにより行われなければならない。
(増築の許可等)
第8条 保存対象敷地内において保存建築物その他建築物の増築等をしようとする者又は保存建築物についてその形状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、現状変更の許可申請を行い、町長の許可を受けなければならない。ただし、通常の管理行為、規則で定める軽易な行為及び災害のため必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。
2 町長は、前項で規定する現状変更の許可申請を受けたときは、あらかじめ、北海道建築審査会の意見を聴くとともに、特定行政庁に報告しなければならない。
4 町長は、第1項で規定する現状変更の許可申請に対して許可をするにあたり、当該許可に係る保存建築物の保存のため、必要な条件を付することができる。
5 前項の許可は、当該許可に係る工事が法第6条第1項若しくは法第6条の2第1項(法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請を要するものである場合は、当該申請又は通知を行おうとする日までに受けなければならない。
6 第1項の許可に係る工事は、当該許可を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
(完了検査)
第9条 前条第1項の許可を受けた者は、当該許可に係る工事を完了したときは、規則で定めるところにより、町長の検査を申請しなければならない。また、法第6条第1項若しくは法第6条の2第1項(法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定に基づく確認の申請を要する工事である場合は、当該検査を行おうとする日までに法第7条第1項若しくは法第7条の2第1項の規定による完了検査を受け、検査済証の交付を受けなければならない。
3 町長は、第1項の申請があったときは、当該申請を受け付けた日から7日以内に、当該申請に係る保存建築物が当該許可の内容に適合しているか検査しなければならない。
(1) 第8条第1項の許可を受けていない場合
(2) 第8条第1項の許可内容に違反している場合
(3) 第8条第4項の規定により付した条件に違反している場合
(保存のための措置の原則)
第12条 保存建築物の所有者は、当該保存建築物の保存活用計画に従って、当該保存建築物の保存及び活用を図らなければならない。
(保存管理責任者の選任等)
第13条 保存建築物の所有者は、当該保存建築物について、前条に定めるところにより保存及び活用を行わせるため、当該保存建築物の管理に関する責任者(以下「保存管理責任者」という。)を選任することができる。
2 保存建築物の所有者は、前項の規定により保存管理責任者を選任したときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。保存管理責任者を変更し、又は解任したときも、同様とする。
3 保存建築物の所有者は、保存管理責任者について届け出た事項に変更があったときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。
4 前条で定める規定は、保存管理責任者について準用する。
(所有者の変更の届出)
第14条 売買その他所有権の移転により新たに保存建築物の所有者になった者は、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。
(維持管理の報告等)
第15条 保存建築物の所有者又は保存管理責任者は、当該保存建築物の維持管理がその保存活用計画に従っていることについて、定期的にその状況の調査を行い、その結果を町長に報告しなければならない。
2 町長は、前項に定めるところによるほか、必要があると認めるときは、保存建築物の所有者又は保存管理責任者に対して、当該保存建築物の現状又は管理若しくは工事の状況について報告若しくは資料の提出を求め、又は命じることができる。
(管理に関する助言等)
第16条 町長は、保存建築物の所有者又は保存管理責任者に対し、当該保存建築物を保存するために必要な助言を行うことができる。
2 町長は、保存建築物の構造若しくは建築設備に不備があり、又は保存建築物若しくは保存対象敷地の管理が適切でないため、当該保存建築物の損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば保安上著しく危険な状態となり、又は衛生上著しく有害となるおそれがあると認める場合において、当該保存建築物の所有者又は保存管理責任者に対し、相当の猶予期限を付して、管理の方法の改善その他保存建築物又は保存対象敷地の管理に関し必要な措置を執るよう勧告することができる。
3 町長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に係る措置を執らなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付して、当該勧告に係る措置を執るよう命じることができる。
(監督処分)
第17条 町長は、保存建築物の保存について、次の各号に該当すると認める場合は、相当の猶予期限を付して、当該保存建築物等の増築等、外観の変更、除却、使用禁止、使用制限その他必要な措置を命じることができる。
(1) 保存建築物に第11条第1項各号に該当する工事が行われたため、当該保存建築物の保存がその保存活用計画に従って行われなくなった場合
(2) 前号の場合のほか、保存建築物の保存がその保存活用計画に従って行われないため、当該保存建築物の保存に重大な支障が生じた場合
(権利義務の承継)
第18条 この条例の規定に基づき保存建築物に関し行われた登録、指定、許可、命令その他の処分に係る当該保存建築物の所有者の法律上の地位は、売買その他所有権の移転により新たに当該保存建築物の所有者となる者に承継されるものとする。
(建築士法の適用)
第19条 第8条第1項に規定する行為に係る保存建築物の工事に関し、その設計、工事監理及び構造設計について建築士法(昭和25年法律第202号)に定めがある場合は、同法に定めるところによるものとする。
(行政手続条例の適用除外)
第20条 厚真町行政手続条例(平成9年条例第1号)第13条の規定は、次の各号に該当するときは、適用しない。
(2) 第6条第1項第3号又は第2項に該当することにより保存建築物の登録を取り消そうとする場合で、当該保存建築物の所有者が厚真町行政手続条例第13条第1項に規定する意見陳述において、その意見を述べ、又は意見を述べないことを明らかにしたとき。
(3) 第11条第1項の規定により工事の停止を命ずる場合及び同条第2項の規定により作業の停止を命じる場合において、当該措置に係る違反が明らかであると認められ、かつ、緊急に当該措置を命ずる必要があるため厚真町行政手続条例第13条第1項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。
(立入調査等)
第21条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、町長が指定する職員に、保存対象敷地若しくは保存建築物等に立ち入り、その状況を調査させ、必要な検査をさせ、又は関係者に質問をさせることができる。ただし、住居に立ち入るときは、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
2 前項の規定により立入調査、立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項に規定する立入調査、立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、現に解体され、その建築材料の全部又は一部が保管されている建築物で、当該建築材料の全部又は一部を用いて原形を再現しようとするものについては、解体されていないものとみなして、この条例の規定を適用する。